WAVES L3-16 マキシマイザーの使い方 L3との違いとは!?

 WAVESにはL3-16というマキシマイザーがありますが、前作のL3とは何が違うのでしょうか?

配色やボタンの配置などは前世代のL3-LLと少し似ていますが、実はL3-16はなんと16バンドに分けて細かく音圧上げができるすごいマキシマイザーなのです!!

 バンドを細かくすることで今までよりもさらに不要な圧縮を避け、必要最小限な音の劣化に止めつつも必要なピークはしっかりと圧縮して綺麗に音圧を上げることができるのが特徴です。

 今回はそんなL3-16マキシマイザーについて使い方を紹介していきます^-^ノ

 リミッター・マキシマイザーの説明はL1から見ていくとわかりやすい構成になっています。マキシマイザーについてもっとよく知っておきたいという方はそちらの記事を先にご覧ください。

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WAVES L3-16とは

 L3-16では周波数を16個のバンドに分割して圧縮を行うのでピークを超えていない音域の圧縮を最小限に抑えることができます。

 例えば、今までは低音の120Hzだけがピークを超えているのみ他の音域の音まで一緒に圧縮されていたところを、L3-16では、120Hz近辺のみを狙って圧縮するので、この場合高音域には一切影響がないといったメリットがあります。

 その反面、圧縮されている音域とされていない音域がでてくるので、音域ごとのバランスが崩れやすく、キャラクターが変わりやすいという性質もあります。

 多少キャラクターが変わってもとにかく音圧を上げたいという場合に適していて、EDMなどのジャンルで使用するのがおすすめです。

 一方オーケストラや吹奏楽、アコースティックな雰囲気を壊したくない場合などにはあまりおすすめはできないプラグインです。プラグインのレイテンシもかなり大きいため掛け録りなども遅延が多くて実用的ではありません。

 操作性はEQのように扱えたり、L3-16からリリースもバンドごとではなくマスターで一括調整の仕様に変わったのでより簡単に直感的に使えるように仕上がっています。

  • 16バンドで細かく必要な部分だけを圧縮することができる
  • 細かく圧縮するのでもちろん音のキャラクター変化は大きい
  • 16バンドといっても実質操作は6バンドで細かいバンドは自動で補正してくれる
  • WAVESマキシマイザーの中では最も音割れが少なく音圧が大きく上がる
  • 特に音圧を上げたいEDMなどのジャンルに適している
  • 印象が変わりやすいため雰囲気を活かしたい生楽器のミックスには向かない
  • プラグインレイテンシが大きいので掛け録り用には向かない
  • リリースがマスターのみになって操作は単純化された
  • バンドのQ幅を変えたり、EQの操作に少し似ている

L1、L2、L3との違い

L1 L2 L3 L3-16
リリースタイム 手動のみ
  • ARC
  • 手動
  • ARC
  • 数種のプリセット
  • 手動
  • ARC(マスター)
  • 数種のプリセット
  • 手動
味付け 自然 味付けがなく自然 多少 多い
圧縮時の割れ 多い 少ない 少ない 少ない 
マルチバンド 非対応 非対応 対応(5バンド)

対応(16バンド) 

低レイテンシ 非対応 非対応 低レイテンシ版あり 非対応 
適したジャンル 生楽器 生楽器 生楽器~EDM EDM

 L1やL2はシングルバンドで全ての音域に均等にかかるのでアコースティック楽器のミックス用途に適しています。特にL2はリリースタイムが自動であったり、音割れが少なくて綺麗に仕上がります。

 L3やL3-16はとにかく音圧を音割れ無く上げることを目的に作られているので、EDMジャンルには最適です。

 音圧を綺麗に上げるということは、それだけ圧縮されている音と圧縮されていない音で加工される量が変わるということでもあるので、それだけ音のキャラクター変化は大きくなります。

スレッショルドの設定

 お馴染みのスレッショルドバーです。スレッショルドを下げると圧縮量が増えてダイナミックレンジが狭くなり、音圧が上がっていきます

Priority(周波数ごとのスレッショルド設定)

 Priorityでは周波数ごとにスレッショルドを微調整することができます。Priorityを上げると圧縮が少なくなり、下げると圧縮量が増えます。

GAIN(周波数ごとの音量)

 GAINでは周波数ごとに音量を変えることができます。EQのような使い方だと考えるとわかりやすいです。

OUT CEILINGの設定(出力の最大値)

 Out Ceilingでは、圧縮後の最大出力音量を設定します。

 出力の最大値はデフォルトでは0dBになっているので、少し余裕を持たせて-0.2~0.3程度に設定しておきましょう。

リリースの設定

 L3-16ではARC(オートリリース)が基本で、リリースによる音色のキャラクターを選択できます。

 選択したキャラクターを元に、自動リリースタイムの時間を倍率で設定することができます。デフォルトでは1.00(1倍)になっていて、そこから短くするか長くするかを調節していきます。

パラグラフィックバンド効果のON/OFF

 各バンドコントロールの一番下に四角いボタンがありますが、これは各バンドのQをONにするためのスイッチです。OFF状態だと次に説明するQに関する設定がすべてバイパスされます。

 デフォルトグレーの状態ではOFFになっているので、有効にしたいバンドのボタンを押してONにしましょう。

Q幅の設定

 L3-16ではEQのようにQ幅を狭めたり広げることができます。Q幅は、値が小さいほど広く、値が大きいほど狭くなります。

フィルタータイプの設定

 Qのフィルタータイプを、ピーキングまたはシェルビングから選ぶことができます。

セパレーションの設定

 セパレーションでは16個のバンドそれぞれについて、どのくらいの量をクロスフェードするか設定できます。

 「Low」では重なり部分が多く、「High」では重なり部分が少なくなります。

スレッショルドとOut ceilingのリンク

 L3までと同じく、スレッショルドとOut Ceilingをリンクさせて動かすことのできるボタンです。ボタンをクリックしたまま上下に動かすと両方のバーがリンクした状態で動きます。

PriorityとGainのリンク

 こちらもL3と同じく、PriorityとGainをリンクさせて動かすことのできるボタンです。ボタンをクリックしたまま上下に動かすと両方のバーがリンクした状態で動きます。

ATTEN

 こちらもL3までと同じもので、全体で何dB圧縮されているかを確認するためのモニターです。

IDR

 IDRは「Increased Digital Resolution」の略でデジタル解像度を増やすという意味です。

 IDRでは24bitや16bitなどの解像度ごとに生じる情報の欠損を、ノイズによる解像度補完を行ってハイレゾのように滑らかに繋いでくれます。

 QUANTIZEの部分は書き出すbit数に合わせて、DitherとShapingはミックス段階では「None」に設定しておきましょう。

まとめ

  • 16バンドで細かく必要な部分だけを圧縮することができる
  • 細かく圧縮するのでもちろん音のキャラクター変化は大きい
  • 16バンドといっても実質操作は6バンドで細かいバンドは自動で補正してくれる
  • WAVESマキシマイザーの中では最も音割れが少なく音圧が大きく上がる
  • 特に音圧を上げたいEDMなどのジャンルに適している
  • 印象が変わりやすいため雰囲気を活かしたい生楽器のミックスには向かない
  • プラグインレイテンシが大きいので掛け録り用には向かない
  • リリースがマスターのみになって操作は単純化された
  • バンドのQ幅を変えたり、EQの操作に少し似ている
L1 L2 L3 L3-16
リリースタイム 手動のみ
  • ARC
  • 手動
  • ARC
  • 数種のプリセット
  • 手動
  • ARC(マスター)
  • 数種のプリセット
  • 手動
味付け 自然 味付けがなく自然 多少 多い
圧縮時の割れ 多い 少ない 少ない 少ない 
マルチバンド 非対応 非対応 対応(5バンド)

対応(16バンド) 

低レイテンシ 非対応 非対応 低レイテンシ版あり 非対応 
適したジャンル 生楽器 生楽器 生楽器~EDM EDM

 WAVES L3-16はキャラクター変化が大きかったり、レイテンシが大きかったり何かと使いづらいこともありますが、音割れを少なく綺麗に音圧を上げる目的ならば一番優秀なマキシマイザープラグインです。

 EDMなどのジャンルを作っている方の音圧上げの強力な味方になってくれるL3-16を是非試してみてくださいね^-^ノ

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