Cubaseのインスペクターパネルについて基本的な機能や使い方を紹介

 Cubaseのインスペクターパネルは、選択中のトラックの詳細設定を行うためのパネルです。

 見た目が複雑なので初めて目にすると使いこなすのが大変そうに思えますが、要点を押さえてしまえばこちらもとても簡単に覚えられます💡

 今回はそんなCubaseのインスペクターについて紹介していきます。

インスペクターパネルの表示と非表示

 インスペクターパネルが表示されていない場合は、「ウィンドウレイアウトの設定」から「インスペクター」にチェックを入れて表示させましょう。

インスペクターに表示するトラックを選択する方法

 インスペクターパネルは、選択中のトラックの情報を表示したり、設定を行うためのパネルですので、設定したいトラックをその都度選択する必要があります。

 トラック・リストには複数のトラックが配置されていますが、そんな複数のトラックの1つをクリックすると選択状態にすることができます。

基本設定画面

 インスペクターを使う上で、一番重要なのが基本設定です。

 この画面はAudioトラックやMIDIトラック、インストゥルメントトラックでも共通なので必ず覚えておきましょう💡

トラック名の表示&チャンネルストリップの起動ボタン

 まず最初は上の方赤枠部分から覚えてしまいましょう。こちらにはトラック名が表示されていて、右の「e」と書かれたボタンをクリックするとCubaseのチャンネルストリップ機能が起動します。

 チャンネルストリップとは、簡単に説明するとEQやコンプレッサーなど、Cubase付属のエフェクトを掛けたりできるパネルで、インスペクターが一つのウィンドウになったものです。

 このパネルでできることは、インスペクターパネルでも行えるので特に今は覚えなくても問題ありません。

トラックの操作に関するパネル

 真ん中あたり(赤枠部分)は、主にトラックを操作するための項目です。

ミュート・ソロ & オートメーションのリード・ライトモードのON/OF

  • ①「」のマークを押すとトラックがミュート(消音)になります。
  • ②「」のマークを押すとトラックをソロ(単体)で聴くことができます。
  • ③「R」のマークを押すと、オートメーションという追加設定を再生時に反映させます。
  • ④「W」のマークを押すと、再生中にオートメーションをリアルタイムに動かして記録することができます。

 オートメーションとは、例えば時間変化に伴ってビブラートの掛かり方を弱く〜強くへ変えたり、ピッチベンドを書き込んだり、設定値が一定ではなく時間変化に伴って変えたい場合に使用する機能です。

録音や編集に関わる項目

  • ①「録音可能ボタン」・・・AudioやMIDIのリアルタイム録音をする場合は、このボタンを点灯させておきましょう。
  • ②「モニタリングボタン」・・・マイクを使った録音を行う際には、このモニタリングボタンをONにすることで、マイクが拾った音を聴くことができます。録音した音を再生する場合にはOFFにしないと音が出ないので注意しましょう。
  • ③「ミュージカル/リニア」・・・テンポを変えた時に、オーディオやMIDIがテンポに合わせて伸び縮みするかどうかを設定できます。リニアモードでは長さは固定、ミュージカルモードではテンポに合わせて素材が伸び縮みします。
  • ④「ロック」・・・ロックをONにするとトラックの編集ができなくなります。
  • ⑤「レーンを表示」・・・複数のテイクを1つのトラックでまとめるレーンという機能がありますが、そのレーンの表示・非表示を切り替えます。
  • ⑥「フリーズ」・・・重たい音源やプラグインなどを使っているトラックを擬似的にAudio化することでパソコンへの負荷を減らせる機能です。

ボリューム・パン・トラックディレイの設定

  • ①「ボリューム」・・・トラックのボリュームをコントロールします。
  • ②「パン」・・・トラックの音を左右に振り分けることができます。
  • ③「トラックディレイ」・・・トラック上に配置された音の発音タイミングを早めたり遅らせたりすることができます。

入出力に関する設定項目

 入出力に関する設定項目は「インストゥルメントトラック」や「MIDIトラック」、「Audioトラック」など、トラックの種類によって異なるので分けて説明していきます。

Audioトラックの場合

 オーディオトラックの場合、入力の部分には、例えばマイクが接続されているチャンネルであったり、ギターが繋がれているチャンネルを指定することで、このトラックに入力された音を録音することができるようになります。

 出力はデフォルトのマスターチャンネル(Stereo Out)の他、グループチャンネルなどを作って一度まとめてからマスターへ送るなどの設定ができます。

MIDIトラックやインストゥルメントトラックの場合

  • ① 使用する音源を指定します。
  • ② 使用する音源の設定画面を開きます。

 MIDIトラックやインストゥルメントトラックの場合は、主にバーチャル音源を割り当てて使用することになるので、音源の割当と設定画面の呼び出し方法について覚えておきましょう。

MIDIモディファイアーについて

 MIDIモディファイアでは、移調の設定やランダム化、調律方法などの設定を行うことができます。

 特に移調楽器の打ち込みを行う際は移調機能が活躍するので覚えておきましょう。

オーディオインサート

 オーディオインサートはEQやコンプ、他社製のプラグインなど、エフェクトプラグインをトラックに使用するための場所です。

 横長のマスが8マスあって、8種類のプラグインを使用することができます。

オーディオセンド

 見た目はオーディオインサートに似ていますが、こちらは直接プラグインを使用する場所ではなく、トラックで流れている音を他のチャンネルへ流すための機能です。

オーディオフェーダー

 見た目的に一番わかりやすいのがこのオーディオフェーダーですね💡

 基本的は今まで紹介してきた機能が集約されているので説明は前項をご覧ください。

Cubaseインスペクターのまとめ

 Cubaseインスペクターパネルにはまだ他にもたくさんの機能がありますが、それらを一度に覚えるのはかなり大変なうえに、すべての機能が全員に必要とは限らないので、今回は基本的な作業に必要な項目に絞って紹介しました。

 さらに細かい機能や使い方については、活用する場面ごとに紹介していこうと思います^-^ノ