オーケストラ楽器の音域と息の持続時間についてすべての楽器を解説

 オーケストラで使われる楽器の便利な音域表、管楽器の息の持続時間を作成しました。

 楽譜の音域表はオーケストレーションの名著にたくさん載っていますのでそちらを参照していただいて、ここでは楽譜を読めない方にも鍵盤でわかりやすいものを公開したいと思います。

 ついでに管楽器については息継ぎなしで最大何秒くらい演奏できるのかについても書いたので作曲の際に参考にしてみてください^-^ノ

 ※ ちなみに奏者の腕や楽器の仕様によって最低音や最高音は変わってきます、どんな奏者でも楽に出る音域、その楽器の音色が一番活かせる音域で鳴らしてあげることが大切です。

 ※ 息の継続時間は最大で、という場合なので曲を書くときにはもっと頻繁に息継ぎを入れてあげましょうね(!) 特に f やタンギングが続くときは息継ぎ重要です。

ピッコロ( C管 )

ピッコロとは

ピッコロはオーケストラの楽器の中で最も高い音を出すことが出来る楽器です。金管楽器がfで鳴っていてもこの楽器の高音だけはよく抜けて聴こえます。

 あまり長時間鳴ってると耳が痛くなりますのでアクセント程度に・・・。

息の持続時間(目安)

10秒、p25

ピッコロの音域

フルート( C管 )

フルートとは

フルートは「クラリネットとの和音(1:2)」や「オーボエとのユニゾン、オクターブ」にとも相性が良い楽器で、ソロやアクセントとしても大活躍します。

高音は小鳥のイメージで、中低音はちょっと和風な雰囲気を出すことも出来るそんな楽器です。

 木管楽器の中では特に肺活量が求められるので適度に休ませてあげましょう。

息の持続時間(目安) 10秒、p25

フルートの音域

オーボエ( C管 )

オーボエとは

オーボエは、リードを2枚使ったダブルリードの楽器で、哀愁漂う音色が特徴的です。

抜けが良い、目立つ音色なので、ここぞ!という箇所でソロでメロディを演奏したり、フルートとのユニゾンもとても綺麗でよく使用されます。

息の持続時間(目安)20秒、p45

オーボエの音域

クラリネット( B♭管 ・ A管 ・E♭管)

クラリネットとは

リードを1枚使ったシングルリードの楽器で、吹奏楽では華形でバイオリン的な役割を担う楽器でもあります。

木管楽器の中では大きな音量も出せる一方で弱奏も得意なので上手に使うと繊細な表現ができます。

 定番ですが、和音でClとFgの交叉法を使うとクラシック〜でオーソドックスな響きが得られます。

行きの持続時間(目安)20秒、p45

クラリネットの音域

バスクラリネット( B♭管 )

バスクラリネットとは

クラリネットよりもさらに低音が出るクラリネットです。

吹奏楽では毎度おなじみの楽器で、使い所としてはバスの補強であったり、ファゴットでは低音の弱奏が難しいので、静か〜に低音を鳴らしてあげたい時に使用します。

息の持続時間(目安)10秒、p

バスクラリネットの音域

ファゴット 又は バスーン( C管 )

ファゴットとは

ファゴットはオーボエと同じ、リードを2枚使ったダブルリードの楽器です。バスーンとも呼ばれます。

最近では割とひょうきんなイメージ使われることも多いのですが、クラシックな響きをだしたいときには

あまり目立たないようでかなり活躍している楽器です。

息の持続時間(目安)

高音:10秒、p25

低音:秒、p12

ファゴットの音域

コントラファゴット( C管 )

コントラファゴットとは

コントラファゴットはファゴットの1オクターブ下の低音息をサポートする楽器で、全長はファゴットの倍の長さがあります。

最低音はピアノの左端、「B♭0」がこの楽器の出せる一番低い音となります。

息の持続時間(目安)

高音:10秒、p25

低音:秒、p12

コントラファゴットの音域

ホルン( 主に F管 )

ホルンとは

ホルンのまろやかな音色は木管楽器とよく溶け込む一方、低音の では力強いバリバリとした音色も出せる万能楽器でもあります。

ホルンは音域まで広いので作曲家にとってはとても使いやすい楽器ですが、適度に役割を他の金管に入れ替えて休ませてあげましょう。

高音域の弱奏や最低音域の演奏は慣れていないと難しいです。

ちなみにホルンはベルが後ろを向いた状態で演奏するため、他の金管と比較すると直接音よりも反射音を多く含んだ音が聴衆に届くのでまろやかなぼやけた印象になります。

音量は金管の中では少しだけ小さめです。

息の持続時間(目安)

高音:11秒、25

低音:秒、11

ホルンの音域

トランペット( 主に B♭管・C管 )

トランペットとは

トランペットといえば華やかな貴族のイメージでありながらも中低音の弱奏では少し切ないオーボエに近い印象を与えることもできます。

ピストン式の楽器は押し込むと息の抵抗が変わるので1音1音がはっきりしています。

トランペットは肺活量は多く必要ですが、金管楽器の中では比較的長く演奏出来る方です。

息の持続時間(目安)

高音:11秒、25

低音:秒、11

トランペットの音域

トロンボーン( B♭管 )

トロンボーンとは

トロンボーンといえば金管の力強さの代表のような存在で、オーケストラ全体のボリュームと音色の調整を担っている重要な楽器です。

トロンボーンが上手だと全体が上手に聴こえ、トロンボーンの表現で伝えたい情景が180°変わってしまうといっても過言ではないくらい重要です。

楽器が大きいので金管楽器の中でも使う息の量はさらに多くなります。

F管が付いているテナーバストロンボーンはFレバーを押すと管が伸びて低域が拡張します。

息の持続時間(目安)

高音:秒、18

低音:秒、

トロンボーンの音域

バストロンボーン( F管 )

バストロンボーンとは

バストロンボーンは、トロンボーンの管をロータリーによって延長できるようにして低音まで出るように改造した楽器です。

音域はとても広いですが高音域はトロンボーン同様あまり効果的ではないので低音に専念したほうが良い楽器です。

息の持続時間(目安)

高音:秒、18

低音:秒、

バストロンボーンの音域

チューバ( B♭管 )

チューバとは

チューバはB♭管なのですがスコアには移調しないで記譜するので注意!

この巨大な楽器はとにかく息をたくさん使うので、長い演奏は他の低音楽器に任せたほうが良い結果を得られます。

なみにマーチングで白い大きな楽器を目にしますが、あの楽器はチューバをマーチング用に改造したスーザフォンという楽器で、マーチ作曲家で有名なスーザが自分で使うために開発されました。

チューバの音域はバストロンボーンとほぼ同じです。

息の持続時間(目安)

高音:秒、10

低音:秒、

チューバの音域

バイオリン

バイオリンとは

弦楽器の定番楽器(ヴァイオリン属)で、高音域を担当します。

演奏が難しいとされますが実は音は簡単に出ます。ただ指板が短くて音程はミリ単位での指の位置の調整になるので奏者は位置感覚と音感で音程を即座に修正しながら演奏をしなければならない大変高度な技術が求められる楽器でもあります。

奏法がたくさんあって華やかさから不気味さまで幅広く表現することができてオーケストラでは大活躍です。

ソロや四声体としての機能のほかペダルポイントなどもよく担当していたり、セクションを2つのパートに分けて演奏するdiv.という方法もあります。

ちなみに弦楽器は構造上弦の最低音より下の音はでません。たまに緩めれば良いと考える方もいるようですがそれは現代音楽的な考え方で、バイオリン本体の中には魂柱という接着されていない柱が入っているのですが、弦を緩めるとこれがずれたり外れる原因にもなりますので避けましょう

バイオリンの音域

ビオラ

ビオラとは

バイオリンよりも一回り大きくて音色は少し鼻声のような曇った情緒的な響きをしています。主に内声を担当することが多くあまり目立った存在ではないのですが、たまにメインとなる場面もあります。

 ちなみにロマン派以降のオーケストラ配置の場合ビオラは右側に配置されるため、楽器の向きは聴衆とは逆方向になるため音色は残響音の割合が増えます。内声としてぼかして使うのが前提な配置のような気もします。

ビオラの音域

チェロ

チェロとは

音色はバイオリンと比べてかなり暗めで情緒的、ソロを担当する機会も多くて人気の楽器です。

オーケストラでもバイオリンと比べて人数が少ないためはっきりとした音色がそのまま届くのでその対比をうまく取り入れている曲も多くあります。

バイオリンやビオラが肩に乗せて演奏するのに対してこの楽器は床から縦に置いた状態で演奏するので、右側に置いても音は前に届きやすくなります。

チェロの音域

コントラバス

コントラバスとは

コントラバスは今まででてきた弦楽器の中でも起源が少し異なる「ヴィオール属」という楽器です。

チェロとの違いはペグが機械式で後ろ側に向いている点が異なります。肩の違いなどもありますがたまになで肩でないコントラバスも存在するので^-^;

吹奏楽やジャズなどでも大活躍でpizz.で演奏されることも多いなど独自のポジションが確立されています。

コントラバスの音域

まとめ

 今回はオーケストラの楽器について、音域や息の持続時間など作曲に役立つ情報をまとめてみました。

 楽器によって演奏しづらい音域や、出せない長さがあるのでこの記事を参考にしていただければと思います^-^ノ