和声法の属七の和音を覚えて表現の幅を広げよう♪

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 前回までは第1音、第3音、第5音の3つの組み合わせで和声を作ってきましたが、今回は第7音を含めた「属七の和音」について紹介していきます。

属七の和音とは

 属七はドミナントの機能を持っているので今までと同様に導音は主音へ解決させる必要があります。そして新たに登場する第7音は中音へと解決させてあげること、その2つが属七の和声を組み立てる重要なポイントとなります!

 それでは以上を踏まえて次の項目について見ていきましょう。

  • 属七の基本形
  • 属七の第一転回形
  • 属七の第二転回形
  • 属七の第三転回形
  • 属七の代用解決

Point!   I2はトニックの機能を持っていないため属七からI2へは進むことができません。

属七の基本形

 それでは属七の基本形について見ていきましょう。

 属七の基本形で大事なこと

  • 属七の基本形はIの基本形、VIの基本形のみに進める!
  • 属七の基本形では第5音を省略することが出来る。その場合根音が重複する。
  • 導音、第7音の重複は音が強調されるので避ける!!

属七の基本形からIの基本形に進む場合

 まずは、属七の基本形からIの基本形に進む場合をみてみましょう。

 V7の基本形からIの基本形に進む3パターン

一般的な進行

 ①はアルトの第7音が2度下行して解決された結果、Iの第5音が省略されている。

代用解決する進行

 ②はアルトの第7音が2度上行して下の声部が中音へ解決している(代用解決)。

属七の第5音省略形からの進行

 ③、④は属七の第5音を省略している。その結果続くIでは第5音は省略されない

 第7音が内声にあって、導音がそれよりも上の声部にある場合は第7音を2度上行して解決することができます。下の声部が解決音に進む)。

属七の基本形からVIの基本形へ進む場合

 続いて、VIの基本形へ進む場合です。

V7の基本形からVIの基本形へ進む1パターン

⑤〜⑧は第7音が2度下行し、導音が2度上行して解決し、残りの声部は全て2度下行する。

 結果としてVIでは第3音が重複される、V→VIの進行とほぼ同じ進行になります。

Point!  VIの構成音に属音がないため、V7の第7音が2度上行して進行することができない(到達点がない)、ので代用解決はできません

属七の第一転回形

 続いては属七の第1転回形です。

V7の第1転回形で大事なこと

  • Iの基本形とI1、VIへ進行することが出来る。
  • 通常の第一転回形と同様、上三声では第3音は省く。
  • 第7音は必ず2度下行する。

Point!  第一転回形では導音がバスにあるため代用解決ができません。もし第7音が2度上行するとバスとの間に連続5度が生じます。

属七の第2転回形

 属七の第2転回形についてみていきましょう。

V7の第2転回形で大事なこと

  •  属七の第2転回形は、Iの基本形またはI1へ進行できる。

V7の第2転回形からIの基本形へ進む1パターン

  • ⑬、⑭は共通音を保留し、導音は主音へ、第7音は2度下行している。

V7の第2転回形からI1へ進む2パターン

  • ⑮はアルトの第7音が2度上行し、バスが代用解決している。
  • ⑯はテノールが2度下行しI1バスと第3音が重複している。(旋律的に次へ互いに反行する場合はOK)

Point! 属七では第二転回形でもドミナントの機能をもっています。

属七の第三転回形

 最後に第3転回形を紹介します。

V7の第3転回形で大事なこと

  • 第3転回系はI1へ解決することが出来る。
  • 代用解決はできない。

 V7の第3転回形からI1へ進む1パターン

⑰〜⑳は、バスが第7音として常に2度下行している。

Point!   第三転回形では第7音がバスにあるため、解決音(中音)がバスにあるI1へのみ解決することができます。

属七の代用解決

代用解決とは?

 先程から登場している代用解決についておさらいです。

 代用解決とは、第7音が内声にあって、導音がそれよりも上の声部にある場合に、第7音を2度上行して解決する進行のことです。

代用解決できるパターン

 代用解決が出来るパターンをまとめてみました。

 代用解決できるパターンのまとめ

  • 基本形 → I
  • 第二転回形 → I
  • 第二転回形 → I1 

まとめ

 今回は属七の和声法について簡単に書いてみました。属七は7の和音の中でもよく使う部類にはいるのでしっかりとおさえておきましょう^-^ノ

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