レイテンシーの遅れって何ms以内を目指すべき!?演奏に支障が出ない時間はどのくらい?

 DAWでMIDIキーボードを使って音源を演奏&録音しようと思っていざ鍵盤を押すとなんだか音が遅れてしまって演奏しづらい現象・レイテンシーですが、かといって限界まで少なくすると今度は音がバリバリしだしてひどいときにはDAWソフトが終了してしまうなんてことになってしまいます

 もちろん遅延は限りなく0に近い程よいのですが、厳密に言えば実際の楽器でも鍵盤を押し込むまでに遅延があったり、太い弦を弾いて鳴るまでに若干の間があったりと、人間の動作と発音との間には多少の遅れが発生していて、プレイヤーはそれを計算しながらきちんと演奏ができています💡

 では、CPUの負荷を減らすために多少の遅延は許容しつつ演奏もきちんとできるような環境を作るためにはレイテンシーによる遅れを何ms以内に抑えるべきなのでしょうか?

 今回は、演奏に支障の出ないレイテンシーはどのくらいなのか? そして音が遅れる原因となる様々な要素について、気をつけるポイントや最適に演奏するための改善方法などを紹介していきます^-^ノ

様々なレイテンシー遅延(ms)による演奏のしづらさを比較

 それではここからはオーディオインターフェイスのバッファサイズを設定してレイテンシー(遅延:ms)の値を変えながら実際に演奏を行ってどの程度の遅れまでなら演奏に支障がないかを検証していきたいと思います💡

 ※今回の検証にはDAWにはCubase、オーディオインターフェイスはFireface UFX、音源はピアノ音源(Ivory)、演奏にはMIDIキーボードをMIDIケーブルをインターフェイス経由で接続して行っています

レイテンシー:4.83ms

 レイテンシー(合計)  4.83ms
 入力のレイテンシー  1.837ms
 出力のレイテンシー  2.993ms
 演奏のしやすさ  ◎ 
 安定性  ☓
 バッファサイズ  32サンプル

 まずは入力のレイテンシーが1.837ms、出力が2.993ms、合わせて4.83ms(約 5/1000秒)の遅延で検証です💡こちらはもちろん演奏している際に音の遅れはほとんど感じません。

 ただしトラックを追加していくと音がバリバリと鳴り始め、実用としてはちょっと無理がありそうです

レイテンシー:6.281ms

 レイテンシー(合計)  6.281ms
 入力のレイテンシー  2.562ms
 出力のレイテンシー  3.719ms
 演奏のしやすさ  ◎ 
 安定性  ☓
 バッファサイズ 64サンプル

 続いて6.281msの遅れです💡こちらもまだまだ快適に演奏できますが、CPUにはかなり負荷が掛かっていて、やはり実用的ではありませんでした。

レイテンシー:9.184ms

 レイテンシー(合計)  9.184ms
 入力のレイテンシー  4.014ms
 出力のレイテンシー  5.170ms
 演奏のしやすさ  ◎ 
 安定性  △
 バッファサイズ  128サンプル

 もう少しで10msに迫る遅延が生じていますが、こちらも演奏上で特に遅延している感じはなくスムーズに演奏できます💡

 安定性も、あまり重たい音源を使わずに数トラックで構成する場合には問題ありませんが、ミックス時に重たいエフェクトを使用すると安定性が損なわれてきます。

レイテンシー:12.086ms

 レイテンシー(合計)  12.086ms
 入力のレイテンシー  5.465ms
 出力のレイテンシー  6.621ms
 演奏のしやすさ  ◎ 
 安定性  △
 バッファサイズ  192サンプル

 12msになってもまだまだ良好!快適に演奏することができます💡 でも安定性でいうと、重たいKONTAKT音源をいくつも立ち上げるとやはり音がバリバリと鳴り出します。

レイテンシー:14.989ms

 レイテンシー(合計)  14.989ms
 入力のレイテンシー  6.916ms
 出力のレイテンシー  8.073ms
 演奏のしやすさ  ◎ 
 安定性  ◯
 バッファサイズ  256サンプル

 レイテンシー約15msになりますが、まだまだ演奏する上で支障はなく快適に演奏を楽しめます💡 動作に関してもこのあたりからかなり安定してくるので実用的な数値かなと思います

レイテンシー:20.794ms

 レイテンシー(合計)  20.794ms
 入力のレイテンシー  9.819ms
 出力のレイテンシー  10.975ms
 演奏のしやすさ  ◎ 
 安定性  ◎
 バッファサイズ  384サンプル

 いよいよ遅延も20msに到達しました💡 15msのときと比べると若干、ほんのちょっともったり感が現れ始めるのはこのあたりからかなと思います。

 でも演奏するにあたってはこういう楽器なのかな?と慣れれば許容範囲に収まる程度で、パソコンの安定性もこのあたりからぐっと上がってくるのでおすすめです💡

 ※ちなみにうちのスタジオ環境では通常この設定を採用しています

レイテンシー:26.599ms

 レイテンシー(合計)  26.599ms
 入力のレイテンシー  12.721ms
 出力のレイテンシー  13.878ms
 演奏のしやすさ  ◯
 安定性  ◎
 バッファサイズ  512サンプル

 レイテンシーも25msを超えてくるといよいよなんとも言えないもったり感が強くなってきます。

 特に入力用のMIDIキーボードがハンマーアクション式のものだと、打鍵音と発音のもったりした僅かな遅れが気になりだす人もいるはず!?

 本当に演奏に拘る人だとそろそろ違和感を感じますが、多くの方はこれくらいの遅延なら気にならない範囲かもしれません💡

 サンプル数512から安定性はかなり高まるので、ある程度マシンの動作を確保しつつ作業を進めたいという方や、リバーブを掛け録りしたいという方にとっては丁度よい設定です💡

 ※ただしプラグイン掛け録理の場合はプラグインによる処理遅延に注意しましょう

レイテンシー:38.209ms

 レイテンシー(合計)  38.209ms
 入力のレイテンシー  18.526ms
 出力のレイテンシー  19.683ms
 演奏のしやすさ  △
 安定性  ◎
 バッファサイズ  768サンプル

 レイテンシーも38msまでくるとほとんどの方にとって演奏には向きません!! ここまでくると完全に鍵盤の打鍵を音源が追いかけてくる感じになってきます

 やむを得ない場合は仕方ないですが、できればここまでの遅延は避けたいところですね💡

40msのズレってDTMだとこんな感じ

  わかりやすく40msのずれをDAW上で再現してみると、なんとこんなにもずれてしまっています(テンポ115のとき)これではズレを修正しながら演奏するのは大変ですね💡

レイテンシーは15ms~25msの間で安定するようにパソコンやインターフェイスのスペックを上げるのがベスト

Total Latency (Input,Output and…)

15ms ~ 25ms

 今回の検証の結果、MIDIコントローラーデバイスを使用して演奏&レコーディングを行う際には、レイテンシーを25ms以内に収めれば快適に演奏できることがわかりました💡

 またパソコンの安定性も考慮すると15ms~25msの間に収まるように調整すればバランスの良い設定となります。

 もし現状、レイテンシーを25ms以内に抑えてパソコンが安定しないようであれば、使用する音源やプラグインを軽いものに変えるか、またはパソコンのCPUをより性能の良いものに変えたり、オーディオインターフェイスを高性能なものに変えて、この目安に収まるように工夫してみましょう💡

Cubaseの場合ASIO-GuardはOFFに設定しましょう

 今回検証に使用したCubaseでは、デフォルトで「ASIO-Gurad」という機能が有効になっており、それだけでなんと「26.122ms」もの遅延が発生してしまいます

 ASIO-Guardはリアルタイムレコーディングには不向きな機能なのでOFFにして、その分オーディオインターフェイス側のバッファサイズを上げた方が少ない遅延でより安定した動作になるためおすすめです💡

レイテンシーの遅れって何ms以内を目指すべき!?演奏に支障が出ない時間はどのくらい?

  • 最適なレイテンシー(遅延)は15ms~25msの間
  • バッファサイズでは256~384サンプルに収めるのがベスト
  • レイテンシーを25ms以下に設定をして音がバリバリなりだしたらパソコンのCPU性能を上げたりオーディオインターフェイスの性能を見直そう
  • Cubaseの場合デフォルトで有効になっているASIO-Guardという機能をOFFにすることで快適で安定した動作で演奏できる

 パソコンの性能が上がる一方で、音源の性能も上がり、CPU負荷が大きくなってDTMではいつもレイテンシー問題がつきものです💡

 パソコンの安定性も考えつつ、でも演奏に支障の出ないレイテンシーの遅延時間ってどのくらいがベストなの?と疑問に思っていた方は25ms以内を目安にそれぞれの環境に合わせて微調整を行ってみてください^-^ノ