DTMにメモリはどのくらい必要!? 各作業や音源使用に必要なメモリ量を徹底検証!

 DTMではメモリがたくさん必要?なんて言う噂を聞いたことがあるかもしれませんが、実際のところDTMの作業を快適に行うためにはどのくらいのメモリが必要なのでしょうか?

 以前、DTM用のパソコンを購入しようと家電量販店へ足を運んで店員さんに「音楽制作用にパワーのあるパソコンを探しているんです」と伝えたところ、「音楽制作にはそんなにマシンパワーは必要無いよ〜」と軽く言われた悲しい思い出があります^-^;

 そのくらい、音楽制作にマシンパワーが必要と言う話は一般にあまり知られていないのです💡

  今回は実際にDTM関連のソフトを使って、作業をするためにどのくらいメモリが必要なのか、そしてさらに各有名音源についてもどのくらいのメモリを消費するのかを検証していきたいと思います^-^ノ

DAWの起動に必要なメモリは約1GB!

 まず、DTMの作業に欠かせないDAWソフトの起動に必要なメモリを調べると、空のプロジェクトを開いた状態で803MB、約1GBのメモリを消費していることがわかりました💡

 ソフトによっても若干の差がありますが、まずはDAWソフトの起動で既に1 GBで消費されていると言うことを覚えておきましょう💡

DAWソフトに必要なメモリは?

  • DAWソフトは空のプロジェクトを起動した状態で約1 GBのメモリを消費する!

オーディオトラックを追加してエフェクトを使用してもそれほど大きな変化がない?

 続いて、DAWソフトにオーディオトラックを追加してエフェクトを使用した場合のメモリ消費量を見てみましょう💡

 今回は、マスタリングソフトのOZONE8の使用によって若干メモリの使用量が増えていますが、WAVESのマキシマイザーのみではほとんどメモリの消費量が増えないことが確認できました。
 つまり、楽器を録音したり歌を録音して編集する作業がメインのDTMではメモリがほとんど必要ないということがわかりました💡
オーディオの録音・編集作業ならほとんどメモリは必要ない!

  • DTM作業のなかでもオーディオの録音やエフェクトを使った編集作業ではほとんどメモリが必要ない!

音源を使用した場合のメモリ消費量はどのくらい必要? DTMで最もメモリを必要とするのは打ち込み作業!

 DTMの作業で多くのメモリを消費する場面というのは、とても大きな容量のライブラリを読み込む音源を使用した打ち込み作業の場合です!

 ここからは有名な音源について、それぞれ1トラックにつきどのくらいのメモリが必要なのか見ていきましょう💡

VIENNAシリーズは以外に軽い? 1パッチあたり75MB程?

 VIENNAといえばオーケストラで有名な人気音源ですが、必要なメモリ数を調べて見ると、一般的によく使われるであろうレガート音源でもわずか73MBと非常に軽い音源だとわかります。

ただしマトリクスに奏法をたくさん読み込むと300MB程度必要!

 ただし、VIENNAにはキースイッチを使ってたくさんの奏法を切り替える機能があります。

 その際、たくさんの奏法のパッチを読み込むと300MBを超えてしまうこともありますが、それでもかなり軽い音源の部類に入ります💡

 ちなみに1トラックで300 MB必要ならば、10トラックなら約3GBののメモリが必要と言うことになります!

 オーケストラ音源はたくさんの楽器を必要とするので、一つ一つのメモリ消費量が少なくてもトラック数が増えるごとにいつの間にかものすごい消費量になっているということもあるので余裕を持ってメモリを積んでおくと安心できそうです💡

VIENNAはメモリ消費量を少なく抑えられる軽い音源!

  • 1パッチあたり75MB程度必要!
  • マトリクスに複数の奏法を読み込むと300MBを超えることも!

LA Scoring Stringsは250MB~750MBくらいを目安に!

 人気のストリング音源「LA Scoring Strings」では1つあたりのパッチを読み込むのに必要なメモリが約250MB

 LA Scoring Stringsは複数のパッチを組み合わせて人数感を調整するため、例えば1トラックでKONTAKTに3つのパッチを読み込む場合には3倍の750MBを目安に考えましょう💡

 弦楽器(Vn I、Vn II、Vla、Vc、Db)全てのトラックを作成する場合には、それだけで少なくとも1GB、複製パッチを使用して人数調整をするなら4GB程度のメモリが必要となります。

La Scoring Stringsのためだけでも4GB以上は用意すべき!

  • 1パッチあたり250MB程度!
  • 複数パッチを組み合わせる場合には、読み込む数だけ加算される!
  • 弦楽器全てのトラックを作成して豊かに鳴らすためには4GBを超えることもあるので、この音源のためだけに4GB以上のメモリを用意するのがおすすめ!

ピアノ音源 Ivory II は約1GB以上のメモリが必要!

 人気のピアノ音源「Ivory II」のメモリ消費量を調べてみると、なんと1GB近くものメモリが必要なことがわかりました💡

 Ivoryシリーズでは再生エンジンに必要なメモリがおよそ70MB、音源を読み込むと約1GBまでメモリの使用量が上昇します。

 Ivory IIのように音源単体で1GBを超えるものもあるため、パソコンに積むメモリ量を考える際には余裕を持っておきたいですね💡

Ivory II は単体でも1GB以上のメモリが必要!

  • Ivory II は1つのトラックに読み込んだだけで1 GB近くのメモリが必要!

ドラム音源 「Addictive Drums 2」は1GB程のメモリが必要!

 ドラム音源もメモリをたくさん消費することで有名ですが、「Addictive Drums 2」の場合には1トラックあたり約813MB のメモリが必要で、音の組み合わせによって前後することも考えると1GBほどのメモリがあれば安心して使うことができそうです💡

 今回はスタンドアロン起動にて検証しました💡

Addictive Drums 2では1GBのメモリが必要!

  • メモリの消費量が多いドラム音源ですが、AddictiveDrums 2の場合は1トラックあたり約1GBのメモリが必要!
  • パーカッションなどでトラックを増やす場合には+1GBとなるので注意!

物理音源のSample Modelingは80MB程しか消費しない!?

 海外で大人気の物理音源「Sample Modelingシリーズ」ではCPUを使って音色を計算で作り出す仕組みのため、他の音源のようにサンプルをメモリに読み込んでおく必要がありません

 実際に検証してみると、まず80MBほどしかメモリを使ってないことがわかりました。

 実際にSample Modelingの音源を読み込んだ時のメモリが使用量を調べてみると、Cubaseで空のプロジェクトを起動させた時よりもわずかに80MB程しか増えていないことがわかります💡

 こちらはSWAMエンジンを使用した場合のメモリ使用量です。

 同様にKONTAKT版のトランペット音源について検証してみると更に少ない「約61MB」という結果になりました💡

Sample ModelingはメモリよりもCPUを消費する音源!

  • Sample Modelingはメモリの消費量はとても少ない一方でCPUによる負荷がとても大きいので注意が必要!

有名なシンセサイザーMassiveも100MB以内に収まる!

 Native Instrumentsから発売されているシンセサイザー「Massive」ですが、そのメモリ使用量はわずか100MB足らず

 Massiveに限らず、シンセサイザー系の音源はオシレーターを使ってCPUによって音を作り出すためメモリ使用量が少なく、CPUへの負荷が大きい傾向があります💡

 Massiveのメモリ使用量は「わずか98MB程度」!

 サンプルを使わないシンセサイザーならば10トラックを使ったとしても1GB程度のメモリしか消費されないことがわかります💡

 EDMジャンルの製作ではそれほどメモリましてはないのかもしれませんね💡

シンセサイザー系の音源ではあまりメモリが必要ない!

  • Massiveのようにオシレーターを使って音を出すシンセサイザー音源ではメモリー消費は少なく、CPUのパワーが必要!

アコースティックギター音源「RealGuitar」は約50MB消費! 

 軽いことで有名なRealGuitarを検証してみると、実際に50MB程しかメモリを消費せず、かなりパソコンに優しい音源だとわかります。

 RealGuitarは再生エンジンも含め約46MBという結果になりました💡

RealGuitarはとてもメモリー消費量がすくない!

  • RealGuitarはギター音楽の中でもメモリー消費量が少なく、気軽にトラックを追加できる!

NIのベース音源「Scarbee Rickenbacker Bass」は約430MB消費!

   DTMをやっている方の多くが持っているKOMPLETEシリーズに含まれるベース音源で検証してみると、メモリ消費量は約430MB

 NIのサンプリング音源は比較的メモリを多く消費する傾向があるようです💡

 パソコンに積むメモリの量を検討する場合には、使いたい音源がどのくらいメモリを消費するか調べておきましょう💡

録音&編集がメインならば4GBでも十分!

  • 楽譜製作ソフトで楽譜を浄書する!
  • 楽器や歌を録音する!
  • 録音された楽器や歌にエフェクトを掛けて加工、ミックスする作業がメイン!

 メモリをたくさん消費するイメージのあるDTMですが、録音やエフェクトを使った編集がメインであればメモリは4GB程度でも十分作業することができます💡

 とはいっても、近年ではパソコン自体の性能が上がってきているので総合的に考えて今後パソコンを長く使うのであれば8GBのモデルを選ぶのがGood!

消費量のイメージ!

  • DAWの起動で1GB
  • 大量に特殊なエフェクトを使用して2GB
  • 合計3GB程

EDMジャンルの打ち込みなら6~8GB程度のメモリが必要!

  • シンセサイザーがメインの打ち込み作業!
  • サンプルを加工するタイプのシンセサイザーもいくつか使いたい!

 今回の検証の結果、オシレーターによってCPUで音を作り出すシンセサイザー音源がメインのEDMジャンル製作が目的であれば、メモリは6〜8GBあれば十分に作業ができることがわかりました。

 シンセサイザーの中でも、Omnisphereのようなサンプルを加工するタイプの音源では1トラック100MB以上のメモリをすることもありますが、それでも余程多くの数のトラックスにならなければ8GBほどで不自由はなさそうです💡

消費量のイメージ!

  • DAWの起動で1GB
  • シンセサイザーを20トラック使用して2GB
  • 大量に特殊なエフェクトを使用して2GB
  • 合計5GB程

バンドサウンドの打ち込み&収録を混ぜて作りたいなら16GB程のメモリが必要! 多くのDTMerはここ!

  • バンドで演奏する曲のモックアップ(デモ)をパソコンで作りたい!
  • メインのギターやベース、キーボードなどは録音できるが、ドラムやストリングス、管楽器、パーカッションなど簡単な演奏を打ち込みで足したい!

 主に楽器は自分で演奏して録音しながら曲を作る一方で、ドラムやストリングス、パーカッションなど簡単な演奏は打ち込みで足したいという方は16GB程メモリを積んでおくと安心!

 他にもボーカロイドに歌わせたり、気軽に打ち込みで音楽を作りたいという多くのDTMerさんはここに当てはまります💡

消費量のイメージ!

  • DAWの起動で1GB
  • ピアノ音源を使用して1GB
  • ドラム音源を使用して1GB
  • ストリングス音源で4GB
  • ベースやギター音源を使用する場合は1GB
  • パーカッションなどを入れる場合は1GB
  • 大量に特殊なエフェクトを使用して2GB
  • 合計11GB程

ビッグバンドやオーケストラを打ち込みで作るなら40GB以上のメモリが必要!

  • 弦楽器や金管楽器、木管楽器、パーカッション、編入楽器などを組み合わせてさらに奏法を分けて100トラック以上使用する場合。

 DTMの中でも、大量のブラスを使ったビックバンドや吹奏楽、大量の楽器を奏法ごとに分けて読み込まなければならないオーケストラサウンドを作る場合には大量のメモリを消費します。

 ここでは目安として40GB以上と書いていますが、この場合はもう積めるだけ限界まで積んでおきましょう!が正解!

 下の例では軽いSample Modelingの音源を使用していますが、より容量の大きな音源の場合には+20GBあたりを見ておきましょう💡

消費量のイメージ!

  • DAWの起動で1GB
  • ストリングスの全奏法パッチを揃えて12GB
  • ブラス音源が人数分(Sample Modelingを使用した場合)1GB
  • 木管音源が人数分(Sample Modelingを使用した場合)1GB
  • パーカッション音源(大太鼓、中太鼓、ティンパニ、シンバル、など多数)10GB
  • 大量に特殊なエフェクトを使用して2GB
  • 合計27GB程

DTMにメモリはどのくらい必要!? 各作業や音源使用に必要なメモリ量を徹底検証!のまとめ!

 DTMといっても、楽器の演奏や歌を録音したり、エフェクトを使って音を編集する作業にはそれほどメモリを消費しないということがわかりました💡

 DTMの作業で多くのメモリを消費するのは、主に大きな容量の音源を使用して打ち込みを行う作業です💡

 そして、音源の中にもほとんどメモリを消費しないものからわずか1トラック1GBのメモリが必要な音源まで幅広く存在していることもわかります。

 パソコンにどれほどのメモリを搭載したら良いのか迷っているという方は、今自分がどの音源を使いたいか、今後どれぐらい容量の大きな音源を使ううことになるかを考えながら余裕を持って作業ができる環境を作るのがオススメです💡

 パソコンのメモリーは、自作パソコンや旧Mac Proのように気軽に開けられる本体であれば自分で追加することもできますが、そうでない場合はメモリ自体にも種類があって、後から追加するのが難しいパーツでもあります💡

 最初に購入したパソコンで今後手を加えず、快適に使っていきたいという方は最初から多くの搭載されたパソコンを選ぶようにしましょう^-^ノ