一昔前にMS処理という、センターとサイドを分けて調整する方法が流行りました。WAVES Centerもセンターとサイドに分けて音量調節ができるプラグインなのですが、実は映像の音声用途に使えるように作られたこともあって周波数によって掛かり方が違うという特性があります。
今回は、センターとサイドに分けるメリットってなに?という話や、WAVES Centerの特性、使い方について紹介していきます^-^ノ
WAVES Centerとは
WAVES Centerは、音源をセンターとサイドに分けて音量を調整できるプラグインです。
映画のダイアログ(セリフ)がBGMやアンビエンスにマスキングされないようにBGMのセンター音量を下げたり、既に収録された映像からダイアログのみを持ち上げる目的のために作られました。
ダイアログはセンターにくることが多いので、センターでは声の周波数(500Hz付近)の音量の上げ下げに特化していて、サイドではその逆でアンビエンスの声以外の周波数の音量調整に特化しています。センターは声の周波数帯域のみ音量を変えられる
センターの音量を10dB下げた場合、声の周波数帯域以外の音量は影響が少ない。
サイドはアンビエンスの周波数帯域の音量のみを変えられる
サイドの音量を10dB下げた場合、声の周波数帯域への影響が少ない。
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センターとサイドに分けるとどんなメリットがあるの?
音楽でも映像でも、重要な音声は大体センターに配置してあります。もし、一番聴き取って欲しい音声が他の音に埋もれて聞こえなくなってしまっているならば、その作品はまだ改善の余地があります。
例えば、完成されたBGMやアンビエンスを映像のダイアログにサウンドを合わせる場合などはどうでしょう?
映画では音声に対して凡そのBGMの大きさが決まっていますが、その場合、全体の音量を下げるよりもダイアログと重なる周波数を削るほうが同じピーク音量でもより効果的に聞かせることができます。
または、既に2mixしか残っていない録音データの音声をより聴こえやすくできるのもMS処理ならではのメリットです。
ただし、このサイトでは以前から紹介しているように、音には直接音と反射音があってそのバランスによって空間がうまく表現されていますので、ここであまりサイドとセンターで音量を変えてしまうとバランスが崩れてしまうので注意が必要です。
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使える9種類のプリセット
WAVES Centerでは「Load」からいくつかのプリセットを使うことができます。
2mxからボーカルを除去したり、逆に音声を目立たせたり、プリセット名とパラメーターを確認してどのような設定で目的の効果が得られるかを確認してみるとおもしろいですよ。
LOWコントロール
LOWコントロールでは、センターとサイドの低音バランスを設定できます。時計回りに回すとサイドの低音が増し、反時計回りではセンターの低音が増します。
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HIGHコントロール
HIGHコントロールでは、センターとサイドの高音バランスを設定できます。時計回りに回すとサイドの高音が増し、反時計回りではセンターの高音が増します。
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PUNCHコントロール
PUNCHコントロールではセンターとサイドのトランジェント(アタック)を設定できます。時計回りに回すとサイドのアタックが増し、反時計回りではセンターのアタックが増します。
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MASTERコントロール
MASTERコントロールでは、全体の音量を-24~+6dBの範囲で調整できます。
CENTERコントロール
このフェーダーでセンターの音量を調節できます。
SIDESコントロール
このフェーダーでサイドの音量を調節できます。
センター検出メーター
センター検出メーターでは、センター部分の音量が表示されます。
まとめ
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WAVES Centerは、センターとサイドの音量調整は声の周波数帯域に特化している一方で、アタック感や低音、高音をセンターとサイドで分けて設定することもできるとても便利なプラグインです。
映像へのオーディオスイートニングやマスタリングをする機会がありましたら是非使ってみてくださいね^-^ノ