よく初期反射音と呼ばれるEarly Reflection(アーリーリフレクション)ですが、Early Reflectionとは一体何でしょうか?
リバーブの設定値にもありますが、難しいのでなんだかよくわからずに使っているという方も多いと思います。
Early Reflectionは他の反射音と何が違うの(?)という質問をよくいただくので、今回は初期反射とその他の反射音の違いに焦点を当てて、Early Reflectionとは何かを説明をしていきます。
Early Reflectionを理解することでお風呂やホールなど空間の響きの特徴を理解する手助けにもなるのでちょっと不安かも(?)という方は是非覚えていってくださいね^-^ノ
反射音とは
まずは反射音についておさらいしておきましょう。ある四角い空間を思い浮かべてみてください。その空間にバイオリンを演奏する人と、その音を聞くBさんがいます。
バイオリンから出た音はまっすぐBさんの元へ届くものと、壁に反射して届くものがあります。この、壁に反射してBさんへと届く音が反射音です。
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初期反射音とは
そういえば楽器からBさんに届く音は、1回だけ反射しているとは限りませんよね? 音はいろいろな角度に広がるので、その角度によっては2回、3回、4回、さらにそれ以上反射して到達している反射音もあるかもしれません。
そんなたくさんの反射音がある中で、1回だけ壁に反射した反射音がEarly Reflection(初期反射音)なのです。
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Early Reflectionの音の特徴
初期反射音は1回しか反射していないため、他の反射音に比べて音のエネルギー(音量)が大きい状態で到達します。
かといって、直接音と比べると移動距離が長いため少し輪郭がぼやけ、さらに遅れて到達するため、その音がいろいろな方向から来るともやもや〜っとした音になります。
よくお風呂などの小さな空間で、残響自家が短いのにもやもやとした音が響くのはこの初期反射の音の割合が多いためです。
大きなホールのほうがもやもやと響くイメージを持っている方が多いと思いますが、実際は空間が大きくなるほど反射する壁が遠のいていくので反射して届く音のエネルギーは小さくなり、結果としてもやもやの少ないスッキリとした音になります。
これは広い草原の中で叫んでも声が跳ね返ってこない状況に似ています。
そこで、大きなホールでは吸音を減らして残響時間を長くすることで響きが損なわれないように工夫されているのです💡
プリディレイとは
そして、直接音が届いてからEarly Reflectionが届くまでの時間差のことをプリディレイと呼びます。
よくリバーブでプリディレイを指定する場合、上の図のように1つの壁からの初期反射のみを設定することになります。
一つの空間(箱)を作るには最低6面が必要なのでリバーブも6種類以上使わなければ空間を表現することはできません。
DTMでリバーブを6種類使った結果はこちらで紹介しています。
まとめ
Early Reflectionについては以前から話に挟んでいたのですが、この話題に絞った記事がなかったので1記事書いてみることにしました。
Early Reflectionのプリディレイについても以前公開したプリディレイの計算機の使い方を紹介しているので是非DTMに活用してみてください^-^ノ