リバーブの使い方で迷ったら!? DTMやミックスで使う目的や活用法について & Renaissance Reverbの使い方

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 今回はDTMではおなじみのリバーブプラグインについて、どのような目的で使うのか(?)やその使い方、パラメーターについて紹介していきたいと思います^-^ノ

 ちなみにリバーブについて、もっと深い知識や、設定値がなぜその値になるべきなのか(?)については下の記事に載せています。

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なぜリバーブを使う必要があるの?

 皆さんが普段聞いている音は、音の発生源から直接出た音(以下:直接音)空間のあらゆるものに反射して返ってきた音(以下:反射音)とが合わさった状態で聞こえています。

 お風呂や洞窟のような空間ではわんわんと響いたり、草原のように周囲に何も無い場所では反射が少ないため乾いた音に聞こえますよね💡

 1本のマイクで録音した歌声や楽器の音色は、ほぼその直接音のみを収録しているので反射音が含まれていません。

 数本のマイクを壁に向けて反射音を録音する方法もありますが、DTMの打ち込みでは限られた音源のなかで作業をするため、リバーブで反射音を再現してあげる必要があります💡

 リバーブとは人間にとって”自然な空間”に感じるように”心地よく”音を聞かせてあげるために使うものなのです。

 さて、リバーブを何の目的で使うのかわかったところで、早速リバーブを使ってどんな空間を表現していったらよいのか(?)について説明していきましょう^-^ノ

Waves Renaissance Reverbを使って解説

スクリーンショット 2016-03-16 13.17.02

 今回はWavesというメーカーから出ているRenaissance Reverb プラグインを例に紹介していきます💡

 他のメーカーから出ているリバーブでも大きな違いはありませんので、この記事を参考に設定してみてくださいね。(ただしIR系のリバーブは少し仕組みが違うので今回は使えません)

リバーブで作れる空間の性質について

 最初にリバーブで作れる空間の特性を見ていきましょう。後ほど各項目の設定方法について書いていきます💡 

  • (1)空間の大きさ
  • (2)空間の壁の硬さ、柔らかさ
  • (3)初期反射音が届くまでの時間(空間の大きさに関わる)
  • (4)初期反射音の大きさ(空間の小ささに関わる)
  • (5)響き続ける時間
  • (6)Wet/Dry(音源までの距離)

 これらの設定を組み合わせて空間の大きさと、聴き手から音源まで距離を調節していきます。

スクリーンショット 2016-03-16 13.17.02 

リバーブのパラメーターについて

 それではRverbのパラメーターについて見てみましょう、番号①〜⑩は図2に対応しています。

① Reverb type(部屋の大きさ)

 リバーブの種類を選択します、反射音を追加するための一般的な空間系のタイプでは

 「Room」<「Hal」<「Church」

 の順に大きくなっていきます。

 Plateリバーブはボーカルやリード楽器の音作りのために利用しましょう。

② Size(部屋の大きさの微調整)

 Reverb Typeで設定した空間の大きさを微調整します。100に近いほど大きなサイズとなります。

③ Time(残響時間)

 残響時間を設定しましょう。

 残響時間とは簡単にいうと「あ”〜〜〜〜」っと叫んだ音が60dB分減衰するまでの時間で、早い話が発音をやめてから聞こえなくなるまでの時間のことです。

④ Decay(使わない設定)

 RverbにはTimeの他にもう一つ残響に関わる項目があります。

 Linearが直線的に減衰していくモードで、つまり自然界のルールに従いたければLinearにしておきましょう。

⑤ Diffusion(空間の壁の素材・吸音と拡散具合)

 空間の壁の材質(つまり吸音率:素材がどれだけ音を吸収するか)を設定します。

 値が小さいほど柔らかい素材で(もふもふや木材など)、大きいほど硬い素材(コンクリートなど)になります。

 もふもふな空間を表現したいのか、コンクリートの壁を表現したいのかなどで変えてみましょう。値が大きいほど硬い素材になります。

 ただこの吸音の量というのは ③Time(残響時間)の設定時間と密接に関係していて、例えば壁がコンクリートでできているのに残響時間がほとんどない、ということは現実世界では余程の条件が揃わない限りあり得ないことです。

⑥ Predelay

 初期反射音(次項目参照)が最初に届くまでの時間を設定します。

 長いほど(値が大きいほど)大きな空間を表現できます💡 お風呂を想像してみてください、音は目の前にある壁からすぐに反射してきます。お風呂は小さい空間ですよね。

⑦ Early ref(初期反射音)

 初期反射音とは1回だけ反射して聴き手に届く比較的輪郭のはっきりした音(といってももやもやした音)のこと。

 ちょうど下の図の赤色の線の部分が初期反射音、青色の線のように2回以上反射している音は初期反射音とは呼びません。

 空間が小さい程、壁との距離が近くなるためにこの初期反射音の音が大きくります。

 値が大きければお風呂のように狭い空間でもわもわなるイメージで、値が小さければとても大きな空間で聴いていてスッキリするイメージを持つと良いと思います。

⑧ Damping(周波数ごとのリバーブ量)

 周波数ごとに反射音の吸音量を調節できます。

 自然界では音が空気中を通過することによってある周波数が減衰する空気減衰壁や人などの吸音材(音を吸収する素材)によってある特定の周波数が失われるという現象が起こります。

 吸音材による劣化はその場所によって異なりますが、空気による減衰は地球上にいる限り次のグラフのようになります。

⑨ EQ

 Dampingとは別に音を削るために同様の目的で使用します。

 お使いのプラグインにDampingがなければEQを使いましょう。

⑩ Wet/dry

 反射音の量を変えることで音源までの距離を調節します。

(1)楽器までの距離が遠いと直接音の割合は小さくなります。

(2)楽器までの距離が近づくと、直接音の割合が増えます。

 反射音は壁までの距離分だけ余計に移動距離があるためです。

(3)これがさらに大きな空間だとどうでしょう?

 大きな空間だと反射音の移動距離はより長くなって減少するため、より直接音の割合が増して聴こえます。

同じ残響時間でも空間の大きさによって聴こえ方が違う

 ここまで音響学を交えながらリバーブの説明をしてきました💡 ではここで一度おさらいとして空間の大きさや残響時間が作り出す音の印象をわかりやすくまとめてみたいと思います💡

空間が大きくて残響時間が短い(0.5〜1.2秒程度)

 これは草原の中にいるように反射音がほとんど聴こえない空間です。野外でのマーチング・バンドのようなほぼ直接音を聞かせるような場合にこの設定にします。

空間が大きくて残響時間が長い(1.2秒〜2.5秒程度)

 残響時間が長くても空間が大きければスッキリとした聴こえ方をします。オーケストラなどを演奏するホールでは残響時間が2.0秒程とかなり長いですが、音がもわもわせずに綺麗に聴こえるのは空間が大きいからなんですね💡 なので大きな編成での演奏を想定した場合はこの設定がよいと思います。

空間が小さくて残響時間が短い(0.5〜1.2秒程度)

 小さい空間では残響時間が短くても反射音がよく聞こえます💡 これはちょうど皆さんのお部屋の中に相当する空間なので、もしイメージがわかなければご自宅で歌ってみましょう。

空間が小さくて残響時間が長い(1.2秒〜2.5秒程度)

 これは身近なところでは”お風呂”にあたります。あとは教会の中の響きもこの状態にあたります。

 パイプオルガンの演奏や聖歌とかコーラス隊が歌うには心地よい空間なんですけど、オーケストラはまずお風呂には全員入りきらないし、教会で演奏してももわもわして何演奏してるのかわかりません。

 なので一般的なジャンルの音楽を作る場合にはこの空間は使用しないことを強くおすすめします。

余談

 ちなみに余談なのですが、お風呂はもわもわ聴こえるのでとても残響時間が長いように思えますが、実は1.2秒程度(寝室は0.6秒程度)なので大きなホールと比べると全然短かったりします💡 これは先程書いたように、反射音の移動する距離が短くて殆どパワーが落ちないから起こる現象なんですね。

まとめ

 リバーブはすべてのエフェクトの中でも空間を作るという一番大事な役割を持っています。リバーブを使いこなして自分だけの素敵な空間を作ってみてくださいね^-^ノ

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