WAVES L1 Limitter & L1 Ultramaximizerの使い方 – リミッターの仕組みについても解説

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 WAVESのL1 LimitterとL1 Ultramaximizerは、WAVESの最も手軽に購入できるSilverバンドルにも含まれていて、WAVESを使っている人ならほぼすべての人が持っているプラグインです。

 現在は、L2やL3など機能の多い後継機種が登場していますが、このL1独自の音の質感を好んで使っている方はまだまだ多いはず!?

 そこで今回はWAVESの初代リミッター&マキシマイザーでもあるL1について、まだ使ったことのない方にその魅力を伝えるべく!!機能や使い方を紹介していきたいと思います^-^ノ

 ※ちなみにWAVESでは25th記念モデルとしてデザインを刷新したものが登場しています。

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リミッター&マキシマイザーとは

 デジタルの時代になって、特に0dBを超えた音が機械に入力されると音が割れてノイズが入る原因になったり、故障の原因になることもあります。リミッターはそんな0dBを超えた音を全てまっ平らに潰して音を抑える目的で使用します。

スレッショルドを下げると?

 コンプレッサーの場合と変わって少しややこしいのですが、リミッターの場合はあくまで上限はOUT CEILING(最大出力値)です。

 ではスレッショルドを下げるとどうなるか?というと、全体的にGAINを持ち上げたような効果になり、圧縮される量が増えるという仕組みになっています。

WAVES L1とは

 WAVES L1には2つのタイプがあります。

 音のピークが0dBを超えないように抑えるリミッター機能のみの「L1 Limitter」と、リミッターの機能に加え、音圧を上げることに重点を置いた「L1 Ultramaximizer」の2つです。

 比較するとUltramaximizerの方は、Limitterの左右に少し機能が増えているものだということがわかります。

 ということで、L1 Ultramaximizerを使って機能や使い方を解説していきましょう。

  • L1 Limitterはリミッターの機能のみを備えている
  • L1 Ultramaximizerは主に音圧を上げる目的で使う

スレッショルドの設定

先程紹介したスレッショルドを設定するバーです。初期設定では0になっていて、このバーを下げる程圧縮量が増えて音圧が上がっていきます。

Out Ceiling

 Out Ceilingでは出力の最大値を設定します。解説図では一番上の黄色い線の部分になります。

スレッショルドとOut Ceilingをリンクさせて動かす

 スレッショルドバーとOut Ceilingバーの中央に、「Link」と書かれた三角形のボタンがあります。このボタンをクリックして上下に動かすと、スレッショルドとOut Ceilingの両方を同時に動かすことができます。

 L1ではLingの文字があるのでわかりやすいのですが、L2やL3からは文字が省略されているので、WAVESではこの三角形が2つ並んだマークを見かけたら2つの値をリンクさせて動かせるスイッチだと覚えておいてください。

リリースタイムの設定

 L2やL3ではリリースタイムは自動で調整してくれるのですが、L1では完全に手動で設定していきます。

 リリースタイムが早すぎたり遅すぎると圧縮が不自然に聴こえるので、自然に聴こえるように音を聴きながら調整していきましょう。

 テンポの早めの曲では早め、ゆったりとした曲では遅めの設定が合う場合が多いですが、曲の要素によっても変わってくるので最適な値を探してみてください。

ATTEN

 ATTENでは今この瞬間、圧縮されている音量が何dB分あるのか表示されます。マキシマイザーは気軽に音圧が上がるので、ついつい潰し過ぎに注意しましょう。

INPUT

 L1にはインプット量を調節するフェーダーが付いています。元々0で最大になっていて、入力音量が大きすぎる場合に、音を小さくする目的で使用します。(あまり使いません)

IDR

 IDRは「Increased Digital Resolution」の略でデジタル解像度を増やすという意味です。

 Digital Resolutionといえば、ハイレゾ音源という単語で見かけたことがあると思いますが、ハイレゾは、このデジタル解像度が高いということを表しています。

 IDRでは24bitや16bitなどの解像度ごとに生じる情報の欠損を、ノイズによる解像度補完を行ってハイレゾのように滑らかに繋いでくれる重要な機能なので適切に設定する必要があります。

 QUANTIZEの部分は書き出すbit数に合わせて、DitherとShapingはミックス段階では「None」に設定しておきましょう。

Domain

 DomainはL1のみの機能でL2やL3にはありません。こちらは出力の目的に合わせてDigitalやAnalogなどを切り替えるためのスイッチで、AnalogとDigitalモードではピーク音量の扱い方が少し変わってきます。

 Digitalモードは通常使用するモードで、ピークはOut Ceilingの値を超えないようにリミッターが作動します。

 AnalogモードはDigitalモードに加え、さらにDAC(デジタル・アナログコンバーター)へ送って再生する際に、多様なDACの変換に対応できるようにデータを整えて出力する機能です。多くのDACでは必要ないですが、Analogモードにしておくと全てのDACで綺麗に出力することができます。

 ミックス段階ではDigitalで、最終の書き出しや再生のテスト時、マスタリング時にAnalogモードを使用するのがおすすめです。

まとめ

 L1といえば初期のリミッターマキシマイザーのイメージですが、25th記念モデルが登場していたり、L2やL3が出てきた今でもまだまだWAVES社が売り込みたいモデルということで注目のプラグインです!!

 Domain機能はL1にしか付いていなかったり、L1でしか作れない独特の音のつぶれ方もまた魅力的なので今まであまり使ったことがないという方も是非使ってみてくださいね^-^ノ