このように、セカンダリドミナントはあるコードの前に自由に加えることができるので、単調だった進行がより複雑なものへ変身させることができます。 今回はメロディにコードを付けたり、付け直すリハーモナイズのコツや、その際に覚えておきたいコード機能や活用したいツーファイブや強進行、ドミナントモーション、サブドミナントマイナーなどについて紹介していきます^-^ノ
ダイアトニックコードとは?
ダイアトニックコードとはある調の構成音を元に構成されているコードのことで、例えばハ長調であれば、調の構成音は「C D E F G A B」なので、
ハ長調のダイアトニックコードは、
のようになります💡
ダイアトニック以外のコードは全てノンダイアトニックコードと呼ばれます。
最初はダイアトニックコードのみを使用してコードを付けてみよう💡
3種類のコード機能を覚えて使い分けよう!
主要三和音 | 代理コード | |
---|---|---|
トニック | C (Cmaj7) | Am7、Em7 |
サブドミナント | F (Fmaj7) | Dm7、Bm7(-5)、Am7 |
ドミナント | G (G7) | Bm7(-5)、Em7/G |
コード機能には「トニック」「サブドミナント」「ドミナント」という3つの異なる性格があって、すべてのコードはこの3つのコード機能に分類できます💡
まずはこの3つの性格の違い・機能について見ていきましょう💡
上の表はハ長調のダイアトニックコードをコード機能別に分類したものだよ💡
トニック・コード
一番安定しているコードで、極端な話、迷ったらこのコードだけでも1曲作れます。
サブドミナント・コード
やや不安定な響きで、ふわふわとした印象を与えるコードです。
サブドミナントはドミナントへも、トニックへも進めます。
ドミナント・コード
最も不安定な響きで、緊張状態からどうにかトニックへ落ち着きたいコードです。
この不安定な力から安定したトニックへ進めば、とても強いつながりりのあるコード進行を作ることができます💡
曲はT(トニック)にはじまりトニックに終わる
現代音楽などではサブドミナントはじまりの曲もありますが、基本的に曲はトニックから始まって、トニックで終わります💡
トニック、ドミナント、サブドミナントでどのような進行があるか例と効果を見てみよう💡
コード機能(トニック・ドミナント・サブドミナント)についてもっと知りたい人は「コード機能のトニック・ドミナント・サブドミナントってなに?」を読んでみてね💡
強進行について覚えておこう♪
例えば「トニック ➔ サブドミナント」の進行で、「C ➔ F」のコードを選択した場合、Root音がCから完全4度上のFに進行しています。
この進行は、ノリを生み出したり不安定を解決する響きが生まれる性質を持ち、強進行と呼ばれています💡
F調(ヘ長調)としてみるとC→Fはドミナントからトニックで解決の動きになっているのがわかります。
完全4度とか音程の度数って何?という方は「1度、2度?完全4度?完全5度?増音程とか減音程ってなに?音の度数とは?」を見てみよう💡
ii→V7のツーファイブ進行は必須!さらにドミナント・モーションでつなげよう!
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
---|---|---|---|---|---|---|
I | ii | iii | IV | V | vi | vii |
ハ長調ではDm→G7といったようにiiからVまたはIIからVへの進行はツーファイブと呼ばれています💡(iiが小文字なのはマイナーコードを表している)。
調の「2番目の音」から「5番目の音」に進行するからツーファイブ進行なんだね💡
よく見るとこのツーファイブ進行は完全4度上に進行する強進行にもなっていることがわかります💡
さらにドミナントモーションを加えると?
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
---|---|---|---|---|---|---|
I | ii | iii | IV | V | vi | vii |
iiからVに進むツーファイブだけでも強進行によって解決感を生み出すことができるのに、そこからさらにV→Iのようにドミナントが解決したらもうどんなに素晴らしいことでしょう!?
と、いうわけでこの進行は、
のような形でツーファイブからのドミナントモーションという、4度上に解決する強進行が2連続で続く、コード進行の中でも最も華麗な響きを生み出す進行となっています。
7が付いているのは、7thコードにすることでドミナントモーションの力が一層強まるため💡
このようにドミナントコードからトニックコードに解決することをドミナントモーションというよ💡
セカンダリドミナントを使ってみよう♪
ここまでにハ長調のドミナントモーションの動きを学びましたが、ここからはハ長調の中に他の調のコードを取り入れて一時転調しつつ、転調先の調でドミナント・モーションを行う「セカンダリドミナント」という技を使ってみましょう💡
ハ長調でも、Fの前にC7を置いて一時的にF調(ト長調)転調していると考えると?
ファ | ソ | ラ | シ | ド | レ | ミ |
---|---|---|---|---|---|---|
I | ii | iii | IV | V | vi | vii |
F調での「C ➔ F」の動きはドミナントモーションになっています。
本来ハ長調のドミナントモーションではなく、一時転調先のドミナントということでこのC7をセカンダリドミナントと呼びます。
このように、コード進行の中に一時的に転調してドミナントの働きをもつコードをセカンダリドミナント(第二のドミナント)と呼びます。
セカンダリドミナントは、例えば次のように使うよ💡
元の進行 | セカンダリドミナントを加えると |
---|---|
C→F→G→Am | C→F→G→E7→Am |
セカンダリドミナントは7thになることで解決感がより強まります💡
※ここではAmに対してE7をAm調(イ短調)のセカンダリドミナントとして加えています。
セカンダリドミナントを加えると、単調だった進行が複雑になってコード進行に勢いがでるよ💡
ハ長調の各コードに対応するセカンダリドミナント表
このコードをトニックと考えて | C | Dm | Em | F | G | Am | Bm-5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
このセカンダリドミナントを前に足せる | A7 | B7 | C7 | D7 | E7 |
ダイアトニックコードの各コードに対応するセカンダリドミナントの表を載せるので、参考にしてみてください💡
ちなみにCに対するG7はそもそもダイアトニックでのドミナント機能なのでセカンダリドミナントとは呼びません💡
また、Bm-5については減三和音なのでIになる調がないためセカンダリドミナントが存在しません。
サブドミナントマイナーを使ってみよう♪
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
---|---|---|---|---|---|---|
I | ii | iii | IV ➔ iv | V | vi | vii |
IImは元からマイナーですが、IVをIVmの形にしたものをサブドミナントマイナーと呼び、曲中にサブドミナントマイナーを混ぜると少し哀愁感漂う雰囲気を加えられます💡
ハ長調のサブドミナントマイナーは「Fm」です💡
上の2つはほぼ同じ効果が得られます。構成音を見比べてみてください、ほとんど同じになっていませんか?
理論抜きでコード簡単につけたい方は!?
ここまでコード理論について紹介してきましたが、実際のところ、この理論を知らなくてもコードを付けることはできます💡
というのも、人はメロディを思い浮かべるときには同時にコードも頭の中で鳴っていると言われていて、あとはその名前と一致すれば理論抜きに感覚で付けることができるのです💡
その方法は?楽器で弾き語りをすれば身につく!?
もし、理論抜きにコードの進行をぱぱっと思い浮かぶようになりたい方は、知っている曲をピアノやギターなどコードを鳴らせる楽器でコード譜を見ながらたくさん伴奏しましょう💡
そして、気がつけばメロディにピッタリのコード進行が感覚で付けられるようになっています💡
楽器は弾けない!演奏が苦手!という方は、「定番コード進行パターンを紹介!」で基本的なコード進行を聴けるので、とにかく聴いてどのコード進行がどんな響きなのか徹底的に覚えてしまいましょう^-^ノ