リバーブには皆さんが日常的に必ず使用する「箱ものリバーブ」と、その他にも「プレートリバーブ」や「スプリングリバーブ」などいくつも種類があります。
こんなにいくつも種類があると、これらをどうやって使い分けたら良いのか、併用してもよいのか? もし併用する際にはどのような順番でかけていけば良いのか?などわからないことだらけですよね?
そんなわけで、今回は箱物リバーブとプレートリバーブを例にして、これらをどのように使い分ければ効果的なのかを紹介していきます^-^ノ
箱ものリバーブとは
箱ものリバーブとは、そのまま名前の通りで、ホールやルーム、教会やスタジオなどの室内の響きを再現するために使用するリバーブです。
以前紹介した「リバーブは6種類の設定を使おう!」の記事で紹介しているリバーブはこの箱物リバーブを使っています。
プレートリバーブとは
プレートリバーブとは鉄板(プレート)が振動する揺れを利用して残響を足す装置で、1950年代に誕生しました。
このリバーブは人の背丈ほどもある巨大な装置で、発売当初は大変高価なものだったので一部のお金持ちのスタジオにしか導入されませんでした。
みんなこの装置を使用できるチャンスがあればこれでもかと使っていたのでその時代の曲はプレートリバーブがとても派手に使われているものが多く誕生したという話があります。
上の画像はWavesの「Abbey Road Reverb Plates」というプラグインで、低価格でクオリティの高いプレートリバーブを再現できます。(本家サイトから購入すると4000円くらいで入手できます)
その他にもLexiconのプレートリバーブはかなり人気があります。
箱ものリバーブとプレートリバーブの使い分け
それでは箱ものとプレートのリバーブをどのように使い分ければよいのかみていきましょう。
箱ものリバーブは空間に統一感を与えるために使う
箱ものリバーブは先程紹介したように、空間を再現するために使います。
ボーカルやパーカッション、弦楽器などがそれぞれ違う空間で演奏しているように聞こえては統一感がないので、別録りした音源をいかに同じ空間で鳴っているかのように聴かせることがミックスでは重要だと以前書きました。
プレートリバーブは音作りのために使う
一方でプレートリバーブは少し違う使い方をします。よくアメリカのミュージカルやPOPSなどで、伴奏を聴くととてもドライな空間で演奏されているのにボーカルだけ綺麗に音が伸びている作品があります。
こんなに音の残響感が違うのになぜ違和感なく聴こえるのか?というと、伴奏もボーカルも空間の響きは箱ものリバーブできちんと調整されていて、その上でボーカルだけプレートリバーブやディレイ、ウィスパーなどを使って音を作り込んでいるからです。
これを箱ものリバーブだけで再現しようとすると、まるでお風呂の中で歌っているようになってしまって何度やっても仕上がらない無限ループがはじまります。
プレートリバーブはどのタイミングでかければ良い?
プレートリバーブは音作りのために使用すると説明しました。順番は好みで変えていただいても全く問題ありませんが、次のように作り込むのがおすすめです♪
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例えばボーカルの音を作りたい場合では、まず箱ものリバーブを使って空間を調整します。
空間の調整が完了したら次にプレートリバーブを使って音を作り込んでいきましょう。この時、インサートでかけても、センドでかけてもどちらでも構いません。
インサートとセンドの違いについてはこちら↓をご覧ください。
この時注意するのは、プレートリバーブによって作られた音も箱ものリバーブへ送ってあげるということです。
これは、ある一つの空間(ホール)の中でボーカルが発声した瞬間にはもう既にプレートリバーブがかかっている音が発音されて、それがホールの残響に加わってマイクの元へ届くという仕組みを想像するとわかりやすくなります。
プレートリバーブ⇒箱ものリバーブ⇒観客
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この仕組みを常に思い出しながら音を作っていきましょう。
まとめ
箱ものとプレートリバーブは、同じリバーブと名がついていますがかなり使い方に違いがありますね!? プレートリバーブを上手に使うと、あのふわふわしたような、歌がより一層上達したようなサウンドを聴かせることができます。
細かい設定も含めて最初は少し謎の多い装置だと思いますが、今は良いプラグインもたくさん出ているのでどんどん活用していってくださいね^-^ノ♪