音楽にはいろいろなジャンルがありますが、作曲をするとなるとそれぞれに重視するポイントが異なってくるはずです💡
そこで、今回はジャンルごとに優先するポイントを書き出して効率のよい学習方法をまとめていきます^-^ノ
3リズム~4リズム(現代の多くの歌もの)の学習ポイント
ここではいわゆる「ドラム、ベース、ギター」(3リズム)や「ドラム、ベース、ギター、ピアノ」(4リズム)を基本構成として、ストリングス、ブラスなどが必要に応じて足されていくスタイルの曲全般を作る際のポイントを紹介していきます。
4リズムは作曲の基本とも言える構成なので、他のジャンルを作る前に是非最初に学習しておきましょう💡
(1)ドラムの演奏技術を習得する
これは意外かもしれませんが、3リズムや4リズムの曲の仕上がりはドラムの入れ方によって大きく左右されてしまいます。
まずは何よりも優先してドラムのリズムパターン、曲の展開を作るフィルの入れ方について学んでいくのがおすすめです💡
(2)コード進行パターンの暗記
ドラムをマスターしたら次はコード進行パターンを暗記しましょう。
難しい理論とかは必要ありません、まずはとにかくハ長調のコード進行だけで良いので丸暗記してしまいましょう。
(2)ギターを購入して実際に奏法を覚える
ギターというのはボイシング(和音の重ね方)が複雑なので、後に打ち込みでデモを作るにしてもまずは1台本物を購入してしまったほうが早く学習できます。
ギターにはどんな奏法があるのかを覚え、どんな奏法でも良いのでまずはコード弾きできるところまで仕上げましょう💡
アコースティックギターよりもエレキギターの方がネックが細く、弦が柔らかくて弾きやすいので初心者におすすめです。
(3)コード進行とドラム演奏だけで曲の展開を表現してみる
ギターでコード進行を演奏できるようになったら、なんでも良いので既存の曲のコード進行だけを演奏&録音して、そこにドラムの演奏を付けていきます。
まだメロディは無いですが、コード進行とドラムだけでもここまで曲の展開を表現できるんだなという実感をつかむことができます。
ここでまだイマイチ完成度が微妙・・・と感じた場合ははもう一度ドラムの勉強を見直して見ましょう💡
(4)ベースをノリよくリズムカルに入れる練習をしてみよう
ベースは楽器を買う必要はありません、もちろん購入してもOKです。
ドラムの演奏が身についていればリズムについてはすでに習得できているはずなので、あとはそのリズムに乗せてベースをリズミカルに入れる練習をします。
基本的には「音の長さ、発音するタイミング、音数」をうまく組み合わせてアクセントを作っていく作業になります。
(5)アンプやエフェクターを使ってギターの音作りを学ぶ
エレキギターはエフェクターを通したりアンプを使用しないと、よくあるエレキギターの音にはなりません。
ホームスタジオでは「マルチエフェクター付きのアンプシミュレーター」を使って音作りを学んでいきましょう。
(6)ピアノでコード弾きの練習
ここまできたら、ピアノを使ったコード弾きの練習もやってみましょう💡
ピアノはDTMの入力など役に立つ場面がたくさんあるので習得しておくと便利です。
(7)ミックス技術の習得
3リズムや4リズムは、なんといってもリズム主体の音楽なのでまずはリズムがしっかり作れるようになることが大切です💡
そんなわけで、ミックスは最終段階になってから習得するのがよいと思います。
バラードの学習ポイント
次はドラムなどのパーカッションがあまり目立たなかったり、一切使わないこともあるジャンル、バラードを学習する際のポイントです。
バラード作りに入る前に、4リズムの作曲を完成させておくとよいと思います💡
(1)心に響くコード進行をとにかく覚える
リズムでカバーできないバラードではコード進行による細かい表現がとても重要になってきます。
テンションコードやsus4、ディミニッシュなど、少し気合を入れたコード進行を自然と使えるように訓練していきましょう。
(2)ストリングス編曲を習得する
バラードの特に後半ではストリングスによって仕上がりが左右されるほど、重要なパートを担っています。
ガッチガチの和声法や対位法の理論を学ぶ必要はありませんが、メロディを邪魔しないように対旋律をうまく付ける技術を身に付けておくと差がつきます?
(3)しっとりとしたミックスができるようになる技術
4リズムのミックスは割と狭い空間を想定したミックスでもよいのですが、大人数の弦楽団は狭い部屋には入りません。
そのため、バラードのミックスではある程度大きな部屋を想定したミックスができるようになる必要があります。
アイドルソングの学習ポイント
アイドルソング製作の一番のポイントは、声楽専門ではないアイドルの声をもっとも綺麗に、しかも楽に出せる音域に絞って心に響くメロディを作らなければならないところです。
狭い音域でメロディを作るのはなかなか大変な思いをする作業で、それをカバーするために世のアイドル曲は楽しい効果音がたくさん入っています。
(1)歌唱可能音域を覚える
まずは、アイドルが声を出せる一般的な音域を覚えましょう。といってもアイドルもボイトレなどは科目に入っているので一般人よりは多少音域に余裕があります💡
一番良いのは提供する相手が歌いやすい音域を、その方の他の曲などから探る技術を身に付けるということかもしれません💡
(2)リズム感の習得
アイドルと言えば踊りながら歌います。楽しく踊れる曲を作るためにリズム感をしっかりと習得しておきましょう。
(3)パーカッションの使い方を覚える
曲を盛り上げるリズム楽器、特にパーカッションの使い方をしっかりマスターしましょう。
(4)楽しい効果音を作る or 購入する
アイドルソングには、曲を盛り上げるための効果音をたくさん使用します。
効果音には「Riser」や「Fall」、「Impact」、「Sweep」、「Drone」、「Texture」、「Signal」、「Loop」など分類があるので、まずはどのような種類の効果音が存在しているのか調べてみましょう💡
使いたい効果音があれば、自分でシンセサイザーで作ってストックしておいたり、販売もされているので購入してもよいと思います。
(5)ボーカル編集技術の習得
楽曲提供だけなら(4)まででOK?もしアイドルプロデュースまでやるなら、ボーカル編集技術も身に付けておくとのちのち楽になります。
ジャズの学習ポイント
ジャズと言えば、日本人にとっては少しリズムが難しく感じるかもしれません。そんなときはアメリカバークリーへGO…、ではなくリズム感のトレーニングをしていきましょう💡
(1)リズム感のトレーニング
ジャズの跳ねるリズムはとにかく練習あるのみ💡 ひたすらリズム感のトレーニングを行っていきましょう。
(2)ピアノ練習
(1)のリズムトレーニングをピアノで行ってもOKです。
ジャズやジャズ・ワルツ(3拍子)など、まずは難しいコード進行は使わなくて良いのでリズムを刻む練習をしていきます。
(3)コード進行を覚える
ジャズといえばお洒落なテンションコードを自由に操ることに醍醐味があります💡
そんなおしゃれなコードの響きとピアノでの指使いなどをどんどん覚えていきましょう。
(4)モード(旋法)を覚える
モードを使うとメロディをお洒落に装飾することができるようになります。どんな種類のモードが使えるのか?使い所などを学んでいきましょう。
オーケストラ曲製作の学習ポイント
実際のオーケストラと言えば、聴衆は「どこのホール」で「どの楽団や指揮」の「何の演目」を聴きに行くかを選択することができます。
曲を作ってオーディオとして仕上げる際にもこのポイントを押さえておけば良い作品が作れます。
(1)空間を作るための音響(ミックス)技術を習得する
オーケストラというのは「どこのホールで演奏するのか」、つまりどのような響きで聴かせるのかがとても大切なポイントになってきます。
オーケストラを作るなら、まず最初に音響の勉強をやりましょう💡
(2)すべての楽器の音色を音域も含めて覚える
オーケストラの作曲は多くの楽器を使用するだけに、その工程は楽器の選択が主な作業になります。
楽器を選ばなければならないということは、使う楽器の音はすべて把握している必要があるので欠かせない学習なのです。
(3)楽器ごとの奏法や演奏可能なフレーズを覚える
それぞれの楽器には多くの奏法や、演奏可能、不可能なフレーズがあります。
例えば管楽器では、種類や演奏する強さによっても息の持続時間が異なるので、息継ぎができないフレーズはNGなど、作曲する上での制約が登場してくるのです。
まずはそれぞれの楽器の得意、不得意などを覚えましょう💡
(4)古典派〜ロマン派のクラシック音楽のスコア分析をする
オーケストラの曲でも、実際の曲を分析することがとても大切です。
実際にスコアを分析して、どのような組み合わせで楽器が使われているのか、楽器が加わる際にはどのように加わっていくのかなど眺めるだけでもかなり勉強になるのでおすすめです💡
(5)和声法&対位法を学習する
和声法や対位法は必須ではありませんが、覚えておくとより豊かな響きを生み出すことができます。余裕があれば是非挑戦してみてください。
EDMの学習ポイント
EDMは電子音が主体となった現実には存在しない音色や音聲を作り出す、いわばとても自由に作れる音楽ジャンルです。
(1)シンセサイザーの音作りを学ぶ
EDMといえばなんと言ってもシンセサイザーの音作りを理解しなければ始まりません。
もちろんプリセットから音を選んで曲を作ることもできますが、使いたい音がすべてプリセットとして含まれているわけではなく、プリセットからの音探しはとても時間のかかる作業です。
そんなとき、自分ですぐに音色を作れるようになれば製作時間もぐっと短縮しますね💡
まずは減算式のシンセサイザーを使ってオシレーターの種類やフィルターの効果を覚えたり、デチューンで厚みをつけたり、慣れてきたら加算式やFM式のシンセサイザーの知識も身に付けましょう💡
リズム楽器&パーカッションの使い方を覚える
EDMはダンスミュージックなので、踊れるリズムを作りも重要な作業です。
シンセサイザーでリズムを刻むのに適した音色を使ってリズムを刻んだり、パーカッションをうまく使ってリズムを作る練習をしてみましょう。
音圧を上げるための特殊なミックス技術を身につける
EDMでは高い音圧がジャンル特性の一つにもなっているので、周波数の住み分けを上手にできるようにミックス技術を身に着けていきます。
あらゆる音を削って音圧を上げるミックス手法は、主にこのEDMジャンルのためのミックス方法で、例えばキックやベースには残響を加えず完全にドライで浮き出して使うなど、現実世界にはあり得ない音を使って違和感なくミックスが成り立つのもシンセサイザーという空想の音を使うEDMならではのやり方です。
劇伴の学習ポイント
映画やドラマの映像をサポートする音楽のことを劇伴と呼びます。劇の伴奏のことですね💡
(1)画合わせ技術の習得
映像の伴奏をするので、映像の場面にタイミングをピッタリと合わせて伴奏を作る技術が必要になってきます。
すべてのSceneで映像にピッタリと合わせるわけではありませんが、画合わせの技術は必ず必要になる場面が出てくるので身に付けておきましょう。
(2)映像のイメージやダイアログを壊さない作曲・ミックス技術
劇伴は映像のイメージに合うように考えて作らなければなりません。小鳥がえさをもぐもぐしている平和な場面でまさかサメが来そうなBGMが掛かったら、何か起こるんじゃないかと予感させてしまいます。
音楽にはそれだけの影響力があります。
また、映像中のダイアログ(台詞)をかき消すような音源を作ってはいけませんよね💡劇伴はあくまで脇役、サポート役に徹し、ときにここぞというところで主役になるようなものを作るように練習していきましょう。
現代音楽
現代音楽は、現代の芸術音楽です。
芸術音楽とは商業音楽(ポピュラー音楽)ではないの音楽のことで、商業目的のために作るというものではなく、純粋に芸術を追い求めた結果、分かる人にだけわかれば良いという作風のものが多くなっています。
(1)クラシック音楽(過去の芸術音楽)を学ぶ
現代の芸術音楽をやるなら、まずは過去の芸術音楽であるクラシック音楽、もっと遡れば古楽までを歴史も含めてしっかり学ぶ必要があります。
新しい芸術とは、いつの時代も古き良き基礎の上に生まれるものだからです。
(2)現代音楽の種類を学ぶ
クラシック音楽にも様々な作風のタイプが存在したように、現代の芸術音楽にも様々な作風があります。まずは今この時代にどのような芸術音楽が作られているのか聴いてみましょう。
作曲・DTMジャンルごとの効率の良い学び方のまとめ
ジャンル | これを学べば効率よく学習できる!? 優先すべきポイント! | |
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商 | 3リズム ~ 4リズム |
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バラード |
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アイドル |
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ジャズ |
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オーケストラ |
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EDM |
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劇伴 |
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芸 術 音 楽 | 現代音楽 |
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作曲やDTM技術の習得とひとことに言っても、ジャンルによって重視するポイントがそれぞれに異なるのがわかります💡
作曲という分野では”これだ”と確立された習得法がまだなく、学ぶ方の習熟度によってもどこから始めるべきなのかは変わるかもしれません。
今回紹介した以外のやり方でも様々なアプローチ方法があると思いますが、いざ始めるときにどこから手を付けてよいかわからなくなった時にはこの記事を参考にしてみてください^-^ノ