レイテンシを解消する2つの方法と設定-プラグインレイテンシとは?

 DTMでリアルタイムに演奏したい、でも鍵盤を押しても音源の発音が遅れてしまって困っている、なんてことはありませんか?

 今回はそんな「レイテンシ」について、意外な発生場所を含め、簡単な解消方法について紹介していきます。

まずはデバイスのバッファサイズから確認

 本題に入る前にまずは一般的なレイテンシの原因としてよく知られるオーディオインターフェイスの「バッファサイズ」から見直してみましょう。

 バッファサイズはオーディオインターフェイスの設定画面、もしくはDAWなどのソフトからも設定することができます。

 次の画像はCubaseでの設定例ですが他のソフト、機材などでも殆ど同じように設定できますので参考にしてみてください。

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① 使用しているインターフェイス名が選択されていることを確認します。

② 「コントロールパネル」と書かれた青いボタンをクリックすると①で指定したインターフェイスのデバイス設定画面が開きます。

③ バッファサイズを指定します、画像では64になっていますが128〜512程度の間で調整してみましょう。

 数値が小さいほど遅延が少なくなりますが、CPUに負荷がかかり音源を鳴らすとバリバリと音がするようになりますので、その場合は少し大きく設定してみましょう。

VSTプラグインによる遅延を見直す

 オーディオインターフェイスの設定はきちんとやっているのに遅延する、という方はもしかしたら使っているプラグインによって遅延が生じているのかもしれません。

 普段使用するマキシマイザーやコンプレッサー、ノイズ除去のプラグインなどは実はトラックにインサートするだけで少しずつレイテンシが増えていきます(中には1つ挿しただけでかなり遅延するものもあり)。

 単体ではそれほど目立たなかった遅延がトラック数が増えるにつれ少しずつ増え、気がつくと全然リアルタイムに演奏できないという現象が発生するのです。

どんなプラグインが遅延を起こしやすい

 それではどのようなプラグインが遅延を引き起こす原因となるのでしょうか?

 次の表はWaves公式サイトからのデータの引用です、プラグインを1つ使用するごとにどれほど遅延を引き起こすのか記載されています。数値が大きいほど遅延が大きいことを表します。

 快適な演奏のために、使用するプラグインの数値の合計が300を超えないようにしましょう。

遅延小←☆★★★★★★→遅延大

プラグイン名44.1 kHz48 kHz
Abbey Road Reverb Plates00
Aphex Vintage Aural Exciter00
API 250000
API 55000
API 5606565
AudioTrack 00 
Bass Rider18522016
Bass Rider Live221240
BSS DPR-402 8585 
Butch Vig Vocals195195 
C1 Compressor

Comp-Gate:  0

Side-Chain : 720

Comp-Gate:  0

Side-Chain : 720

 C360 Surround Compressor 6464 
C4 Multiband Compressor64 64 
C6 Multiband Compressor6464 
Center4446
CLA Bass133134 
CLA Drums6565 
CLA Effects6869 
CLA Guitars100106 
CLA Unplugged128128 
CLA Vocals193193 
CLA-2A00 
CLA-3A00 
CLA-7600 
Cobalt Saphira131134 
Codex Wavetable Synth106106 
dbx® 160 Compressor / Limiter8585 
DeBreath3238435248 
DeEsser00 
Doppler00 
Dorrough Stereo00 
Dorrough Surround00 
Doubler00 
DTS Neural™ Mono2Stereo508508 
DTS Neural™ Surround DownMix Standard 30633063 
DTS Neural™ Surround DownMix Lite759759 
DTS Neural™ Surround DownMix LT+RT503503 
DTS Neural™ Surround UpMix22962296 
Dugan Automixer00 
Eddie Kramer Bass Channel493500 
Eddie Kramer Drum Channel410417 
Eddie Kramer Effects Channel00 
Eddie Kramer Guitar Channel6464 
Eddie Kramer Vocal Channel149149 
Electric 88 Piano158130 
Element 2.0 Virtual Analog Synth00 
EMI TG12345 Channel Strip8585 
eMo D5 Dynamics00 
eMo F2 Filter00 
eMo Generator00 
eMo Q4 Equalizer00 
Enigma00 
GEQ Graphic Equalizer33 
Greg Wells MixCentric35973909 
Greg Wells PianoCentric195195 
Greg Wells VoiceCentric6565 
GTR3 Amps3440 
GTR3 Stomps00 
GTR3 ToolRack3440 
GTR3 Tuner00 
H-Comp Hybrid Compressor6464 
H-Delay Hybrid Delay00 
H-EQ Hybrid Equalizer6565 
H-Reverb Hybrid Reverb00 
IDR360 Bit Re-Quantizer00 
Infected Mushroom Pusher128128 
InPhase882882
InPhase Live960960 
InPhase LT882882 
InPhase LT Live960960 
IR1 Convolution Reverb00 
IR360 Convolution Reverb00 
IR-L Convolution Reverb00 
IR-Live Convolution Reverb00 
J37 Tape101101 
JJP Bass409417 
JJP Cymbals & Percussion557565 
JJP Drums622630 
JJP Guitars622630 
JJP Strings & Keys532532 
JJP Vocals473481 
Kramer HLS Channel161161 
Kramer Master Tape5964 
Kramer PIE Compressor00 
L1 Ultramaximizer6464 
L2 Ultramaximizer6464 
L3 Ultramaximizer35283840 
L3-16 Multimaximizer62076207 
L360 Surround Limiter6464 
L3-LL Multimaximizer6464 
L3-LL Ultramaximizer6464 
LFE360 Low-Pass Filter00 
Linear Phase EQ 

Broadband : 2679

Lowband : 1047

Broadband : 2679

Lowband : 1047

Linear Phase Multiband35283840 
LoAir00 
M360 Surround Manager00 
Manny Marroquin Delay6464 
Manny Marroquin Distortion128128 
Manny Marroquin EQ00 
Manny Marroquin Reverb11 
Manny Marroquin Tone Shaper29682968 
Manny Marroquin Triple D129129 
Maserati ACG6464 
Maserati B726868 
Maserati DRM11 
Maserati GRP621629 
Maserati GTi197197 
Maserati HMX11 
Maserati VX1408415 
MaxxBass00 
MaxxVolume6464 
MetaFilter8484 
MetaFlanger00 
MondoMod00 
Morphoder639639 
MV26464 
MV3606464 
NLS Non-Liner Summer44 
NS1 Noise Suppressor00 
Nx – Virtual Mix Room over Headphones00 
OneKnob Brighter00 
OneKnob Filter00 
OnerKnob Louder00 
OneKnob Phatter00 
OneKnob Pressure00 
OneKnob Pumper00 
OneKnob Wetter00 
PAZ Analyzer00 
PS22 Stereo Maker44 
PuigChild Compressor00 
PuigTec EQs149149 
Q10 Equalizer00 
Q-Clone344352 
R360 Surround Reverb00 
REDD6565 
Reel ADT18812037 
Renaissance Axx6464 
Renaissance Bass00 
Renaissance Channel6565 
Renaissance Compressor6464 
Renaissance DeEsser6464 
Renaissance Equalizer00 
Renaissance Reverb00 
Renaissance Vox6464 
RS56 Passive EQ6565 
S1 Stereo Imager00 
S360 Surround Imager & Panner00 
Scheps 736565 
Scheps Parallel Particles8585 
SoundShifter69466946 
SSL E-Channel11 
SSL G-Channel00 
SSL G-Equalizer00 
SSL G-Master Buss Comp33 
StudioRackDynamicDynamic 
Sub Align00 
SuperTap00 
The King’s Microphones344352 
Trans-X6464 
TrueVerb00 
UltraPitch82398239 
UM225 / UM2264444 
V-Comp00 
V-EQ300 
V-EQ400 
Vitamin Sonic Enhancer00 
Vocal Rider00 
W43 Noise Reduction Plugin00 
Waves Tune30723072 
Waves Tune LT30723072 
Waves Tune Real-Time00 
WLM Plus Loudness MeterWLM: 0
WLM Plus: 80
 WLM: 0
WLM Plus: 80
WNS Noise Suppressor00 
X-Click26252625 
X-Crackle26252625 
X-FDBK00 
X-Hum00 
X-Noise51205120 
Z-Noise3470234702 

 この表を見る限り、ノイズやブレスの除去、マルチバンドのマキシマイザーなどは一部を除いて大きな遅延の原因となっているようですね。

VSTレイテンシの効率的な解決方法とは!?

リミッター・マキシマイザーにはローレイテンシーのプラグインを使用する

 ダイナミクス系は遅れが生じやすいのですが、録音時に使用したいものでもあります。

 そこで、「L3-LL」(LLはLow Latencyの略)など遅延が少なく設計されているモデルを使用することでこの問題は回避することができそうです。

リアルタイム演奏で打ち込みする際には必要最小限のプラグインのみを使用する

 単体で数値が「50」前後のプラグインでも10トラックに使用すると500の遅延と、かなりの遅れになります。リアルタイム入力の際にはできる限りプラグインは使わないようにしましょう。

どうしても必要な処理はその都度オーディオに書き出して対応する

 ノイズ処理やコンプ、EQでの音色作り、またボーカルのピッチ修正など、制作の最中でも必要になることがあります。その場合は一度処理した音源をその都度書き出してしまうことでプラグインによる遅延を抑えることができます。

遅延の起こりやすいプラグインのみを一時的に無効にする

 これはあまりおすすめできる方法ではありませんが、DAWソフトによっては一時的に処理の重いVSTプラグインのみを無効にしてくれる機能がついているものがあります。

 画像はCubaseでの例で左上方向、左から3つめのオレンジ色の時計マークがクリックされてオレンジ色になっているときは遅延の大きいプラグインがバイパスになっています。

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 ただし、重いプラグインはバイパス状態でも多少の遅延を生じますので、よほど必要でない限りは使わないほうが良いです。

まとめ

 今回はプラグインによるレイテンシについて書いてみました。演奏段階で音を作り込みたいという気持ちもわかりますが、プラグインを使い過ぎると演奏の妨げになってしまいます。

 完成形のイメージは持ちつつも打ち込みとミックスはあくまで分けて考えるか、または少しずつ書き出しながら対応することで音源の遅れを解消することができそうです^-^ノ