iZotope RX7の使い方!注目の新機能「Repair Assistant」「Music Rebalance」や最新Cubase10との連携方法についても紹介!

 今回はiZotopeの最強ノイズ除去ツールRX7で新しく搭載された新機能の使い方や、最新のCubase10とのConnectを使用した連携方法について紹介していきます💡

 これまでのRXシリーズに共通するエフェクトの使い方については以前紹介した「iZotope RXシリーズの使い方!スペクトラム解析を使ってノイズを除去する方法」を合わせてご覧ください^-^ノ

 

RX7でも自動化!?「Repair Assistant」「Music Rebalance」の2つの強力な機能が追加された

 iZotope RX6とRX7の大きな違いは、「Repair Assistant」と「Music Rebalance」という2つの機能が追加されたという点でしょう💡

 RX7ではその他にも「Dialogue Contour」や「Dialogue De-reverb」「Multichannel Support」「Variable Time」などが追加されましたが、今回はこの注目の2つの機能について詳しく紹介することにします💡

新機能① オーディオファイルからAIが自動でノイズを見つけ修正箇所を指摘してくれる「Repair Assistant」

 iZotope RXシリーズではこれまでも強力なノイズ除去ツールが用意されていましたが、それらのどのツールを使用するかは人間が判断して一つ一つに処理を施していかなければなりませんでした。

 ところがRX7では、Audioを読み込ませれば自動で「クリックノイズ」「ハムノイズ」「クリップノイズ」「その他のノイズ」部分を見つけ、最適な処理を自動で行ってくれるRepair Assistantという機能が追加されました💡

Ozone8に続いてRX7でもAIを導入!AIは優秀!? 自動というと、必要な箇所までノイズと判断されてしまうのでは?と思うかもしれませんが、iZotopeでは学習時にAIを使用して膨大なノイズデータや環境音のデータを読み込ませていて、人間が判断するよりずっと多くの経験からノイズを聴き分けてくれます💡

新機能② 2mixの曲からボーカル、BASS、打楽器、その他の音のみを抜き出したりバランスを再調整できる「Music Rebalance」

 

 もう一つ、RX7に搭載された機能がこちらの「Music Rebalance」

 リバランスという名の通り、2mixオーディオ中の「ボーカル」「ベース」「打楽器」「その他の音」を認識して後からバランスを変えられるというもの

 さらにこの機能、バランスを変えるだけでなくボーカルだけを抜き出したり、完全に消してカラオケ音源を作るなんてことも可能

ボーカル除去ソフトって今までもあったけど? ボーカルを除去してカラオケを作成するというソフトは今までにもありましたが、どれも不完全なものが多く実用的ではありませんでしたが、それがRX7の登場でついに実用的なボーカル分離ソフトが誕生したといっても良いと思います💡

Repair Assistantの使い方

 RX7にノイズ除去したいオーディオファイルを取り込んだら、右上の「Repair Assistant」をクリックして準備をしましょう💡

オーディオの種類を選択する

 続いて、ノイズ除去を行いたいオーディオの種類を選択して「Start analysis」をクリックします。

 種類を選ぶ際の基準は下記表のように判断すれば問題なく解析できます💡

オーディオの種類はこんな感じ

  • Dialogue・・・ダイアログ(セリフ、歌声、などの音声)。
  • Music・・・音楽(楽器のソロ演奏、楽器の合奏、など楽器類)。
  • Other・・・音声と楽器の両方が含まれる場合など。

3種類の候補を聴いて理想の処理を選ぶ

解析が終わると選択肢は3パターン 3つの候補を聴いて、この中から最も理想の処理を選びます。「▶」をクリックするとそれぞれのパターンを10秒間試聴できます💡

ノイズ除去の強度を調整できる

 各候補にカーソルを合わせると、フェーダーのマークが現れます。マークをクリックすると実際にフェーダーが現れ、ノイズ除去の強度を微調整してどのくらい消すかを設定できます。

Renderを押してノイズ除去を適用する

 ノイズ処理の方向が決まったら、「Render」を押してノイズ除去を適用しましょう💡

 Music Rebalanceの使い方

 右側の一覧から「Music Rebalance」を見つけてクリックしましょう💡

各パートの音量と感度を設定

 Music Rebalanceの使い方は至ってシンプルで、RX7によって認識された「Voice(人の声)」「BASS(低音楽器)」「Percussion(打楽器)」「Other(その他)」の4つの音量をフェーダーを使って調節するだけ💡

 あとは「Sensitivity」から、分離の良さ(それぞれのパートと相対的)を設定してどのくらい音の被りを許容するか、切り捨てるかを設定するだけで設定が完了します。

音をプレビューしてみよう

 左下の「Preview」ボタンをクリックして音を確認しましょう💡

Renderで処理を実行してみよう

 設定が決まったら「Render」を押せば処理が実行されます💡

Cubase10との連携方法、Connectの上手な使い方

 RX7では、Cubaseと連携して、Cubase上のオーディオファイルを編集することができます💡

 Cubaseのバージョンが上がって、Connectを使用したRX7との連携が少々複雑になったので、改めて連携方法を紹介しておきます💡

Cubaseで「ダイレクトオフラインプロセシング」を開く

 CubaseとRX7を連携するために、まずはCubaseを開き「Audio」→「ダイレクトオフラインプロセシング」を開きます。

自動適用のチェックを外す

 ダイレクトオフラインプロセシングの画面が表示されたら、「自動適用」のチェックを外しましょう。このチェックが入っているとConnectがうまく働きません。

 これで準備は整いました💡

RX7に取り込みたいオーディオイベントを選択する

 それでは、RX7に取り込みたいオーディオのイベントをクリックして選択しましょう💡

ダイレクトオフラインプロセシング画面からRX7を選択

 イベントを選択肢た状態で、ダイレクトオフラインプロセシング画面の左上「+プラグイン」をクリックして「RX 7 connect」を選択します。

適用をクリックしてRX7を起動

 画面上にRX7が追加されたら、右上の「適用」をクリックしてRX7を起動しましょう💡

編集後のデータをCubaseへ送り返す

 編集が終わったら、「SEND BACK」という青いボタンをクリックしてCubaseへデータを送り返す準備をします。

Cubase側で適用をしてデータを受け取る

 Cubaseの画面に戻ったら、もう一度「適用」のボタンを押せばRX7で編集した内容が適用されます💡

エフェクトの固定

 ここまでの編集では、まだエフェクトによってオーディオからノイズが除去されている状態で、RX7を破棄するとノイズは復活してしまいます💡

 そこで、元のオーディオデータに、ノイズのないデータを上書きする場合には「すべての処理結果を固定」を選択しましょう💡

 これでオーディオデータがノイズのないデータに上書きされます。もし元のデータが必要な場合には予めバックアップを取っておきましょう💡

RX7の各パッケージごとの違いとは!?

 

 RX7には「Elements」「Standard」「Advances」の3つのパッケージがあるのです💡

 今回紹介した2つの新機能「Repair Assistant」「Music Rebalance」RX7 Standard以上の製品に含まれています💡

 その他の機能も含めて比較表を載せておきますので参考にしてみてください💡

  RX7 Elements RX7 Standard RX7 Advanced

価格

¥9,612 ¥30,024 ¥151,200
▽含まれているプラグイン一覧( 赤文字は新機能 )▽
Repair Assistant
Music Rebalance  
Dialogue Contour    
Dialogue De-reverb    
Multichannel Support    
Variable Time  
Ambience Match    
Azimuth    
Batch Processor
Breath Control  
Center Extract    
Composite View  
Connect  
Clip Gain
De-bleed  
De-click
De-clip
Deconstruct    
De-crackle  
De-ess  
De-hum
De-plosive  
De-reverb  
De-rustle    
De-wind    
Dialogue Isolate    
Dither  
Fade
EQ  
EQ Match    
Find Similar
Gain
Instant Process  
Interpolate  
Leveler    
Loudness    
Mouth De-click  
MP3 Export  
Markers & Regions
Mixing
Module Chain
Module List Filters
Monitor  
Normalize
Phase
Plug-in
Recording & Monitoring
Resample  
Signal Generator
Spectral De-noise  
Spectral Repair  
Spectrum Analyzer
Variable Pitch  
Voice De-noise
Waveform Statistics

おまけRX7の使い方一例こんなときはこんな処理を使ってみよう

 先程、自動でノイズを除去できるRepair Assistantを紹介しましたが、中には自分で手作業で処理をしたい!という方もいるはず💡

 そこで、こんなときにはこの処理をするといいよ!というノイズ除去の一例を紹介していきます💡

 この例を参考に、他のエフェクトを使用する際にはこんな項目があるかも!?と考えながら活用してみましょう💡

カチっ、パチッ、ぷちっ、というノイズには「De-click」「De-crackle」がおすすめ

 マウスのクリック音など、一瞬のぷちっとしたノイズには「De-click」と「De-crackle」を使用しましょう💡

 De-clickで処理を行った後に、De-crackleを使用すると効果的です💡

De-clickの設定一覧

 Algorithm
(アルゴリズム)

◯アルゴリズムの設定◯

Single Band:帯域の狭いデジタルクリックの除去。
Multi Band(Periodic Clicks):広域で周期的なクリック除去。
Multi Band(Random Clicks):アナログ・レコードのクリック音除去に最適。
Low Latancy:低レイテンシーモード。

 Sensitivity
(感度)
 クリック音検知の感度を調整する。低いほど除去されるクリックが少なく、高すぎると音割れの原因となる。
 Frequency Skew
(周波数調整)
クリックノイズの周波数を設定する。 低いと低音のクリック音のみを除去、高いと高音のクリック音のみを除去する。
 Click Widening
(クリック幅)
 検知されたクリック音に対してどのくらい周辺まで処理をするか。

De-crackeの設定一覧

Quality
(品質)

◯品質の設定◯

Low:処理速度が速い代わりに品質は低い。
Medium:周期的に繰り返されるクリックを除去する場合の中間設定。
High:最も高い品質で除去できるモード。

Strength
(修復の強さ)
検出されたクリック、クラックルノイズを修復する強さ。
Amplitude Skew
(振幅調整)
検出されたノイズの大きさによる処理の量を設定する。

声だけを綺麗に抽出したいときは「Dialogue-Isolate」がおすすめ

 音声を録音したものの、風の音や飛行機の音、車の音が入ってしまったなんてときにはこのDialogue Isolateを使用すれば音声以外の音をすべて除去することができます💡

Dialogue gain
(音声の音量)

処理後の音声の音量を調整します。

Noise gain
(ノイズの音量)
処理後のノイズを何dB減らすかを設定します。
Dialogue separation sensitivity
(分離感度)

音声を分離する感度を設定します。感度を高くするとよりノイズが少なくなりますが、声の成分も損なわれます。

感度を低くすると声の成分は残る一方ノイズが残る可能性があります。

Separation Algorithm
(分離アルゴリズム)
・Channel Independent:入力オーディオに対して処理する(最速)。
・Joint Channel:分離の前にジョイントチャンネル処理を行うため品質の高い分離が可能。
・Advances Joint Channel:最も高品質で音声を分離できるモード。