和声法の基本形は6つのパターンで覚えよう!

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 今回は基本形(転回などしてないもの)の配置と連結についてご紹介します💡

 基本形は一番重要で、ここをしっかりと押さえておけば転回形の学習もスムーズに進みます^-^ノ 少しずつ覚えていきましょう。

 基本形の禁則については前回の基礎編で詳しく説明しているので、不安な方はもう一度目を通してくださいね💡

和声法の基礎 ♪ 音の重ね方と繋げ方(配置と連結)について
 前回は4声(ソプラノ、アルト、テノール、バス)が使用できる音域と、各声部と声部の距離について2つルールをご紹介しました。 今回はそれぞれの声部の配置(積み重ね方)のルールや、進行する上でのルールについて書いていきます💡 この先いろいろな禁...

基本形とは?

 基本形とは、4声(ソプラノ、アルト、テノール、バス)を重ねた時に、スが和音の根音(ルート音、Cの場合はド)になっている配置のことをいいます。

基本形で覚える6パターン

 基本形で覚えることは次の6つです。意外と少ないのですぐに覚えてしまいましょう。

基本形で覚える6つのこと

  • 共通音を含む和音の連結
  • 共通音を含まない和音の連結
  • VからVIの連結
  • IIからVへの連結
  • IIIの和音
  • VIIの和音

学習前に豆知識を入れておこう

 和声の基本形で、はじめに押さえておきたいポイントをまとめました。

VI以外上3声には3和音の構成音をすべて含め、密集配置または乖離配置で配置する

 基本形では密集配置と乖離配置をつかって、上3声(バス以外の3声)には3和音の構成音を全て含めます。

 例外でVI(ハ長調ではAm)ではオクターブ配置にすることができます。

上3声から第3音が欠けるのは空虚5度になる

 例えば上の例では「C」の和音ですが、上3声に第3音である「E」の音がありません。

 これではマイナーコードかメジャーコードかなど性質がわかりにくい響きになり空虚5度と呼ばれる禁則になります。

第3音は重複してはいけない

 第3音はとてもキャラクターの強い響きを生み出すので2つ以上重ねないようにしましょう。

 特にVの第三音(導音)は要注意です。

VからIに進行して終始する場合、第5音を保留せずに省略して主音を2つにしてもよい

 終止の場合のみ例外があって、第5音を省略しても良いことになっています。

4つの声部すべてが同じ方向に跳躍する動きは禁則

 和声法では4つの声部が全て同じ方向に跳躍すると禁則になります。できる限り反行または斜行にしましょう。

共通音を含む和音の連結

 連結する2つの和音に共通の音が含まれている場合は、共通音を保留することだけ気をつければ他の声部は割と自由に進めます。

共通音を含む和音連結のルール

  • 連結する和音に共通音が含まれる場合は保留する。
  • 保留しない声部は近い音へ進行させる。
  • 保留する声部がある場合は外声が並行しても良い。
  • 禁則がないかを確認する。連続の禁則が生じやすいので注意。

共通音を含まない和音の連結

 共通音を含んでいない場合は、ソプラノとバスを必ず反行させましょう💡

共通音を含まない和音連結のルール

  • まずはじめにバスの動きが上行か下行かを確かめ、ソプラノを近い音へ反行させる。
  • 内声を配分一致するように進行させる。

VからVIへ連結するときのポイント

ドミナントからトニックへ進む場合、導音は主音へ上行させて解決すると説明しました。

 特にVからVlへ進む場合、導音以外の残りの声部は近い音へ下行させましょう。このように進むことでVIに主音が2つ含まれる配置になります。

VからVIへ連結するときのルール

  • VIの上3声には「主音(第3音)が2つ」と「第5音が1つ」含まれる。
  • Vの導音を主音に上行させる。
  • 残りの2声は近い音へ下行させる。
  • 配分は一致させずにオクターブ配置でも良いし一致させても良い。
  • 共通音はないがソプラノとバスは並行しても良い
  • VIの後の進行は並達などの禁則が発生しやすいので注意。

 V7の場合でも考え方は同じです💡

IIからVへの連結

IIからVへ連結するときのルール

  • 短調ではIIの根音をVの導音へ3度下行する。(Am調ではBからG♭)
  • 長調では根音を共通音として保留するか、3度下行させてもよい。(C調ではDからB)

 短調ではIIの第3音からVの導音へ上行する際に増音程が生じてしまうのを防ぐためです。

IIIの和音

 IIIの和音は、基本形と第一転回形で和音機能が違う点に注意しましょう💡

  • 基本形ではトニックの機能をもっている。
  • 第一転回形ではドミナントの機能をもつ。
  • IIIがTのとき、導音は主音に解決する他、2度下降させて属音へ進んでも良い。

  IIIの第一転回形ではバスに属音(ハ長調ではG)がくるのでドミナントの力が強くなります。

VIIの和音

 VIIは、はじめのうちはあまり使わないかもしれませんが属七の根音省略の話が出てくるとすこしややこしくなってくるので、片隅にでも置いておいてください。

  • VIIはドミナントの機能をもっている。
  • 根音を主音へ、第5音を中音へ解決させる必要がある。
  • 導音が大きく跳躍する動きは避ける。

練習問題(バス課題)

 和声法の基本形は終了です、今回の知識をフル活用して次の問題に挑戦しましょう!

共通音を含む練習問題(バス課題)

① 次のバスに上3声を追加して連結させてください。

② 次のバスに上3声を追加して連結させてください。

Point!

  • 連続5度、連続8度になっていないか確認してみよう。
  • 密集配置と開離配置で配分転換してしまっていないか確認して配分一致を心がけよう。
  • 保留する音は忘れずに保留できているか確認しよう。

共通音を含まない和音の練習問題(バス課題)

①、②、③について、次のバスに上3声を追加して連結させましょう。

共通音を含まない連結バス課題

Point!

・配分一致させないと連続5度など禁則になりやすいので必ず一致させること。

VからVIの練習問題(バス課題)

① 次のバスに上3声を追加して連結させましょう。密集配置と開離配置それぞれについて解答してくださいね。

VからVIの連結

Point!

  • 主音が2つ含まれているので混乱しないようにしよう!
  • 迷った時はまず導音→主音の流れを中心に考え、あとは残った音を近くに下行するだけで解決!
  • 2つの主音は1度の関係でユニゾンになることもあるので注意!

IIからVの練習問題(バス課題)

① 次のバスに上3声を追加して連結させましょう。

IIからVへの進行

Point!

  • 長調の進行では保留するか選べるので実際に演奏したり打ち込んでみて雰囲気を覚えよう。
  • 根音を下げるのを忘れがちになるので気をつけよう。

まとめの練習問題(バス課題)

① 次のバスに上3声を追加して連結させましょう。

 ヒント:前半2つは長調、後半2つは短調。

基本形まとめバス課題

まとめ

 今回は和声法の基本形について学びました。実際に曲を作ったり、問題を解いてみてわからない箇所があればもう一度見直してみましょう、

 何度も何度も読み直すことで必ず身についてきますよ^-^ノ

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