人気のピッチ補正ソフトを比較!!あなたにぴったりのソフトはどれ?
2018年2月19日声楽・ボーカル,機材・音源・プラグイン,買ってよかった!?おすすめ品紹介!
今人気のピッチ補正ソフトといえば「Auto-Tune」、「Melodyne」、「Waves Tune」などがあって、さらに各製品から異なるグレードのパッケージが発売されていたりと、消費者としてはどれを購入してよいのか迷ってしまいますね!?
そこで今回は人気の3製品について、それぞれグレード毎の違いや、製品ごとの特徴の違いを比較して、それぞれの目的ごとに、どの製品を購入するとお得なのかを検証していきたいと思います^-^ノ
Waves Tune!

価格 |
Waves Tune・27,500円
Waves Tune LT・19,440円 |
画面の見やすさ |
△ |
ツールの使いやすさ |
◎ |
通した音の自然さ |
◎ |
綺麗に編集可能かどうか |
◎ |
Waves Tuneは言わずと知れたプラグインメーカーWavesから発売されているピッチ補正プラグインです。
Waves Tuneの魅力はなんといっても自然に補正できる点と、ツールが少ないのでとても早く作業できるという点💡
とにかく軽くてシンプル!なのにクオリティの高い完成度!
Waves Tuneはピッチ補正という本来の目的を如何に高いクオリティで完成させるかに重きを置いているので、不要な機能はできるだけ外してわかりやすく、しかも動作が軽く作られているのがポイント!
一つだけ欠点をあげるとするならば、画面が少し小さくて見づらいところで、その欠点を気にしなければ最高のピッチ補正ツールです。
価格も27,500円とかなりお手頃価格で入手できるのでおすすめです。
Waves Tuneの使い方は「綺麗にピッチ補正できて使いやすいWAVES Tuneの使い方」のページでまとめているので、もし購入された際には是非参考にしてみてください。
WAVES Tuneの使い方を紹介! 綺麗にピッチ修正できて使いやすい!?
下位版のWaves Tune LTとは?

Waves TuneにはLTという下位バージョンがあって、次の機能が省略されています。こちらはWavesのGolバンドル以上に含まれているので既に持っている方も多いかもしれません。
LTバージョンで省略されている機能一覧!
- MIDI情報の受信
- MIDI情報の書き出し
- トラック内のナチュラルビブラート検出モード
- Synthetic Vibrato セクション
- グラフィック・エディットツール(Line、Curve、Glue、Cut、Pencil、Hand tools)
- Tolerance
- Range
- スケール編集
- タイムラインからのセッションタイムの取得
- Undo機能のステップ数: Waves Tune=32/Waves Tune LT=2
省略されている各機能の説明
MIDI情報の受信 |
MIDIノートを取り込んでノートに沿ってピッチ補正できる機能。 |
MIDI情報の書き出し |
音声データからMIDIノートを作成して書き出す機能。 |
トラック内のナチュラルビブラート検出モード |
音声トラックに含まれるビブラート部分を検出する機能。 |
Synthetic Vibrato セクション |
機械的なビブラートを作成するための機能。 |
グラフィック・エディットツール(Line、Curve、Glue、Cut、Pencil、Hand tools) |
グラフィックエディターの「ラインやカーブツール、ノリツール、はさみツール、鉛筆ツール、ハンドツール」機能。
もともとツールが少ないWaves Tuneからさらにツールが省略されてしまっているのでこれは少々痛いところ。
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Tolerance |
Toleranceは音声中のピッチをどのくらい細かく検出するかを決めるものです。
Waves Tune LTではToleranceは設定できないので検出幅は固定となります。
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Range |
Rangeも検出幅を決める項目ですが、こちらは音域別に検出範囲を狭めることのできる機能です。
あまり使わなくても良い機能だと思います。
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スケール編集 |
Waves Tuneではスケールを指定して、スケール外のノートで明らかに外していると判断したものを正しいスケールに戻る機能が備わっていますが、そのスケールを指定する機能がLTにはありません。
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セッションタイムの取得 |
Waves Tuneはタイムラインのどこからでもデータを読み込むことができますが、Tune LTはセッションの最初から読み込みを開始しなければなりません。
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Undo機能のステップ数:
Waves Tune=32
Waves Tune LT=2 |
Waves Tuneでは「戻る」の記録が32回分記録されますが、Waves Tune LTでは2つ前までしか戻ることができません。
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Waves Tuneのまとめ
Wavesのバンドルを持っている方ならWaves Tuneを既に持っている方も多いと思いますが、機能的に見ると、やはり綺麗にピッチ補正をするならLT版ではなく、通常版を入手するのがおすすめです。
先程も書きましたが、Waves Tune自体がそもそもかなり機能を削って使いやすくされているソフトなので、そこからさらに機能を削ったLT版ではできることが本当に微々たる編集に限られてきます。
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Auto-Tune Pro

価格 |
・Auto-Tune Pro: 59,400円
・Auto-Tune Live: 28,750円
|
画面の見やすさ |
◎ |
ツールの使いやすさ |
△ |
通した音の自然さ |
◯ |
綺麗に編集可能かどうか |
◎ |
Auto-Tuneは音楽業界でもかなり長いこと使われている定番のピッチ補正ソフトで、画面も大きく見やすいのが特徴です。
また、音のキャラクターをいじるための細かい機能もたくさん搭載されているのでこのソフトを使って音声を存分に作り上げたい!という方とは相性が抜群!!
ただし機能が多すぎるためピッチ補正ソフトとしてはパソコンへの負荷が高く、さらにすべての機能を使いこなせるようになるまでには情報収集と勉強が欠かせないソフトでもあるのでなかなか敷居が高いソフトで、自然できれいなピッチ補正をこなすのはかなり技術が必要です。
Auto-Tune Proの機能一覧!
- Auto-Tuneピッチ補正とボーカルエフェクト
- 超低レイテンシー(遅延がない仕様)
- Humanize機能(人間味を付加する機能)
- 調整可能なRetune SpeedとHumanizeコントロール
- 自動フォルマント補正
- 調整可能なスロートモデリング
- ビブラートの作成と調整
- リアルタイムMIDIコントロール
- トランスポーズ(リアルタイムピッチシフト)
- グラフィックピッチ編集(ピッチ補正機能)
- グラフィックタイム編集(タイミング補正機能)
- MIDIから音符の作成
Auto-Tune Proの機能一覧!
超低レイテンシー |
プラグインを使用することによって生じるレイテンシが少なく、リアルタイムで使用しても遅れによる違和感を感じない仕様になっています。
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リアルタイムMIDIコントロール |
この機能はMIDIコントローラーを使用して、主にライブでリアルタイムで設定に変更を加えることのできる機能です。 |
スロート(声帯)モデリング |
人の声帯をモデリングして作り上げることで、自由に多くの声質に変化させることができる機能です。
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ビブラートの作成と調整 |
ビブラートの深さや幅などを調整することができる機能です。
|
自動フォルマント補正 |
声のフォルマント(音色の特徴)を自動で補正してくれる機能です。
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グラフィック
ピッチ・タイム編集 |
ピッチ補正やタイミング補正をする際にMIDIのようにノートや線が表示される画面上で編集できる機能です。
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Auto-Tune Proのまとめ
Auto-Tune Proには多くの機能が用意されていて、細かく音声を作り込みたい!という方は是非手に入れたいプラグインです💡
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Melodyne

価格 |
・STUDIO: 83,462円
・EDITOR: 51,840円
・ASSISTANT:22,020円
・ESSENTIAL: 10,368円 |
画面の見やすさ |
◎ |
ツールの使いやすさ |
◎ |
通した音の自然さ |
△(音声を通すと音がこもる) |
綺麗に編集可能かどうか |
◎ |
Melodyneも画面が見やすくて操作性も良いピッチ補正ソフトとしてここ数年で定番のソフトになってきました。
初心者に優しいMelodyne!
Melodyneの特徴としては、やはりツールが豊富で、並びが見やすくて使いやすいところがあげられます。
ソフトを初めて起動した人でも、なんとなく画面を見ていじってれば操作を覚えられ作りになっているので、これから初めてピッチ補正ソフトを取り入れようと思っている方にはとてもおすすめ!
やや音が籠もるという欠点がある!
ひとつ残念な点は、他のピッチ補正ソフトに比べ、音声を通した時に音がこもりやすいという欠点があります。
Melodyneを通して音がこもってしまった場合はEQを使って整えてあげましょう。
Melodyneの「4つのパッケージ」の違い
Melodyneパッケージには「Essential」、「Assistant」、「Editor」、「Studio」と4つのグレードあって、それぞれにできることが異なるので違いを見ていきましょう。
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Essential |
Assistant |
Editor |
Studio |
ポリフォニック |
– |
– |
◯ |
◯ |
メロディック |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
パーカッシブ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
ユニバーサル |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
メインツール |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
ピッチ |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
ビブラート |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
ピッチドリフト |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
フォルマント |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
音量 |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
タイミング |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
タイムハンドル |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
アタックスピード |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
ノート分割 |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
マルチトラッキングとマルチトラックノート編集 |
– |
– |
– |
◯ |
サウンドエディタ |
– |
– |
– |
◯ |
テンポ検出/エディタ |
◯/- |
◯/- |
◯/◯ |
◯/◯ |
ノートアサインメントモード |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
カット、コピー、ペースト |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
ピッチとタイミングのマクロ |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
オーディオ-MIDI変換 |
– |
◯ |
◯ |
◯ |
音階補正 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
音階を編集 |
– |
– |
◯ |
◯ |
音階検出 |
– |
– |
◯ |
◯ |
参照トラックにクオンタイズ |
– |
– |
– |
◯ |
スタンドアロンモード |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
プラグイン |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
ReWire |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
32/64bit対応 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
相互互換性 |
◯ |
◯ |
◯ |
◯ |
Melodyneの機能一覧
ポリフォニック |
ピアノやギター、弦楽アンサンブルなど、複数の楽器で和音を演奏したものを解析する機能。 |
メロディック |
ボーカルなどの単旋律を解析する機能。 |
パーカッシブ |
ドラムやパーカッションなどの音程のない楽器を検出する機能。 |
ユニバーサル |
複雑なポリフォニック素材を解析する機能。 |
メインツール |
ピッチセンター、位置、長さ、ノート分割などのメインツール。 |
ピッチ |
ピッチセンター、ピッチ進行を編集するツール。 |
ビブラート |
ビブラートやトリルの強度や方向を編集するツール。 |
ピッチドリフト |
ピッチドリフトの強度や方向を編集するツール。 |
フォルマント |
フォルマント(声の特徴)を編集するツール。 |
音量 |
1音ずつ音量を調節することのできるツール。 |
タイミング |
ノートの位置、長さ、クオンタイズなどをコントロールしてタイミングを調整するツール。 |
タイムハンドル |
1つのノート内で時間進行を変更することができる。 |
ノート分割 |
ノートを分割するためのはさみツール。 |
マルチトラッキングとマルチトラックノート編集 |
複数のトラックを同時に表示したり編集することができる機能。 |
サウンドエディター |
パーツごとのバランスを考慮して音色を調整する機能。 |
テンポ検出/テンポエディタ |
録音されたオーディオのテンポを検出したり、編集できる。 |
ノートアサインメントモード |
ノート分割の際に生じるエラーを補正できる。 |
カット、コピー、ペースト |
パソコンのクリップボード機能を利用して素材を切り貼りできる。 |
ピッチとタイミングのマクロ |
マクロ機能を使ってピッチとタイミングを自動補正できる。 |
オーディオ-MIDI変換 |
オーディオの音程を元にMIDIを作成することができる機能。 |
音階補正 |
選択した音階に合わせてピッチを補正することができる機能。 |
音階を編集 |
音階を変更したり、独自の音階を作成する機能。 |
音階検出 |
オーディオから音階を抽出する機能。 |
参照トラックにクオンタイズ |
指定したトラックのMIDIノートに合わせて音程を補正するための機能。 |
スタンドアロンモード |
DAWなどを使用せずに、Melodyne単体で起動できる。 |
プラグインモード |
AU、VST、RTAS、AAX、ARAとしてDAWに読み込ませ、プラグインとして使用できる |
32/64Bit対応 |
32bitでも64bitのコンピューター上でも使用できる。 |
相互互換性 |
他のバージョンのMelodyneで作成したプロジェクトをそのまま受け継ぐことができる。 |
Melodyneのまとめ
こうしてみるとMelodyneはかなり優良なソフトで、下から2番めの「Assistant」グレードでもピッチ補正をするために十分な機能を持っていることがわかります。
Melodyneはピッチ補正ソフトをはじめて使用する方にもとてもわかりやすいソフトです、これからMelodyneでピッチ補正を行おうと考えている方はMelodyne Assistantを購入するのがおすすめです。
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それぞれのピッチ補正ソフトを並べて比較!
3つのピッチ補正ソフトの特徴を比較して、自分にピッタリのものを選んでみましょう。
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Waves Tune |
Auto-Tune Pro |
Melodyne |
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価格 |
27,500円 |
59,400円 |
・STUDIO: 83,462円
・EDITOR: 51,840円
・ASSISTANT:24,796円
・ESSENTIAL: 10,368円 |
画面の見やすさ |
△ |
◎ |
◎ |
ツールの使い易さ |
◎ |
△ |
◎ |
通した音の自然さ |
◎ |
◎ |
△
(音がこもる) |
綺麗に編集できる |
◎ |
◎ |
◎ |
初めてでもわかりやすい |
◎ |
△ |
◎ |
はじめてピッチ補正ソフトを購入するなら「Waves Tune」か「Melodyne Assistant」がおすすめ!
まだあまりピッチ補正ソフトに慣れていない方や、これからピッチ補正ソフトをはじめて購入しようと考えている方は、「Waves Tune」もしくは「Melodyne Assistant」がおすすめ!
この2機種ならば、購入してから使いこなせなくて悩む、という心配がありません!
声をいろいろな音色に加工したいなら「Auto-Tune Pro」がおすすめ!
ピッチ補正ももちろんだけど、声の音色もいろいろと加工して音作りを重視してみたい!という方は「Auto-Tune Pro」がおすすめです!
他のピッチ補正ソフトにはない自由な加工を楽しむことができます。
余計な機能はいらないからとにかく綺麗に編集したい!という方はWaves Tuneがおすすめ!
余計な機能はいらないからとにかく単純な作りで動作が軽くて、それでいてきれいに編集できるプラグインが欲しい!という方にはWaves Tuneがぴったり!
画面が小さいことを除けばかなり使いやすいソフトなのできっと仕上がりに満足するはずです。
ピッチ補正ソフトの選び方まとめ
今回は人気の3大ピッチ補正ソフトを比較してみました。皆さんの使用方法に合った製品は見つかりましたか?
購入する際のポイントですが、やはりソフトによって機能の多い少ないがあるので、機能が少なすぎて目的の作業ができないと困りますし、また機能が多すぎてもほとんど使わない機能にお金と学習の時間を使うのはもったいないです。
機能が多ければ良いというものではないので、それぞれの目的に合った最適なソフトを選んでくださいね^-^ノ