今回は実機のコンソールでもお馴染みのSSLコンソールをモデルにした「waves SSL 4000 Collection」について使い方とレビューを書いてみたいと思います^-^ノ
チャンネルストリップのプラグインを使うと、これ1つでハイカットやローカット、EQ、コンプ、エキスパンダーまでできるのでとても便利です!!是非使い方を覚えて活用してくださいね♪
SSL 4000 Collectionとは
SSL(Solid State Logic)はイギリスオックスフォードにあるミキシングコンソールを作っているメーカーで、WavesからでているこのプラグインはSSLが開発した4000シリーズをモデルにして作られたプラグインです。
チャンネルストリップとは
よく皆さんがスタジオで目にするミキシングコンソールはたくさんのフェーダーやツマミが並んでいますが、チャンネルストリップとは、その中の1チャンネルのみを抜き出したものです。
この1列に「フィルターやEQ、コンプ、エキスパンダー」が並んでいます。
今回紹介するSSL 4000のチャンネルストリップは、この1つのチャンネルを扱うプラグインだということをまず確認して使い方に進みましょう。
SSL 4000 Collecitoinでは2種類のコンソールを使える
WavesのSSL 4000 Collectionでは、4000シリーズのうち「4000E」と「4000G」という2種類のミキシングコンソールを使用することができます。
SSL 4000E と 4000G
SSL 4000 E | SSL 4000 G |
SSL「4000E」と「4000G」の機能の違い
SSLシリーズではEQのQ幅(EQのかかる帯域の幅)を設定できますが、2つのモデルではこのQ幅の動きが異なるという違いがあります。
4000EのEQ
4000Eでは、みなさんが普段よく使うEQと同様に、ゲインを変化させてもQ幅が変わりません。
4000GのEQ
一方で、4000Gの場合、ゲインが高いほど鋭く、低いほどゆるやかに自動的に設定されます。
フィルターの使い方
「FILTERS」では、皆さんがよく使う「ローカット」と「ハイカット」のフィルターを使用できます。※「SPLIT」ボタンについてはあとで説明します。
ローカットフィルター
ローカットフィルターでは、指定された周波数よりも低い周波数をカットします。
ハイカットフィルター
ハイカットフィルターでは、指定された周波数よりも高い周波数をカットします。
EQの使い方
続いてEQの使い方です。
4つの音域別に設定
EQの設定は音域別に「HF(high frequency)」、「HMF(high middle frequency)」、「LMF(low middle frequency)」、「LF(low frequency)」、の4つに分かれています。
4つの音域
|
周波数とゲインの設定
「dB」と書かれたノブでゲインdB(カットやブースト量)を設定、「kHz」と書かれたノブで周波数を設定します。
HFとLFはシェルビング or ベル(ピーキング)を切り替えられる
HFとLFでは、EQのタイプをデフォルトのシェルビングからベル(ピーキング)タイプへ切り替えることができます。
ベルタイプを使用するには「BELL」を点灯させましょう💡
HMFとLMFではQ幅を変えられる
HMFとLMFではQ幅を変えることができます。Q幅は、時計回りに回す程ゆるく、反時計回りに回すほど鋭くなります。
4000Gでは4000Eに比べ、低いゲインではこのQ幅がよりゆるやかな傾向があります。
「DYN S-C」と「FLT Dun S-C」
4000Eでは「DYN S-C」、4000Gでは「FLT DYN S-C」というボタンがあります。
DYN S-C(4000Eのみ)
「DYN S-C」をONにすると、フィルターとEQをコンプレッサーに送って、シンプルなディエッサーとして機能させることができます。
FLT DYN S-C(4000Gのみ)
「FLT DYN S-C」をONにすると、フィルターをコンプレッサーに送って、シンプルなディエッサーとして機能させることができます。
バイパスボタン
「BY PASS」ボタンがONになっているとEQがバイパス(無効)になります。
コンプレッサーの使い方
コンプレッサーは右上の3つのつまみで操作します。
レシオの設定(比率)
レシオで圧縮する割合を決めます、「∞」にするとリミッターになります。
例えばつまみが3であれば「1:3」のように設定されます。
スレッショルドの設定(db)
スレッショルド(閾値)の設定をします。コンプとして使う場合、ノブを右に回して0dbよりも小さい値で使用しましょう。よく見ると小さな「-」が付いています。
アタックの設定(ms)
「F.ATK」と書かれたスイッチが左になっているとファストアタック、つまりアタックが早くなります。スイッチが右側に押されている状態(初期状態)ではアタックが自動設定になります。
F.ATKではアタックタイムは1msになります。
リリースの設定(ms)
リリースの速さを設定してます。ノブの数値では「0.1ms」から「4ms」まで設定することができます。小数点が見づらいので注意してください。
ゲート・エキスパンダーの設定
エキスパンダーは赤枠部分で設定することができます。
ゲート・エキスパンダーとは
ゲート・エキスパンダーとは、スレッショルドを下回った音を圧縮してさらに小さくする、まさにコンプレッサーの逆の働きをするエフェクトです。主にノイズ除去に使用します。
ゲートのON/OFF
ゲートをONにすると、スレッショルド以下の音をガッツリと強く圧縮します。
ゲートをONにするには、「GATE」と書かれたボタンを押して有効にします。緑色のランプがついている状態がゲートがONになっている状態です。
スレッショルド(db)
ゲート・エキスパンダーでは、スレッショルドを下回る音を圧縮して小さくします。
たとえば音源中にあるノイズのみを除去したい場合、ノイズの最大音量が-25dbであれば、スレッショルドはこれよりも大きい値、例えば-24db程度を設定しましょう。
レンジ(db)
「RANGE」はレシオに似ていますが、圧縮比ではなく、何dB圧縮するかを設定するので注意しましょう。
リリースタイム(ms)
スレッショルドを下回った音は、リリースタイムの時間を使って目的の圧縮比に少しずつ圧縮されていきます。設定できる値は「0.1秒」〜「4秒」と長めで、単位はmsではないので注意しましょう。
リリースタイムは不自然にならないよう、音がなめらかに繋がるように設定するのがポイントです💡
※コンプレッサーのアタックタイムに相当する設定で、紛らわしいので注意しましょう💡
アタックタイム(sec)
スレッショルドを上回った音は、アタックタイムの時間の時間を使って、少しずつ圧縮が解消されていきます。
こちらもコンプの項目と同様に「F.ATK」のスイッチが左側になっているとアタックタイムが最速の1msになり、右側だと自動設定になります。
特にノイズ除去の用途では最速にしておくのがおすすめです。
コンプレッサー・エキスパンダーのバイパス
「BY PASS」ボタンを押して、赤色に点灯している状態ではコンプレッサーとエキスパンダーはバイパス(無効)になります。
ルーティングの設定
SSL4000では「コンプ・エキスパンダー」「フィルター」、「EQ」の3つのセクションに音がどのように通過していくか順番を設定することができます。
初期設定
初期状態では「コンプ・エキスパンダー」→「EQ」→「フィルター」の順に音が通過します。
「CH OUT」をONにする
画像中黄色枠「CH OUT」ボタンをONにすると順番がこのように変わります。
「EQ」→「フィルター」→「コンプ・エキスパンダー」
「SPLIT」をONにする
「SPLIT」ボタンをONにすると、音の流れは次のようになります。
「フィルター」→「コンプ・エキスパンダー」→「EQ」
「SPLIT」と「CH OUT」両方をONにする
「SPLIT」、「CH OUT」の両方をONにすると流れは次のように変わります。
「フィルター」→「EQ」→「コンプ・エキスパンダー」
マスターセクションについて
最後に、マスターセクションを見ていきましょう💡
位相反転(フェイズリバース)ボタン
フェイズリバースボタンをONにすると波形の位相を反転することができます。
アナログモード
「ANALOG」がONになっていると、実機特有の微量なノイズを加えることができます。
インプットトリム
チャンネルに入力する音量を調節することができます。元の音量が大きすぎる、小さすぎる場合はここで±18dBまで調節することができます。
インプット・アウトプットボタン
レベルインジケーターに「インプットの値」か「アウトプットの値」どちらを表示するかを設定します。オレンジ色に点灯している方が表示されています。
実際に使ってみた感想 まとめ
まず、実機を使ったことのある方はもちろん、そうでない方も直感的に簡単に扱うことができるプラグインです💡
この1つのプラグインでフィルターやEQ、ダイナミクス系まで全てを網羅してくれるので、DAWで使用するプラグインの数を減らせることも大きなメリットですね💡
作りがしっかりしているので、設定も今回紹介した使い方を見ながら使用すればすぐに実践で使用できます💡とても便利なプラグインなので是非一度使ってみてくださいね^-^ノ