CubaseなどのDAWでエフェクトプラグインを使用する場合、INSERT(インサート)とSEND(センド)の2つの使用法があります。
プラグインを使用するだけなのになぜ2種類の方法があるのでしょうか(?)今回はINSERTとSENDの使い分けについて紹介していきます。
INSERT(インサート)とSEND(センド)とは
INSERTとSENDの違いを実機のミキサーを例に表すと、
という違いがあります。
DTMでは、これらをソフト上で行ってしまおう!ということなんですね💡
INSERTとは?
INSERTでプラグインを使用していくと、プラグインを重ねるごとに元の音がどんどん加工されていきます。
INSETでプラグインエフェクトをかける場合の流れ
INSETを使用する場合は次のような流れでエフェクトがかかっていきます。
この例では、
という流れを経てマスターへ送られます。
こんな場合はちょっと無理がある!?
先程の例であれば、特に問題なく使用することができるのですが、こちらはどうでしょうか?
リバーブのかかった音にさらにリバーブが繰り返し掛けられてしまっていますね?
これでは「もわもわ」になってしまったり、問題が生じることがあります💡
こんなときは、次の「SEND」を使えば解決です💡
SENDとは?
SENDを使用してエフェクトをかけることで次のように解決することができます。
SENDでは並行してエフェクトをかけられる!
SENDを使用してエフェクトを掛けると、送り元の音は変化させず、SENDで送った音にエフェクトを掛けて、それを元の音とどの程度混ぜるかで音を編集することができます。
そのため、空間系のエフェクトではSENDを使用したほうが良いと言われています。
SENDを使用したほうが良い場合
先程のリバーブのように、重ねがけを避けたいエフェクトにはSENDを使用します。SENDを使用した方が良い例を掲載しておきます。
リバーブを複数使う場合
これは先程紹介した例です。複数のリバーブ、例えばホールタイプとプレートリバーブであったり、このサイトで紹介している《プリディレイ計算機》によって算出された値で6つのリバーブを使用する場合にもSENDを使います。
ただし、プレートリバーブはあくまで音作りとして使用するので、プレートリバーブをINSERTで使用して、ホールタイプをSENDで使用するという使い方は問題ありません。
リバーブとディレイを使う場合
ディレイは特殊効果として使用するので、空間づくりのためのディレイをリバーブに送ったり、反対にリバーブのかかった音をディレイに送るともやもやになることがあります。
もちろん、こういった使い方をすることも多々あるので「音作りの目的」で使用する場合はディレイをリバーブに送ることも全く問題ありませんよ💡
音の補強としてSENDに送る使い方
例えばよくあるのはキックドラムの音をSENDで送り、送り先のみにEQやコンプ、倍音付加のエフェクトを掛けて合わせるという使い方があります。
この方法は元音のイメージを残しつつ迫力や繊細さを足すことができ、キックドラム以外にもあらゆる楽器で効果のある編集方法です。
同じエフェクトを数トラックにかけたい場合
例えば、1つのプレートリバーブの設定を複数のボーカルトラックに使用したい場合など💡
各トラックにリバーブプラグインをINSERTするよりも、複数のボーカルトラックをSENDで1つのトラックに送った方が使うプラグインが少なくて済み、CPUの負荷も少しだけ抑えることができます💡
まとめ
SENDを上手に活用するとミックスの技術も格段と上がります。INSERTとSENDの元音の変化の違いに注目しながら目的の音に仕上げてみてくださいね^-^ノ