DTMで純正律を使うメリットとその方法をCubaseを使って解説

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CubaseではMIDIを純正律で演奏する「Hermode Tuning」という設定があります。今回はHermode Tuningの使い方と平均律と純正律の違い、そしてDTMで純正律を使うメリットについても簡単に説明していきます。

平均律とは

 平均律とは1オクターブを均等に12音に分割した音階で、均等に分割しているのでどの調に移調してもそれぞれの音の関係が保たれるという特性があります。

 しかし、一方で平均律にはそれぞれの音同士の協和にうなりが生じてきれいな響きが得られないというデメリットもあるのです。

純正律とは

 平均律では音の組み合わせによって音が濁ってしまうので、音階上の周波数がぶつからないような比率に調整されて誕生したのが純正律です。

 純正律を使うとより美しい響きが得られるので合唱から演奏まで多くの場面で取り入れられています。

 例えばバイオリンに何故フレットが付いていないのかというと、その理由はこの純正律に対応させて演奏するためなのです。

 弦楽器だけでなく金管楽器や木管楽器の奏者も、アンサンブルをする際には純正律で音を合わせているので、MIDIでもこの響きを再現させることで生楽器の演奏に近づけることができます。

Cubaseで純正律を使ってみよう

 純正律を使うメリットがわかったところで早速Cubaseで設定をしてみましょう。

 設定は、「プロジェクト」-「プロジェクト設定」から行います。

 プロジェクト設定のウィンドウが表示されたら、「HMTタイプ」の部分に注目しましょう。

 初期設定では「なし」に設定されているので純正律に設定していきます。

HMTの各タイプについて

 純正律の設定は4種類から選択できます、それぞれについて特徴をみていきましょう。

なし

 「なし」の場合は平均律が使われます。

Reference(Pure 3/5) 

「Reference(Pure 3/5)」モードでは、3度と5度の音がそれぞれ純正長3度純正完全5度に置き換わる、つまり一般的な純正律を使いたい場合はこのモードを選びます。

Classic(Pure 3/5 equalized) ※推奨

「Clasicc(Pure 3/5 equalized)」モードでは、純正長3度純正完全5度を使用するところは先程と同じですが、例えばバイオリンなどの純正律な楽器と、ピアノなどの平均律で調律されている楽器が混同している場合、それらの楽器同士がきれいに調和するようにEQで自動修正されるモードです。

Pop Jazz(3/5/7)

「Pop Jazz(3/5/7)」モードでは、純正長3度純正完全5度自然7度を使用した調律になります。Steinbergの公表では多声音楽には向いておらず、ポップスやジャズ向きに指定されています。

Baroque(3/5 adaptive)

「Baroque(3/5 adaptive)」モードでは、純正長3度純正完全5度を使用しますが、純正度が和音の連なりに応じて調整します。名前の通り、バロック音楽の教会オルガンや声楽などの多声音楽に適したモードです。

各トラックごとに純正律を有効にしていく

 ここまでの作業ではまだ純正律は有効になっていません。有効にするためには各トラックごとに設定を行っていきます。

 設定はCubaseのインスペクタにある「MIDI モディファイアー」を表示すると、下の方に「HMT追従」と「HMT分析に使用」という項目があります。

 この2つにチェックを入れることで、このトラックは純正律に対応させることができました。

 同様に純正律を適用させたい他の全てのトラックでもこの作業を行っていきます。

 これでCubaseでの純正律の設定は完了です💡

まとめ

 平均律と純正律はほんの少しの違いですが、音楽というのは小さな違いの積み重ねで大きな差が生まれるので、作品作りのひとつの要素として、参考にしてみてください^-^ノ