以前オーケストラの楽器ごとの聴感上の音量差って何倍あるの(?)という話や、1dBの差ってどのくらいなの?という内容について記事を書いてみました。
そこで、今回は人間の聴感上の音量に近い値を示してくれる「ラウドネスメーター」を使って、実際にDTMでオーケストラを作る際にそれぞれの楽器をf(フォルテ)で何dBになるようにミックスしていくと良い結果が得られるのか、数値を公開したいと思います^-^ノ
ちなみにタイトルはオーケストラになっていますが、弦や金管、木管を使う他の曲でも参考になる内容なので是非見ていってくださいね💡
ラウドネスメーターとは
本題に入る前に、ラウドネスメーターについてあまり聞いたことがないという方に簡単に説明を書いておきます。
ラウドネスメーターは、人が周波数帯域によって感じる音量の差を考慮した音圧を示す、今ある全てのメーターの中でも最も人の聴覚に近い値を調べることができるメーターです。
通常、DTMでメーターを見る際はdBFsという絶対値を使用しますが、ラウドネスメーターではLUFSやLKFS(両方同じ)という値を使って計測します。
1LUFS(LKFS)の差は1dBの差に対応している
1LUFSは1dBに対応していて、例えば-20LUFSを1dB下げると-21LUFSになります。
なので、今回の比較でも1LUFSという聴感上の単位を使いつつも音量の差についてはdBという単位を使いながら楽器ごとのバランスを整えていくことになります。
ラウドネスについて
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ピークメーターやVU、RMS、ラウドネス計の違いについてもっと知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
各楽器の音量バランスについて
上の図は、各楽器(弦楽器はセクション)をf(フォルテ)で演奏した際の最大音量の差を表したものです。
このグラフを元に、実際にDTMの聴感上でこのような音量バランスになるようにテンプレートを作っていけば本物のオーケストラのバランスに近づけることができます。
デシベルの差による音量の差について
上の図は何デシベル違うと音が何倍違うかを表にしたものです。
この値を使って各楽器(セクション)ごとのバランスを取っていけばよさそうですね💡
各楽器のラウドネス値を測定&バランスを設定する方法
ラウドネス値の測定にはラウドネスメーターの「Integrated」を使用し、f(フォルテ)で演奏した音源を計測しながらバランスを整えていきます。
ラウドネスメーターには再生ボタンがついているのですが、Integratedには再生ボタンを押してからラウドネスメーターを通した音源全体のラウドネス値が表示されます。
1つの音源の測定が終わったらラウドネスメーターのリセットボタンを押すのを忘れないようにしましょう。
ちなみに測定する楽器は音が大きい金管から測定して、その値を基準に小さな木管楽器などを合わせていくのがおすすめです。
※音の小さい楽器を基準に合わせていった場合、もし音の大きな楽器を合わせる際に0dBを超えてしまうと全て調整し直しになってしまうため。
音量バランス設定値の例
上の画像は金管楽器を-28LUFSとして他の楽器の音量バランスを調整した例です。
ラウドネスでちょうどこれくらいの音量だとオーケストラの演奏が盛り上がってきても全体でピークを超えることがないのでおすすめです。
まとめ(バランスをとるコツについて)
バランスをとるコツ
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DTMには様々なメーターがありますが、今回はラウドネスメーターを使用してDTMでオーケストラの楽器バランスを調整する方法について書いてみました。
オーケストラに限らず、楽器の音量バランスをどのくらいにしたら良いの(?)と悩んでいた方は是非参考にして調整してみてくださいね^-^ノ