ここ数年でオーケストラの音源も種類が増えてきたので選ぶ楽しみがでてきましたね💡
今回はそんな中でもVIENNAの音源に絞って、VIENNA音源をより綺麗に演奏さえるためのソフト「VIENNA INSTRUMENTS PRO」の使い方を紹介していきます^-^ノ
VIENNA INSTRUMENTS PRO とは
VIENNAの音源を再生するためのエンジン(ソフト)は「VIENNA INSTRUMENTS」というもので、音源を購入すると無料のものが付いてきます。
これとは別に、エンジン単体で販売されているより高度な演奏が出来るように機能が追加されているものが「VIENNA INSTRUMENTS PRO」です💡
VIENNAの各種ライブラリに入っている音源はスタジオで録音された、ただの音情報ですが、それをより本物らしく聴かせてくれるソフト(エンジン)を使いこなすことが制作する上でクオリティを上げるためにとても重要になってきます!
エンジンが進化しているのでVIENNAの音源自体は古くとも性能はどんどん向上しています。
続いてはそんなVIENNAエンジンの使い方&便利な機能について見ていきましょう💡
トラックを節約できるキースイッチを使いこなそう!
楽器の演奏中、レガートやスタッカート、トレモロやピチカートなど様々な「アーティキュレーション・奏法」を使用したい場合、本来であればその奏法の数だけトラックを用意しなければならなりません。
それを、1トラックの中でスイッチを使って切り替えて、使用するトラック数を減らそう!というのがキースイッチの役割です。
この機能は最近の多くの音源にも搭載されています、便利なので覚えておきましょう💡
マトリクスについて
①のマトリクス(マス目)には奏法の種類が記載されています。画像では「pLeg(レガート)奏法」が選択されています。
マトリクスには縦と横があり、それぞれ切り替え方法が異なります。
横のマス(右や左)へ移動して切り替えたい場合
初期状態では、横のマスへ移動したければ②の鍵盤が青くなっているところにスイッチが割り当てられています。
鍵盤一つ一つにこのマスが指定されていて、キースイッチで割り当てられた鍵盤を押せば指定されたマスへ横移動することができます。
縦のマス(上や下に)へ移動したい場合
縦に移動したい場合は初期状態ではモジュレーションホイールによって移動することができます、
図では③の場所に4つ区切られた部屋があって一番左側になっていますね、この4つの部屋はそれぞれ縦の4マスに対応していて、モジュレーションを動かすと黄色いボールのようなものが移動するとともにマスの方も連動して切り替わります。
とりあえずモジュレーションを動かしてみて試してみてください。
ちなみに縦移動も②と同様に鍵盤に割り当てることもできます(縦マス移動のキースイッチは緑色で表示されます)。切り替えたい時は③の右の方にある「CC1」と書かれたところをクリックして「Keysw」に切り替えれば設定完了です。
マスのサイズを変更して増やすこともできる
このマス目は、マス目の一番右下をクリックしながら大きさを変えることが出来、最大12×12マスまで広げることができます。
VelX(ベロシティクロスフェード)について
楽器は弱く演奏すれば弱々しい音色になり、強く演奏すれば力強い音色になります。
音量の強弱ではエクスプレッション(ボリュームのようなもの)を使って常に変化させることによって抑揚を付けることができますが、それはあくまで音量をコントロールしているだけなのでこの方法ではベロシティによる音色の変化を付けることはできません。
通常ベロシティというと鍵盤を押した瞬間の強さによって最初に決まってしまうものですが、実はVIENNAではCC2にベロシティクロスフェードという機能を割り当てることによって実際の楽器と同様にロングトーン(1つのノートで長くのばした音)の中でベロシティの強弱を付けることができます。
ベロシティクロスフェードをONにする
ベロシティクロスフェードをONにしてみましょう。各レーンの下の部分が「Velocity X-Fade」になっていて、それを上の部分「CC2」コントロールするようになっていて、なおかつ「on」のボタンが青くなっていればベロシティクロスフェードが使用できる状態です。
VIENNA音源のプリセットによってはこの項目が表示されていないものもあるので、その場合は一覧から選択して表示しましょう。
あとはホスト側のDAWソフトでCC2にオートメーションを書けばOKです。
こんな感じで書いてあげるとそれらしくなります
VIENNAでの演奏例を聴いてみたい方は下の記事にてSolo Violin 2 のレビューを掲載しているのでそちらをご覧ください。
SlotX機能について
VIENNAではスロットというものが付いていて、それらを適宜クロスフェードすることができます。VelXの手動奏法版といった感じでしょうか、ノンビブラートからビブラートへ1ノートの中で変化させる場合なんかに使います。
SlotXを使用する
①が音源のスロット(奏法を設定する枠)です、この画面は「Advancedタブ」から表示できます。スロットにはAとBがありそれぞれに好きな奏法を割り当てて使用します。
奏法を追加する場合には右側「PATCH」画面から好きなものを選んで、そこから直接スロットの枠の中へドラッグアンドドロップで追加しましょう。
AとBそれぞれの奏法をクロスフェードするには真ん中にある丸印がXになっている必要があります。(①)
SlotXをCCに割り当てる
これら2つの奏法のCCに割り当てて切り替えていきましょう。今回はCC1(モジュレーション)に割り当てています。
VelXと同様にこちらも先ほどと同じように設定を行っていきましょう。下の部分から「SlotX-Fade」を設定して上の部分では「CC1」を選択すればOKです
※SlotXでCC1を使用する場合は先程「キースイッチで縦のマスを移動する」の部分で書いたように、縦のキースイッチの切り替えを「CC1」から「Keysw」に切り替えておきましょう。
そうしないとマトリクスの方でも奏法が切り替わってしまって大変なことになります^-^;
さっきのMIDIトラックにモジュレーション(SlotX)も追加するとこんな感じになります。今回は「ノンビブラートのパッチ」と「ビブラートありのパッチ」を使い分けてビブラート部分をモジュレーションでコントロールしてみた例です。
ヒューマナイズ機能
人間の演奏は機械のように毎回同じ音が同じ音程で綺麗になるわけではないので、綺麗に演奏し過ぎるのもまた人間の耳には不自然に聞こえてしまうようです。
そこで、敢えて人間が演奏したかのように毎回ランダムで違う音を出すリピテーションという機能や、正しい音程に到達するまでのピッチのずれ、タイミングのズレなどを細かく調整することができます。
タイミングのズレは、僕の場合クオンタイズは使用しないで自分でタイミングを決めているので基本的にOFFにして使っています。
上の図の場合、初めはやや上がった音程から正しい音程に修正して発音されるというヒューマナイズ機能です。
これらの数種類のパターンがランダムに適用されることで機械的でない自然な演奏に近づくという仕組みになっています。
ヒューマナイズで設定できる項目
ヒューマナイズでは次の項目を設定することができます。いづれもあまりずれ幅を大きくしすぎるとただの下手な演奏になってしまうので気をつけてくださいね^-^;
Dly
タイミングのズレ幅を設定します。実際の人間の演奏でも数人で演奏すると10ms(1/100秒)程度の誤差が生じるそうなのでそのあたりを目安に。
Tun
音程のズレ幅を設定します。バイオリンなどの弦楽器は特に、はじめに大体この辺りかな(?)と感覚で指をおいて、その後出た音を元に耳でチューニングを行って正しい音程に合わせるので、結構ズレが生じます。管楽器などでも同じです。
Hmz
上の2つの影響量を総合的に調節できる、マスターフェーダーみたいなものです。
Tunの詳細設定について
Finding Tune
これはランダムに始めた音から正規の音程を探しながら演奏を行っていくモードです。
Fall to Tune
正規の音程よりも高い音程から始まるモードです。
Fall
正規の音程から始まってなぜか音程が下がっていってしまうという謎なモードです。
Rise to Tune
正規の音程よりも低い音程から始まるモードです。
Rize
こちらも、正規の音程から始まってなぜか音程が上がっていってしまうモードです。
Out of Tune
全く音程が合わないモード。(音痴演奏!?)
まとめ
今回はVIENNA INSTRUMENTS PROの便利な機能について紹介しました。今回紹介した以外にもたくさんの便利な機能があるので皆さんもいろいろ使って試してみてくださいね^-^ノ
ちなみに後日「VIENNA INSTRUMENTSでEQを使う方法」について書いてみました、記事はこちら↓