ギターとバンジョーとフラットマンドリンどれが一番難しい?習得時間は?全部やってそれぞれの得意&不得意を徹底分析!ブルーグラス・カントリーミュージック向け!

 アコースティックギターバンジョーフラットマンドリンの中でどれか1つを始めるならどれが一番簡単?どれが一番難しい?それぞれの得意・不得意なことはどんなこと?

 アメリカのブルーグラスカントリーミュージックが好きでこれらの楽器を始めたいと考えている方にとって、これらの楽器すべてが魅力的でどれを始めたらいいかなかなか決められない!という方も多いのではないでしょうか💡

 今回は実際にこれら3つの楽器を実際に購入して徹底的に弾き込み、それぞれに簡単だったところ、難しかったところ、得意や苦手だと思った点について紹介していきます^-^ノ

 これからどれを選ぼうか考えている方は参考にしてみてくださいね💡

ギター・バンジョー・マンドリンそれぞれの得意&不得意一覧はこちら!

 今回はブルーグラス音楽に絞って、それぞれの楽器をソロ(リード)バックアップ(伴奏)の練習を行い、それぞれにこれは簡単!得意!という点や、これはちょっと大変かも!という点をまずは表にまとめたのでまずはこちらをご覧ください💡

 アコースティックギター
(6弦)
5弦バンジョー
(4+1弦)
フラットマンドリン
(8弦=4コース)
総合難易度

★★★★★

★★★☆☆

★★★★☆

弦のテンション
(押さえやすさ)

慣れるまではちょっと痛いかも?


かなりやわらかい!押さえやすくて最高!


テンションが強く
最初は指が痛い
ピッキングの
難易度

すべての基本であり
The 基準


スリーフィンガー(3本指)ピックスタイルは意外と簡単


トレモロ奏法でピックが引っかからないよう練習がちょっと大変
ソロフレーズ
(速弾き)


弦本数が多く移動が多いため速弾きは難しい


フィンガーピックの特性上難しい


5度調弦なので
早いフレーズが驚くほど簡単

ソロフレーズ
(アルペジオ)

長い練習期間が必要

アルペジオを含む早いソロフレーズは簡単


意外と簡単

伴奏


伴奏はやっぱりギターが最も簡単


ソロの譜例は多いものの
伴奏譜例が少ない

リズムがメインで意外と簡単
指板の音を
覚える
×
6弦と本数が多く、何の音か覚えるまで時間がかかる
(コードパターンが多い)

指板の音を覚えるのはバンジョーが最も簡単
(コードパターンも少ない)


5度調弦なので音の位置は簡単
(コードパターンも少ない)

フレットの
大きさ


幅が広くて押さえやすい
反面、指を開くフレーズはちょっと大変


幅が広くて押さえやすい
たまに指を開くフレーズもあり


小さくて最初は大変と思いきや意外とすぐ慣れる

楽器の重さ
2kgくらいで長時間でも疲れなかった
×
6Kgくらいあって長時間演奏するとどっと疲れる


空気みたいに軽い!全然肩がつかれない

チューニング
簡単に合わせやすい


一度合わせれば、ずれにくく合わせやすい


ペグが小さく、微調整が難しい+弦の本数多い

移調


カポを使えば簡単


専用のカポ(特に5弦カポ)の取り付けが面倒
(ネジ止めや釘式など)


カポを使えば簡単

メンテナンスの
難易度

情報も多く構造も単純で簡単


ブリッジが固定されておらず、弦の張替えの度に調整が必要で難易度高め


こちらもブリッジが固定されておらず、弦も8本あり張替えや調律が面倒

教本の入手
難易度

日本語の教本が多数発売されている

日本語の書籍が少なく
本格的な教本は海外から洋書を取り寄せる


日本語の書籍が少なく
本格的な教本は海外から洋書を取り寄せる

維持費
弦の交換が2週間に1回
(1200円程度)
10年以上使ったらフレットやネックの調整がおすすめ

弦の交換が1ヶ月に1回
(1200円程度)
10年以上使ったらフレットやネックの調整がおすすめ


弦の交換が2週間に1回
(1200円程度)
10年以上使ったらフレットやネックの調整がおすすめ

購入費用の目安100,000円以上
であれば安心
60,000円以上
であれば安心

40,000円以上
であれば安心

一通りの技術を習得までの期間
(最短目安)
12ヶ月で大体できる
伴奏だけなら6ヶ月
覚えることが多い
(毎日2時間以上)
3ヶ月で大体できる
(毎日2時間以上)

3ヶ月で大体できる
(毎日2時間以上)

アコースティックギターの得意・不得意な点とは!?

 まずは皆さんに最も馴染みのあるアコースティックギターから、バンジョーやマンドリンと比較して特に得意・不得意、習得の簡単な点や難しい点について見ていきましょう💡

(1)アコースティックギターの得意&習得が簡単な点!

 アコースティックギターといえばやはり弾き語り!弦が6本と豊かな表現力を持つアコースティックギターはブルーグラスでも弾き語りをやるなら最高の選択となります💡

 ギター1本でオルタネイトベースから和音で「コード・リズム・ベース」3つの要素をすべて奏でられるので1人でブルーグラス弾き語りを楽しみたい!という方はギター1択です💡

情報が多く、メンテナンスもしやすいので弦楽器未経験者におすすめ!

 アコースティックギターといえば、日本全国どこの楽器店に行っても必ず置いてあるほどメジャーな楽器!そのため、情報が多く、弦楽器は初めてという方が最初に触れて構造を学ぶのにも最適です💡

POINT!

  • 弾き語りならアコースティックギター1択!
  • 日本国内で情報も多く、楽器にあまり触れたことの無い方におすすめ!

(2)アコースティックギターの不得意&習得が難しい点!

 元々、ブルーグラスが誕生した初期の頃、アコースティックギターがリードを演奏する機会はほぼありませんでした。

 実際にやってみると、マンドリンで簡単に演奏できる速いフレーズをギターで同じように演奏するのはかなり大変だということがわかりました💡

弦の本数が多いのでどこを押さえれば何の音が鳴るのか覚えるまでに時間がかかる!

 ギターの最大の難関といえば、やはり音を覚えること!これが想像以上に大変で、音の場所を覚えなければもちろんアドリブもできません。

 また、アコースティックギターはボディが分厚く、練習時にはほぼ指板を見ることができない状態で6本の弦のどこを押さえているのか把握しなければならず軽快なソロフレーズの演奏を楽しめるようになるには、かなりの練習量をこなす覚悟が必要です💡

チューニングが「4度」と「3度(2~3弦)」で弦の移動が多いところも速いフレーズを弾くのに不利!

 ギターは基本が4度チューニングで、2弦と3弦の間は3度チューニングという変則的なチューニングになっています。

 そのため、「ドレミファソラシド」と簡単なフレーズを弾くために最少でも3本、運指によっては4本の弦を移動しなければならず、弦の移動が多いので速いフレーズを弾くためには少し不利な構造をしています。

 ※ちなみにマンドリンは5度調弦なので最少2本で1オクターブの演奏が可能💡

POINT!

  • アコギで速いフレーズやアルペジオを習得するのはかなり難しい!
  • 弦の本数が多く、指板をほぼ見ずに練習を進める必要がある!
  • ブルーグラス独特のソロフレーズをいち早く演奏したいならバンジョーかマンドリンを選ぶほうが楽しめる!
  • フレーズの速弾きならマンドリンの方がおすすめ!

バンジョーの得意・不得意な点とは!?

 続いて、3本指で演奏する「スリーフィンガー奏法」が特徴なバンジョーについて💡アコースティックギターやマンドリンと比較して特に得意・不得意、習得の簡単な点や難しい点について見ていきましょう💡

(1)バンジョーの得意&習得が簡単な点!

 バンジョーは、他のギターやマンドリンと違い、金属製のフィンガーピックを指にはめて3本指で演奏を行うため、なんと言ってもアルペジオフレーズがとっても簡単!

5弦バンジョーは実質4弦の音の位置だけ覚えればOK!

 あれっ? ブルーグラスで使うバンジョーって5弦ありましたよね?

 でも、実は5弦(G音)についてはほぼ指で押さえることはなく、開放弦のまま鳴らして使用するのです💡

 ということで、実際に指で押さえる覚えるべき音は1〜4弦の4本だけ!

 覚える音がギターよりも2本分も少なく、体感上かなりのスピードでメキメキと上達していくのが楽しめる楽器といって間違いないでしょう💡

バンジョーは弦のテンションが弱くてとっても押さえやすい!

 弦楽器といえば、最初指が慣れるまでは弦を押さえる指が痛くなってつらい!という修行を乗り越えるのが定番の流れですが、バンジョーならそんなことは一切なし💡

 バンジョーという楽器は弦のテンションが低くと〜〜っても弦がやわらかいのです!

 だから初日の練習の辛さが他の弦楽器とは比べ物にならないくらい楽!

POINT!

  • 速いアルペジオフレーズを演奏したいならバンジョーが最適!
  • 跳躍進行のメロディが得意!
  • 実質弦4本上の音配置を覚えればよいので体感上かなり簡単!
  • 弦のテンションが低くて指が痛くなりにくい!

(2)バンジョーの不得意&習得が難しい点!

 アルペジオや跳躍進行の速いメロディは得意なバンジョーですが、「ドレミファソラシド」と半音全音が続く速いメロディはちょっと苦手!

 ハンマリングやプリングオフ、メロディックスタイルと組み合わせることで演奏も可能ですが、基本はアルペジオの中にメロディを混ぜることでバンジョーの良さが生まれるもの💡

 バンジョーならではの演奏スタイルでメロディーを奏でると楽しめます💡

重量6~7kg!意外に重たく長時間練習すると肩が疲れる!

 演奏しているととても楽しいバンジョーですが、意外に重量があり長時間練習を続けると肩が凝ります・・・。

 解決策としては、体幹を鍛えたり、クッションの柔らかいバンジョーストラップを購入すること💡

POINT!

  • マンドリンのような順次進行の速いフレーズはちょっと苦手!(やればできる)
  • 楽器本体がとっても重い!練習の際はクッションの良いストラップを選んで!

マンドリンの得意・不得意な点とは!?

 最後に、3つの中で最も小さなフラットマンドリンについて💡アコースティックギターやマンドリンと比較して特に得意・不得意、習得の簡単な点や難しい点について見ていきましょう💡

(1)フラットマンドリンの得意&習得が簡単な点!

 マンドリンは弦が8本ありますが、実際には「2本セット」が「4つ」なので指板の音は4弦分のみ覚えればOK💡

 また、マンドリンはバイオリンと同じくチューニングが5度調弦になっていて、弦の移動が少なく、効率よく速いフレーズを簡単に弾ける構造になっています💡

 そして、この5度調弦というチューニングが規則的で、音の位置を覚えるのも本当に簡単!よく考えられて作られているんだなと改めて感心💡

運指がとっても楽!ギターであんなに苦労したフレーズがこんなに簡単に弾けるの!?

 ブルーグラス音楽といえば、とにかく速いアドリブの効いた速いフレーズが特徴で、このフレーズをギターで演奏しようとすると弦があっちこっち飛んだり結構大変なんですよ💡

 でも、マンドリンで同じフレーズを弾いてみると?

 こんなに簡単に弾けるの!?と驚くほど運指が楽

 これならブルーグラスアレンジでソロ演奏したい人はギターよりもマンドリンを選んだほうが早く楽しめるんじゃないの?と思いました💡

POINT!

  • 5度調弦のマンドリンならブルーグラスならではの速いソロフレーズが簡単に弾ける!?
  • 5度調弦の弦楽器は音の配置を覚えるのが簡単だった!
  • すでにギターでブルーグラスに挑戦していて挫折しかかっていたらマンドリンに転向するのも検討の余地あり!

(2)フラットマンドリンの不得意&習得が難しい点!

 マンドリンは弦が2本で1セット

 ・・・ということは、一度に2本の弦を押さえなければならず、弦のテンションも2倍!

 一般的なアコースティックギターと比較してもかなり力が必要で最初はとてもきつい!

Yugo
Yugo

弦を細いもの(Light弦)に変えたり、弦高を下げることでかなり弾きやすくなるけどカスタマイズも結構大変💡

トレモロ奏法が難しい(というより相性の良いピック探しが大変)?

 マンドリン独特のトレモロ奏法を綺麗に鳴らせるようになるためには練習が必要で、また、ピックによってもやりやすいもの、やりにくいものがあったり、使う人との相性もあるため使いやすいピックを探すのが大変かもしれません💡

 ある人はブルーグラス用の2mmの分厚いトライアングル型、ある人はべっ甲製のラウンドマンドリン用のピック、ある人はウルテム製のピックなど、様々なピックを使っています💡

 いろいろ試して相性の良いものを見つけることで格段に演奏しやすくなります💡

POINT!

  • 2本セットの弦はテンションが強く、押さえるのが大変!最初は指が痛くなる!
  • トレモロ奏法は相性の良いピックを早めに見つけるのが上達のポイント!

ギターとバンジョーとフラットマンドリンどれが一番難しい?のまとめ!

 アコースティックギター5弦バンジョーフラットマンドリン
1人で
弾き語りなら

オールマイティ性がある
(その分難易度も高い)

(できることが多い分、練習量も多い)


(特化型という感じ)


(比較的容易)
ソロ演奏で
ブルーグラス
っぽい

速いフレーズ
簡単


(練習がハード)


(跳躍するメロディは◯)

アルペジオ
簡単


(練習がハード)

ブルーグラスっぽさを手っ取り早く

 今回、アコースティックギター、バンジョー、フラットマンドリンの3つでブルーグラスの練習を行ったところ、個人の実体験として弦の本数が多く自由度もあり、できることが多いアコースティックギターが最も習得に時間がかかり、難易度も高いかなと思いました💡

 といってもバンジョーはバンジョーで難しい技もありマンドリンも大変な部分があったり、それぞれにこれは簡単、これは難しい、というように得意不得意があり一概に比較するのは難しいですね💡

 1番好きな楽器が決まっていれば、もちろん好きな楽器を選ぶべきですが、なかなか選べないという方には今回の比較が参考になればと思います^-^ノ