和声法(第1転回形の配置)

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 今回は和声法の第1転回形の使い方について書いてきます。

 第1転回形といっても、前回までの基本形についてきちんと理解しておけばそんなに難しいことはありません^-^ノ気軽に学習していきましょう。

 基本形に自信がない方は先にこちらをご覧ください。

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第1転回形とは?

 それでは、第1転回形とは何か見ていきましょう。

第1転回形とは

  • 和音の第3音がバスになったもの

 つまりCの和音「C D E」であれば、Eがバスになったものを第1転回形といいます。

 第1転回形の表記は、和音記号の右上に「1」をつけてI1のように表しましょう。

配置の方法と機能

 第1転回形では主要3和音と副3和音で配置方法が異なります。

主要3和音(I、IV、V)

ハ長調ではC、F、Gが主要3和音となります。

副3和音(III、III、VI、VII)

ハ長調ではDm、Em、Am、Bm-5が副3和音となります。

① 主要3和音(I、IV、V)のルール

 主要3和音が第1転回形になったときの配置のルールと和音機能をみてみましょう。

主要3和音-第1転回形のルール

  • 上3声には第3音を含めない。特にVの導音の重複には注意。
  • 上3声の構成音は、根音が2つと第5音が1つ、または根音が1つと第5音が2つ。
  • 転回しても和音の機能はそのまま受け継がれる。

上3声には第3音を含めない

 和声法では第3音が重複するとキャラクターが強くなりすぎるという話がありました。

 第一転回形ではバスに第3音がくるため、上3声から第3音を省きましょう。

上3声の構成音は「根音2つ-第5音1つ」or「根音1つ-第5音2つ」

 第3音を省略するので、代わりに重複する音が出てきます。ということで、根音か第5音のどちらかを2つに重複しましょう。

転回しても和音の機能はそのまま

 例えば、Cは基本形ではトニックの機能を持っていますが、第1転回形になっても機能はトニックのままで変わることはありません。

② 副3和音(II、III、VI、VII)のルール

 次は副3和音が第1転回形になったときの配置と機能についてみていきます。

副3和音-第1転回形のルール

  • 上3声に第3音を含める。※間違えやすいポイントなので注意!
  • IIIの第一転回形はドミナント機能になる。
  • II、VI、VIIは第1転回形になっても機能は変わらない。

上3声に第3音を含める

 先ほどとは違い、副3和音の第1転回形では上3声に第3音を含めます。

 つまり声中に第3音が重複しても良いということになります。

IIIの第1転回形はドミナント機能になる

 IIIの第1転回形では、バスが属音(ハ長調ではG)になるため、ドミナント機能になるので気をつけましょう。

II、VI、VIIは第1転回形になっても機能は変わらない。

 II、VI、VIIは第1転回形になっても和音機能は変わりません。

 例えばDmの基本形はサブドミナントですが、第1転回形になっても機能はサブドミナントのままです。

まとめ

 第1転回形での和音の連結については、前回までの基本形のルールがそのまま適用されるので、特に難しく考える必要はありません。

 第1転回形では、キャラクターの強い第3音がバスになる、ということを頭の片隅に置いておきましょう。

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