和声法の禁則はなぜいけないのか? 禁則を使ってはいけない理由をまとめてみた(並達・連続)編

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 和声法では並達(並行と同じ)や連続などの禁則がありますが、禁則を使うと何がいけないのでしょうか?

 今回そんな禁則について、実際に禁則の音を公開しつつ、使ってはいけないとされる理由をまとめてみました。

 禁則の理由を再確認して、ついでに禁則の音も覚えてしまいましょう💡

実際に音を聴いて確認してみよう♪

 何はともあれ実際に音を聴くのが一番わかりやすいと思うので並達と連続の禁則例をいくつか録音して世界初の禁則音楽博物館を作ってみました。 入館料無料です♪

 それではみなさんの天敵、禁則の音を耳を澄まして聴いてみてくださいね💡

並達の禁則を破ると?

 並達の禁則は「並達1度、並達8度、並達5度」で外声間のみで禁則になるのでした💡ちなみにソプラノが順次進行する場合は禁則にはならないところもポイントです。

並達1度の例

 これが並達1度ですね、余程のことがなければ間違っても使うことはなさそうです。

 禁則の理由:重なった音が強調されすぎるのと、もう一つの声部はどこへ消えた(。・ω・。)ってなるため。

並達8度の例

 ソプラノとバスで何気なく使ってる人もいるかも。

 禁則の理由:重なった音が強調されすぎてしまうため。

並達5度の例

 上の声部「ドソ」、下の声部「ラド」で6度から5度へ見事に並達しています。並達のなかでも一番生じやすい禁則です。回避するには転回形にするなどしてバスを動かしましょう。

 禁則の理由:着地点が不安定で説得力に欠けるため。地に足がついてない感じ。

連続の禁則を破ると?

 外声同士はもちろん、「外声と内声」や「内声同士」でも禁則になるので気をつけましょう。

 連続の禁則は「連続1度、連続8度、連続5度」で、これらは反行していても禁則となるので気をつけましょう💡  ※連続1度は見れば誰でもわかるため例を省きます。

連続8度の例

 わかりづらいですが、青枠で囲った部分と赤枠で囲った部分が連続8度になっています。

 禁則の理由:重なってる声部が思いっきり目立ちます。

連続5度の例

 カノンから赤枠と青枠で囲った部分が連続5度です。ちなみにバスと内声で連続8度もできています。回避するにはDmのバスを第一転回形にすればよいですね💡 かろうじてソプラノが順次進行しているので並達こそ生じていませんが、これはかなりな禁則を含んでいます^-^;

 禁則の理由:不安定な響きが続いてしまうため。

和声法の禁則はなぜいけないの? まとめ

 禁則ばかり聴いていたので最後に正しい例を聴いてまとめに入りましょう。

正解例

 Dの基本形からGの第一転回形に進み上三声からは第3音を除いて第5音を重ねています。バスの導音は主音に解決させて、上三声は今回は第5音を省略せずミソドを配置しています^-^ノ

 みなさん禁則の響きを聴いてどのように感じましたか?

 実は古典派からロマン派に移って以降、禁則は普通に曲の中に取り入れられて今日に至っています。

 なのでもしかするとそれほど違和感を感じなかったという方も大勢いるかもしれません💡

 大切なことは禁則を使わない、ということではなく、禁則の響きをきちんと覚えた上でそれをどのように活用したり、また良くない響きであれば回避していくかを考えていくということなのかもしれませんね^-^ノ

 この禁則音楽博物館がみなさんのお役に立てればなによりです💡