指揮者は目の前で演奏されているすべての楽器の音色、奏法、音量を細かく把握できたり、録音された音源でも大体の構成がわかってしまいます。
では指揮者でなく、DTMでオーケストラの曲を作りたいという人でもそんな能力を身につけるにはどうすればよいのでしょうか?
もちろん頻繁に生演奏を観て聴いていればバランスや定位なども自然と身に付いていくので、オーケストラを書きたいという方に限らずDTMでミックスを始めたいという方はどんどん演奏を聴きに行くのが一番よい方法です。
しかし、オーケストラにあまり馴染みがない方にとってはなかなかわかりづらいところもあり、そんなに頻繁に聴きに行く時間もないしお金もかけられないのでもっと良い方法がないの?という方も多いと思います。
そんなわけで今回は効率よく能力を身に付けていくためのポイントをいくつかのカテゴリに分けて書いていくことにしました。
この方法で耳コピを身に付ければ最近の映画やゲーム音楽なども聴くだけである程度分析できるようになるので、実践で使える技術が身につきますよ^-^♪
楽器の奏法・音色を覚える
基本的なことなので既に習得している方は多いと思いますが、その楽器の奏法、音域を変えるとどのような音が出るのかを覚えることは実は最も重要なことだと思いますし、実はこれが一番時間がかかることでもあります。
ではこれを短縮する方法を次の項目で紹介します。
実際に楽器を演奏してみる
実際に自ら楽器を演奏してみることで、その楽器の限界点やらが見えてくると同時に音色の感覚も自然と身についていきます。
ただこの方法はお金がかかるので代わりの方法として、今はパソコンと鍵盤があれば気軽に音が出せる音源が各メーカーから出ているのでそういった音源を用いて演奏することである程度音色の感覚がつかめてきます。
※生楽器の練習では楽器教室やアマオケ、吹奏楽の団体などに入って友人に楽器を借りて演奏するのが手っ取り早いです。
古典派のクラシックを丸暗記する
ロマン派以降、かなり自由な発想をする作家が増えた一方で古典派時代ではこれを覚えればある程度曲が書けるようになる、という重ね方や構成などのお決まりがかっちり決まっています。
そういった曲を眺めていくうちに、同じような箇所が多数現れるので次第に音を聴くだけであの組み合わせだな、とわかるようになってきます。
まるで語学の勉強のようです。
ロマン派以降の曲を分析する
ロマン派以降では禁則などもゆるくなってきて作家それぞれにやりたい放題美しい曲を作り、情景を表現するための音楽などが増えてきているので劇伴のための作曲を学びたいというのであればこの時代の音楽がとても役に立ちます。
実際ハリウッド作家の音楽を聴いて、これはあの曲から引っ張ってきているなというのはよくあるので彼らもまた同じように必死に研究をしてきた人なんだなと改めて思います。
まとめ
さて、ここまで実践してきた皆さんは既にどんなオーケストラを聴いても大体響きが読めるようになってきたのではないでしょうか(?)
もちろん熟練の耳を持った人でさえ聞き分けが難しい楽器同士の似た響きというのはあるのでそれはもう録音された音源ではあきらめましょう。
ただひとつ言えることは、その音がどっちの楽器?となった場合でも、自分自身の中で選択肢がある場合そのどちらかを使ってその音を表現すればよいのです。
作曲は他人の完コピではありませんので、自分自身の中で表現したいもののために一番良い音を選べるようになればそれはもう目標を達成したと言って良いと思います^-^ノ♪