映像にテンポを合わせて音楽を付ける方法 映画劇伴(映画音楽)の作り方を完全公開!

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 映画の劇伴(映画音楽)といえば、音楽が映像の展開にぴったり合わせて作られているのを見たことがあると思います。

 今回はそんな劇伴について、どのように作られているのか(?)制作方法を完全公開します。 

ドラマと映画劇伴の作り方は違う

 まずはじめに、ドラマと映画の音楽の付け方は手順が違うということを覚えておきましょう💡

  • (1)ドラマは音楽を先に作って、後から映像を付ける。
  • (2)映画は先に映像を作ってそこに音楽を付ける。

ドラマ劇伴は

 (1)はyoutubeやニコニコ動画などで皆さんがよくやっている手法だと思いますが、ドラマは毎週放送だったり制作時間が少ないため、音楽は予め登場人物の相関図やあらすじ、Sceneなどを元にほとんどの音楽を先に作ってから映像制作に入ります。

 必要があれば後から書き足したりもしますが、映像に音楽を合わせて作るということは基本的にしません。

映画劇伴は

 映画ではまず映像が先にあがってきて、そこに音楽を合わせて付けていきます。(画合わせ)

 なので映像を見て、長さやScene、展開によって適切な拍子、小節数、テンポ、間を決めて作っていくことが重要になってきます。

 そういえば僕が以前担当した映画劇伴制作では、「街中でアカペラで録音した歌にオーケストラの伴奏をテンポを合わせて収録して欲しい」というものもありました^-^;

 ミュージカルだけは通常イヤホンからの伴奏を聴きながら歌を録音して、あとでCGを使ってイヤホンを消すというのが一般的なやり方なのですが、(あとは髪の毛で隠しちゃうとか)

 順番が逆^-^;

 まだ伴奏できてないですからー>< とかいいつつ結構楽しみながら作らせていただきました💡笑

 監督さん貴重な経験をありがとうございましたm(_ _)m

映画劇伴の作り方の基本

 そんなわけで、映像に音楽を合わせていくということは、先程のように細かくテンポを変えながら付けていく、ということが基本になってきます。

 この基本を踏まえた上で監督と相談しながら、どの程度画に合わせていくのか、あまり合わせ過ぎないほうが良い作品なのか作品の方向性を決めていきます💡

 監督によってはほぼ環境音みたいなものを好む方もいるのでその場合は映像の尺に合わせるだけで特にあまり細かく画合わせする必要はないです。

映像をDAWに取り込む

 それではここからは実践編です💡 まずお手持ちのDAW(音楽制作ソフト)に映像を取り込みましょう。

 今回は例として、”個人的”に撮影した映像を映画の1  Sceneに加工して例を紹介します💡

映像と音声をDAWに取り込む

 映像には環境音やダイアログ(セリフ)なども含まれているので両方とも取り込みましょう。

 このように映像と音声の2トラックが新しく表示されました。

プロジェクトのフレームレートを動画に合わせる

プロジェクト」→「プロジェクト設定」を開く。

 フレームレートを「ビデオから取得」を押すと映像のフレームレートを自動的に読み込んでくれます。

音のStartからEndまでの秒数・小節数を計算する。

 今回の映像は13秒程度なので、開始してすぐペダルポイントを入れつつ約12秒の長さで終わって、残り一秒はちょっとした間を残すような形で作ってみたいと思います。

 この時決めた秒数はあとでテンポを揺らして+-0.5秒以内で微調整するので大まかに決めてもらって大丈夫です。

 秒数が決まったら拍子とテンポ、小節数を決めていきます。

 今回は12秒、4/4拍子、テンポは106で作ることにします、この辺はなんとなく映像を見ながらイメージを浮かべましょう。

 ではこの条件では何小節分になるのでしょうか?

 そんなときはテンポ計算機というプログラムを作ったのでこちらを活用してみてください。

テンポ・小節数・秒数の計算機
 劇伴制作用のテンポ計算機プログラムを作ってみました💡是非活用してください^-^ノ

 「小節数計算」で計算してみると小節数は「5.3小節」となりました。

 今回は5小節で作って、ややテンポを揺らして全体で少し遅めに作れば良さそうですね💡

 若しくは、5小節ぴったりのテンポを求めたいという方は先程の計算機をもう一度使用して。今度は「テンポ計算」のボタンを押します。

 このように使えばテンポを平均100にすればよいということも求められます。

テンポの調整は開始の1小節前から

 テンポは音楽のStartの1小節手前から変更するように設定しましょう。これは、1小節手前から同じテンポでクリックを聴いていたほうが演奏がし易いという理由です。

 後々テンポを0.01単位で微調整を行う際にも、1小節前から調整していけばStartだけはブレることなく入ることが出来るというメリットがあります。 

 最終的にテンポはこのくらいまで揺らして収録に移ります。

 そしてこのテンポに合わせてみたのがこちら💡ちょっと仕上げ粗めです^-^;

 12秒間なので始まった瞬間に終わりますが、尺が伸びても同じように作っていきます。

 これから始まる〜始まりたい〜ってところで終わってます笑

 テーマはスパイ映画、主人公の任務はこれからこの風車に隠された秘密を暴き、誰にもバレずに電源を落とさなければならないという設定で、超短編15秒映画を作ってみました。(完)

 題して:エージェント・風車への挑戦

Point!

  • こんな感じでモックアップ(見本)ができたら、いよいよ先程の小節数をもとに、楽譜浄書ソフトを使って楽譜作成&オーケストラによる収録をして、音楽の完成となります!

まとめ

 今回はこんな感じで、映像に音楽を付ける方法を紹介してみました💡 日本の日常風景でもちょっと工夫するとそれなりにダークに変身させることができますね💡

 作ったサンプルが短すぎてなんとも伝わっていない気もしますが^-^;皆さんも映像に音楽を付ける機会があれば是非参考にしてみてくださいね^-^ノ

 あ💡監督さんからの依頼もお待ちしております^-^ノ♪