WAVESにはPAZ Analyzerというアナライザーがあります。このアナライザー、標準でもそれなりに表示してくれるのでそのまま使っているという方もいると思いますが、きちんと設定することでより正確に分析できるようになります。
今回はそんなPAZ Analyzerを完璧に使いこなすための使い方について紹介していきます^-^ノ
PAZ Analyzerとは
PAZ Analyzerは、通した音を劣化させること無くリアルアイムに近い速さで分析結果を表示することのできるアナライザーです。
PAZ Analyzerでは次の3つを分析できます。
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周波数ウィンドウ
周波数ウィンドウでは、周波数ごとの音量をdBで確認できます。
ウィンドウの拡大縮小
周波数を拡大・縮小して表示したいときは「Zoom」機能を使います。
拡大することで下のメモリも細かく表示されるようになります。EQやディエッサーなどの調整がしやすくなるのでおすすめです。
拡大したウィンドウを動かす
ウィンドウを拡大すると一部分しか表示されなくなります、そんなときは「Navigate」を使用して見たい箇所までウィンドウを動かしましょう。
拡大・縮小をリセット
拡大・縮小をリセットしたい時は右下にある「Reset Zoom」をクリックします。
ステレオポジションディスプレイ
このモニターには、再生されている音の広がり方と音量が表示されます。
主に中央の青い部分でステレオの広がりを確認します。左右の赤色の部分は位相のズレた音が表示されます。
位相のズレが多いと音の打ち消し合いや、うねりが生じる原因にもなるので、効果的に聴こえる範囲内に収まるよう調整していきましょう。
LF resolutionについて
「LF res」と書かれた箇所があります。これは「Low Frequency resolution」の略で、訳すと「低周波の解像度」という意味になります。
LF resでは250Hz未満の周波数に対してどのくらい細かく分析するか、Q(バンドの数と幅)を設定できます。
設定値は「40Hz」、「20Hz」、「10Hz」が設定可能で、数字が小さいほど詳細に分析を行います。初期設定では40Hzになっています。より細かく分析を行いたい場合は10Hzに設定しましょう。
250Hz以上の周波数ではQは10Hzに固定されています。
PEAK・RMSを選択してメーターに表示する
画像赤枠部分「Detect」では全てのメーターに表示する値をPEAKまたはRMSへ選択します。
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Response
Response値の役割はPEAKモードとRMSモードで変わります。
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RMSモードでは、聴感上のエネルギーは時間とともに平均化されて表示されます。これは、人間は同じ大きさの音を長時間聴いていると音量に慣れて変化を感じにくくなるという性質があるためです。
L/Rまたはステレオ表示を切り替え
赤枠部分「Show」ボタンではステレオをまとめて表示するか、L/Rに分けて表示するかを選択できます。
下の画像はL/Rで分けて表示した例です。黄色が左、水色は右のチャンネルを表しています。
Freezeボタンについて
再生していると、ある瞬間の波形を分析したい場合があります。そんなときは「Freeze」ボタンを押すと、押したタイミングの波形がずっと表示されたままになります。
フリーズを解除したい場合は、もう一度ボタンを押すと解除できます。
ピークの検出
「Peak Hold」を押すと、ピークをオレンジ色のラインとして表示できます。
再生が終わった後に、どの周波数が一番大きいか確認できます。
記録されたピークをリセットしたい場合は「Clear」ボタンをクリックするとリセットできます。
Weightについて
PAZ Analyzerには「Weight」という機能があります。Weightには「Weightなし」、「dBA」、「dBB」、「dBC」の4種類があって通常は「Weightなし」を使用します。
Weightなしの場合
通常使用する設定で、一般的な音量が表示されます。
Weightありの場合
Weightをつけた3つのパターンを比較してみました。これらのモードは、主にノイズの測定や、ラウドネス(聴感上)の測定に用います。
聴感上では低音はあまり聴こえない音として扱われるのでモードによって低音域の表示が削られているのがわかります。
ノイズやラウドネス測定にはdBAが一番適しています。
Weight dBA
Weight dBB dBC
まとめ
「LF res」の設定を変えてより細かい分析を行ったり、ピークやRMSを切り替えることでもまたいつもと違った分析結果を見ることができます。
そして、今までEQの値も大雑把に確認していたという方も、拡大機能を使ってより細かく周波数を眺めてみてくださいね^-^♪