超謎解き!DTM探検!!第6回は「リズムを付けながら和音を入れてみよう」について紹介していきます!!
和音を入れる、というとパッド音源のように長く伸ばして使うイメージを持っている方が多いと思いますが、和音自体を短く切って刻むように演奏したり、裏打ちとして使用することで音に動きが出て賑やかで楽しい演奏になります。
今回は付けたコードをリズミカルに刻んで楽しい演奏を作る練習をやってみましょう💡
和音でリズムを刻むには?
和音の鳴らし方は、パッドのように柔らかい音を白玉(2分音符や全音符のこと)で伸ばす他に、8分音符や16分音符などの短い音にリズムを付けて鳴らす方法があります💡
そして、白玉系のコードやリズミカルなコードは、どちらか片方しか使ってはいけないというわけではなく、その時によって片方だけ使ったり、両方を混ぜて使うこともあります💡
まずは雰囲気の違いを聴いてみましょう💡(ちょっと荒めです^-^;)
白玉の長い和音(トロンボーン)
短い音で刻んだ和音(ホルン)
2つのタイプを混ぜた例(ホルン&トロンボーン)
刻んだ音のみでは隙間が開いていてかなりスッキリとした印象ですね。
一方で白玉の長い和音のみではおとなしい印象で、さらに管楽器の息継ぎポイントで音が途切れて勢いも止まってしまう印象です。
2つを合わせると息継ぎのポイントも埋め合わされるのと同時に、おとなしいイメージだった白玉が力強く重厚に支える役割に変わっているのがわかります💡
トロンボーンは特に小さい音から大きい音まで出せるので全体の音量を決める大事な役割を担う楽器として使われます。
今回はホルン4本で刻んでいますが、トロンボーンで和音を刻むこともありますよ💡
裏打ちとは?
裏打ちとは拍子の拍表ではなくて、拍裏で音をだして刻んでいくことです。
先程の演奏だとホルンの演奏にたくさんの裏打ちが含まれていました💡
皆さんも、4/4拍子を「いち」と「に」と「さん」と「し」と、のように数えたことがあるかと思います。
数えならが「と」に合わせて手拍子を入れて裏打ちの練習をやってみましょう💡
ちなみに裏打ちはこのような管楽器のみだけでなく、最近のEDMにシンセを使って入れることもよくあります。
EDMの曲は、楽器の役割をシンセサイザーで再現して作っているので、曲のパーツや作り方の基本は実は同じなのです💡
実際にいろいろな種類の和音をつけてみよう!
それでは、前回バスの対旋律を付けたデータに、先ほど紹介した2種類の和音を使い分けて実際に打ち込んでみましょう💡
今回は急遽、苦手な方が多い金管を例として使うことにしたので、対旋律も前回のベースからチューバに入れ替えてみました。
対旋律の始まりも2拍目からにして、少し遅らせてスタートさせています💡
この音源を素にいろいろな和音を加えて変化を追っていきましょう💡
○ 前回までに作ったメロディと対旋律(バス)のみの音源
まずは自由に取り組んでみよう♪
和音を打ち込むルールですが、今は特に気にせず和音の構成音を好きなように配置して打ち込んでもOKです💡
もし綺麗に響かせるための方法に興味がある方は「和声の基礎音符音の重ね方と繋げ方(配置と連結)について」をご覧ください。
和音を打ち込むときの簡単なポイント!
自由すぎると逆に難しいという方へ簡単なポイントを紹介します💡
第2回で付けたリズムトラックを聴きながらタイミングを考える
和音の刻み方で迷ったら、第二回で作ったリズムトラックも一緒に再生しながらタイミングを決めていきましょう💡
和音は複数の楽器で演奏するものだったという起源から考える
パッドやストリングスの音源を使うと、1つのトラックにコードを打ち込むので見落としがちになってしまいますが、本来は3和音なら3つの楽器(3トラック)、4和音なら4つの楽器(4トラック)を使って演奏をするものでした💡
なので、和音を打ち込む際にも、各楽器が演奏しやすいような、覚えやすいフレーズになるように組み立ててあげると響きもよくなります💡
そこまで厳密に考えることはありませんが、ポイントとして覚えておきましょう💡
金管を使う場合は性質を考えてみる
金管楽器は同じ仲間で近い音域に集めて使うことが多いので、あまり音域を離さないで重ねるのがポイントです💡
一方で木管楽器は、管によって音色が異なるので、例えばクラリネットとファゴットを交互に重ねたり、同じ種類の管でも音域を離して使うことがあります💡
ストリングスの場合にもディビジ(div.)といって、例えば1stバイオリンをさらに2つのグループに分けて和音の音域を広げる手法をつかうことがあります💡
特にホルンの音はまろやかで木管楽器とその他の金管楽器を綺麗に溶け込ましてくれる働きがあるので、金管と木管楽器の中間にあたる音域を行き来するように配置すると効果的です💡
前回作った対位法の禁則にならないように注意!
前回の対位法の延長になるのですが、対位法は「一番高い音」と「低い音」(外声という)の関係を最も重視していて、並達の禁則はこの外声間で発生します。
なので、前回作ったメロディよりも高い音や、バスよりも低い音を和音の一部として入れてしまうと禁則が発生する可能性があります。
その場合は、高音楽器を使ってメロディを1オクターブ上で重ねたり、バスの場合は更に低音の楽器でオクターブ下に重ねることで回避します。
余談ですが、歌もののサビなどで後半メロディよりも上にストリングスの対旋律が乗ったりすることがありますよね💡
その場合は、ストリングスに合わせてバスの対旋律を作り直すという方法もあるのですが、よくある手法ではオクターブ上でグロッケン(鉄琴)の音をメロディに重ねて手っ取り早く禁則にならないようにしているという裏話があります。
和音による雰囲気の変化を確認してみよう!!
皆さんそれぞれに和音を付けてみましたか💡
先程の音源に実際に「白玉和音」、「刻み和音」、「2種類の和音」を付けた3種類の音源を聴き比べてみましょう💡
白玉和音のみを付けた例
ここでは全体的におとなしいイメージに仕上げるためバスのチューバもできるだけ音を長く保って演奏しています。
大サビの前に少し勢いを落とす際などに使うと効果的ですね💡
和音を細かく演奏した例
重厚感が全くなくて、軽くてひょうきんなイメージになりますね💡
バックに聞こえないくらい薄い和音を弱奏で入れるという手法もあります。
2種類の和音を組み合わせた例
2種類の和音を組み合わせると、楽しさの中に重厚な雰囲気を溶け込ませることができますね💡
楽器の種類が多いオーケストラでもやっていることは同じ!?
オーケストラではたくさんの楽器があって難しそうですが、実際は上の3種類のパターンを楽器の組み合わせを変えることで音色を変えて表現しているだけなのです💡
そして、もっと楽器の少ないピアノソロであったり、ボーカル&ピアノ&ギターの曲でも同じように組み立てていけば、どんな音色でも必ず曲として成り立ちます💡
次回はパーカッションを足して曲を完成させていきます!
今回までで、一番単純な曲の構成がひとまず完成しました💡
次回はパーカッション楽器を足して曲の制作もいよいよ完結です💡
構成を振り返ってみると、もう少し内容を省いて進めていく予定だったのですが^-^;紹介したいことがたくさんあってついつい余計なことばかりしゃべって重要なことを載せ忘れているかもしれません^-^;
何かわからないことがあればお気軽に「みんなで解決!投稿Q」までお便りを寄せください^-^b