WavesのPuigChildはアナログ感を足す用途はもちろん、左右を分けてコンプを掛けたり、MS処理にも使える万能コンプレッサーです。今回はそんなPuigChildの使い方について書いていきます。
PuigChildとは
PuigChildは、実機の「Fairchild 670」という有名な真空管コンプレッサーをモデルにして作られたWaves社のプラグインです。
Puigという名前は「ジャック・ジョセフ・プイグ」さんという凄腕のエンジニアがスタジオで管理していた実機を借りてプラグインを作ったためこの名が付きました。
プラグインを呼び出す際は名前が少しややこしいので気をつけてくださいね?
実機「Fairchild 670」の音について
Fairchildは真空管を使用しているので、現在主流のトランジスタ式に比べて出音は角が無く、丸く暖かいつぶれ方をするのが特徴です。
抜けの良い「カツカツ」音よりも「ドンドン」と鳴る音が強調され音圧と勢いが増します。
PuigChildの電源スイッチについて
画像赤枠部分はメインスイッチで、ONになっていると電球が点灯し、コンプがかかる状態になります。OFFにすると機能しないので注意しましょう。
電源のON-OFFスイッチ
電源の周波数切替
「60Hz」や「50Hz」、「OFF」と書かれたスイッチは電源の周波数を切り替えるもので、周波数に応じたノイズが加えられます。OFFにするとノイズは付加されません。
ゲインリダクションメーターについて
ゲインリダクションメーターは、ステレオ用のプラグインでは上下に2つ付いています。
上のメーターがLeft、下のメーターがRightを表していて、それぞれのゲインリダクション、つまり何dB圧縮されているかが表示されます。
このメーターが振れていないときはコンプが機能していないので後述する「INPUT GAIN」を上げましょう。
左右のリンクスイッチについて
リンクスイッチでは、ステレオ音源の左右を別々に操作したり、左右とセンターに分けてコンプを掛けるモードに切り替えることができます。
リンクスイッチのそれぞれのモード
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モノラル用では次のような単純な作りをしていますが、ステレオ用のプラグインではこれが2つあって、それぞれを連携したり別々に操作できると覚えておきましょう。
INPUT GAIN について
コンプレッサーに通す音の量を調節します。元の音が大きすぎたり小さすぎる場合はここで音量を調整してあげましょう。
リンクスイッチが「LINKED」になっている場合は、上の赤枠のノブだけを使用します。
THRESHOLDの設定
スレッショルドを調整してどの程度圧縮するかを決めます。もしスレッショルドが最小にも関わらず圧縮されている場合は元の音が大きすぎるので「INPUT GAIN」を下げて調整します。
こちらもリンクスイッチが「LINKED」の場合は、上の赤枠のノブだけを使用します。
アタックタイムとリリースタイムについて
PuigChildではアタックタイムとリリースタイムは予め決められた組み合わせ(6パターン)から選んで使用します。
アタックタイムとリリースタイムのパターン
モード1
| モード2
| モード3
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モード4
| モード5
| モード6
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OUTPUTについて
OUTPUTつまみは最終的な音量調整に使用します。コンプによって圧縮されて小さくなった分の音量だけ上げたりなど補正程度に使用しましょう。
まとめ
PuigChild(Fairchild)はアナログシミュレーターの中でもかなり自然にクオリティの高い音源を作ることの出来るコンプレッサーです。
生音やオーケストラ、劇伴とも相性が良いので、是非使ってみてくださいね^-^ノ