皆さんはゲートやエキスパンダーというエフェクトを使用したことがありますか?
ゲート・エキスパンダーといえば、1980~90年代にまだアナログ機材が主流だった時代、無音部分で目立ってしまうノイズを遮断する目的で導入されていました💡
そころが、同じ頃アメリカではゲート・エキスパンダーを使って音をタイトに作り上げたり、特にパーカッションにゲート・エキスパンダーを掛けるとノリが作れることがわかり、多様な使い方ができるエフェクトとして一時は爆発的な人気になったのです💡
そして、現在でもアナログ機器を使用する場合に無音部分のノイズを消すのはもちろん、音作りのためとして使われ続けています(エレキギターでもシールドのノイズを消す必須アイテムですね💡)。
そんなゲートやエキスパンダーですが、ほとんど同じ目的・効果を生むために使用されていたエフェクトですが、それぞれ動作が少しだけ異なります💡
今回はそんなゲート・エキスパンダーについて、それぞれの違いや使い方について見ていきましょう^-^ノ
ゲート・エキスパンダーとは?
ゲート・エキスパンダーとは、共に、ある音量を下回った音を圧縮して消すためのエフェクトです。
この効果を利用して、音声の無音部分に入り込んだノイズだけを取り除き、音の大きな部分(演奏部分、会話部分)を残すことができ、アナログ機器によるノイズを軽減する目的で活躍していました。
音の小さな部分だけを圧縮する機能から、よくコンプレッサーと逆の働きをすると例えられています💡
あくまで無音部分だけ!演奏や会話部分のノイズは取り除けない点に注意!
ゲート・エキスパンダーは小さな音だけを圧縮するため、取り除けるノイズは無音部分に入り込んでしまったノイズのみ!
演奏や会話部分のノイズは、楽器の音や人の声によってノイズが目立たなくなる「マスキング効果」を利用することが前提のエフェクトだということを忘れないようにしましょう💡
エキスパンダーとは?ゆる〜く圧縮したい場合に使う!
エキスパンダーとは、ある音量(スレッショルド)を下回った音を圧縮して、より小さくするエフェクトで、掛かり始めが緩やかなのが最大の特徴です💡
エキスパンダーは圧縮が緩やか!?
エキスパンダーは、スレッショルドを下回った音を音量に応じて徐々に、緩やかに圧縮を行います💡
スレッショルドを下回ったからと言って一気にガッツリ圧縮されるわけではないところがポイントです💡
ゲートとは?ガッツリノイズ除去したい場合に使う!
一方ゲートとは、スレッショルドを下回った音を音量に関係なくガッツリと圧縮するエフェクトです💡
その名の通り、「門」を開け閉めするかのように、スレッショルドを下回っていれば音量の大小に構わず門を閉める効果があります。
ただ、実世界には門を開け閉めする時間がありますよね💡
ゲートも同じで、門を閉める速さ「リリースタイム」を設定することで、音量ではなく時間によって滑らかにゲートを閉じることができます💡
※「コンプレッサーのアタックタイム」が「ゲート・エキスパンダーではリリースタイム」に相当します、紛らわしいので間違えないように注意しましょう!
ゲート・エキスパンダーの設定項目を覚えておこう!
ゲート・エキスパンダーには、機種によって設定項目がたくさんあるものもありますが、ここではゲート・エキスパンダーを使用するために必要な項目を紹介しておきます💡
THRESHOLD(スレッショルド):閾値!
コンプレッサーを使っていればおなじみのスレッショルドですが、ゲート・エキスパンダーでも閾値(限界値)を決めるために使用します💡
音量が設定したスレッショルドを下回ると、ゲート・エキスパンダーの圧縮が開始されます。
RANGE(レンジ):圧縮量!
レンジは、スレッショルドを下回った音を、最終的に何dB圧縮するのかを決める項目です💡
レンジの値が0だと全く効果がないので注意しましょう💡
リリースタイム:圧縮が最大になるまでの時間!
リリースタイムは、音量がスレッショルドを下回ってから圧縮量が最大になるまでの時間を設定する値です。先程、ゲートで門が閉じきるまでの時間だと説明しましたね💡
リリースタイムを上手に調節するとより自然にゲート・エキスパンダーを掛けることができます💡
再度書きますが、動作が始まるまでの時間ということで、コンプレッサーのアタックタイムと混同しやすいので注意しましょう💡
アタックタイム:圧縮が解除されるまでの時間!
アタックタイムについては、リリースタイムの逆をイメージしましょう💡
音量がスレッショルドを上回った際に、完全にゲート・エキスパンダーが解除されるまでの時間を設定します💡
基本的には最速で使用し、違和感を感じたら少しずつ長くしていく使い方が一般的です💡
RATIO(レシオ):圧縮比
レシオは機種によって、あるものと無いものがありますが、付属している機種ではコンプレッサーのレシオと同様に圧縮比を決めるための設定項目として使用します💡
「1:2なら1/2」、「1:3なら1/3」、「1:∞なら100%圧縮」のように、ゲート・エキスパンダーでもコンプレッサーと同様に圧縮比を決めることができます💡
基本的には「1:∞」で使用し、適宜弱める方向で調節していくのが一般的です。
ゲート・エキスパンダーの使い方と手順とは!?
ここからは、実際にゲート・エキスパンダーを使用する際の手順を用途別に紹介していきます💡
無音部分のノイズを除去したい場合!
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無音部分のノイズを除去する場合、まずはノイズの最大音量が凡そ何dB位あるのか確認してから作業に入ることで狙うスレッショルド値が求めやすくなります。
最初に、ノイズカットが目的であればモードを「GATE」に、そしてレシオは最大に設定しましょう💡
続いて、スレッショルドの値をノイズの音量よりもやや大きめに設定し、レンジを上げてノイズが消えるギリギリのラインで仕上げるのがポイント!無駄に掛けすぎないことが自然に仕上げるコツです💡
最後に、リリースタイムとアタックタイムを調整してより自然な印象に仕上がるように設定しましょう💡
パーカッションの音作りをしたい場合!
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音作りでは、圧縮が掛かるか、掛からないかの瀬戸際で調整を行うため、エキスパンダーを使用するとより自然な印象でタイトに仕上げることができます💡
また、アタックタイムが遅いと音の出だし部分がカットされてしまうため、常に最速で使用することが重要なポイントです💡
ゲート・エキスパンダーって何?使い方やそれぞれの違いについて紹介! のまとめ!
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ゲート・エキスパンダーは、アナログ機材を使用したり、エレキギター、エレキベースの演奏時にも必需品であったり、現在でもまだまだ大活躍のエフェクトです💡
そして、ただ単にノイズを消すだけでなく設定次第では音の性質まで変えてしまうので、メインの音を変えずにノイズだけを除去するのか?それともノイズも除去しつつ音をタイトに仕上げるのか、などを考えながら作業をするとより目的に近い音に仕上がりクオリティも上がってきます^-^ノ