超謎解き!DTM探検!!第13回目は「ポピュラー音楽で使う管楽器のヴォイシングにはどんな種類があるの?」について紹介していきます。
コードのヴォイシング(重ね方)には、3つの楽器を使って3和音を表現したり、4つの楽器を使って4和音を表現する方法がありますが、5つ以上の楽器を使う場合はどうすればよいのでしょうか?また、3和音や4和音でもその重ね方はいろいろと工夫できそうですね💡
前回、「和声法って何のために学ぶの?」では、四声体に音を足す場合には目立たせたい声部から音を重ねていくと説明しましたが、Jazzなどのポピュラーではまた少し違った視点から組み立てていく方法があります💡
今回はそんな多くの楽器をきれいに3声、4声にまとめるためのヴォイシングの種類について、ポピュラー視点から見ていきましょう^-^ノ
ヴォイシングとは?

同じC7なのに重ね方が微妙に違うみたいだね?どうして?

同じコードでも音の重ね方を変えると響きが変わるんだよ💡つまりその時の目的によって欲しい響きを重ね方によって作ることができるということ💡
このようにコードの構成音をどのように重ねるかを決めることをヴォイシングと呼ぶので覚えておこう💡

はーい♪

それじゃあ早速、ヴォイシングにはどんな種類があるのか紹介していくよ💡
まずは1番簡単な3和音から覚えていこう💡
3管のヴォイシングにはどんな種類があるの?

3管ってことは3人で演奏するってことだよね💡つまり3つの音で構成された3和音(三声)のことだ♪
Cだったら「ド・ミ・ソ」!

そのとおり💡3和音のヴォイシングは最も基本で2種類あるから覚えておこうね💡
3和音のクローズドボイシング

ひとつはクローズドボイシングといって、五線上でできるだけ3つの音が近くなるように重ねた結果できるヴォイシングだよ💡

コード構成音を使って隙間ができないように重ねていくヴォイシングだね♪

ちなみに、一番上の音(トップノート)を入れ替えるために転回しても、これらはすべてクローズドボイシングになるよ💡
3和音のドロップ2

もうひとつは「ドロップ2」といって、クローズドボイシングの上から2番目の音を1オクターブ下げた時の形だね💡

「ドロップ2」を作るならまずはクローズドボイシングを組み立てたから作るのが簡単だね♪
- 3管のヴォイシングは「クローズドボイシング」と「ドロップ2」の2種類
- クローズドボイシングでは3つの音ができるだけ近くなるように五線上に配置する。
- ドロップ2はクローズドボイシングの上から2番目の音を1オクターブ下げて作る。
- ヴォイシングを変えてもトップノートは変わらない。
4管のヴォイシングにはどんな種類があるの?

今度は4人で演奏する場合(4和音)だね💡

4つの音を重ねる場合でも、基本的な考え方は3和音のときと同じ💡
「4ウェイ・クローズ」は4和音のクローズドボイシングのことだよ💡
あとは4ウェイ・クローズを元に
- 上から2番目の音を1オクターブ下げたものを「ドロップ2」
- 上から3番目の音を1オクターブ下げたものを「ドロップ3」
- 上から2番目と3番目の音を両方とも1オクターブ下げたものを「ドロップ2&3」
と呼ぶよ💡
4管で3和音を演奏したい場合は?

そういえば、Jazzなら7thやテンションコードをたくさん使うのはわかるけど、他のジャンルを作りたい時に4管で3和音を演奏したい場合はどうすればいいの?

その場合には、まず3管を使って3和音で組み立ててみよう💡
もう1本はどうするかというと、「トップノートを1オクターブ下で演奏」してメロディを強調したり、「上から2番目の音を1オクターブ下で演奏」することでハーモニーを豊かに聴かせたりもできるよ💡

前に和声法で、3rdの音(Cならミの音)は重ねてはいけないって習ったけど重ねてもいいの?

和声法の場合には四声体で考えるから、4声の中に3rdの音が2つあるのは良くないね💡
でもこの場合は「3声で完成させたハーモニー」に対してオクターブで音を足して太くするから声部が増えるわけではないので濁った響きにはならないんだよ💡

そっか!あくまで1つの声部の音作りに参加しているって感じなんだね♪
- 4管で四声体を作る場合には「4ウェイ・クローズ」、「ドロップ2」、「ドロップ3」、「ドロップ2&3」の4種類がメインとなる。
- 基本的な作り方(考え方)は3管のときと同じ。
- 4管で3和音を演奏した場合には「トップノート」か「上から2番目の音」を1オクターブ下に重ねる。
5管で四声体を演奏したい場合のヴォイシングの種類は?

5管まで増えるとどうやって重ねたらいいかもう全然わかんないよ;

5管で四声体(4和音)演奏したい場合もさっきと同じように「4+1」で考えれば簡単だよ💡
4管で作った「4ウェイ・クローズ」のトップノートを1オクターブ下へ重ねれば5管で四声体を演奏することができるね💡
ちなみにこの形を「ダブル・リード」というよ💡

ちなみに💡この「ダブル・リード」の形からさらにドロップ2、ドロップ3、ドロップ2&3などを作ることもできるのでいろいろ試してみよう💡
- 5管の場合、4管で4ウェイ・クローズを作ってトップノートを1オクターブ下へ重ねて四声体を演奏する。
- その形のことをダブル・リードと呼ぶ(リードする音が2つという意味)。
- ダブル・リードからさらにドロップ2、ドロップ3、ドロップ2&3などを作ることもできる。
6管で四声体を作る場合のヴォイシングの種類は?

ということは6管に増えても同じこと?

6管に増えても演奏したいのは4声だからどの声部をオクターブ下に重ねるかを考えればOK💡
6管の場合だと
- 4管「4ウェイ・クローズ」の上2声を1オクターブ下に重ねる方法「4ウェイ・クローズ+2」
- 4管「ドロップ2」の上2声を1オクターブ下に重ねるオミット2
の2種類があるよ💡

6管を重ねる場合も先に4管で四声体を作ることが大事なんだね💡
- 6管になっても四声体を演奏することには変わらない。
- 6管の作り方の基本は「4管+2」の形。
- 「4ウェイ・クローズ」の上2声を1オクターブしたに足すと「4ウェイ・クローズ+2」
- 「4管のドロップ2」の上2声を1オクターブ下に足すと「オミット2」になる。
ポピュラーで使う金管楽器のヴォイシングにはどんな種類があるの? のまとめ
- ヴォイシングとは、「コード構成音の重ね方」のこと。
- 3和音のヴォイシングは「クローズドボイシング」と「ドロップ2」の2種類。
- 4管のクローズドボイシングのことを「4ウェイ・クローズ」と呼ぶ。
- 4ウェイ・クローズは5管以上の編成にを作る際の基本となる。
- 4管で3和音を演奏したい場合は「トップノート」か「上から2番目の音」を1オクターブ下へ重ねる。
- 5管で四声体を演奏したい場合は4ウェイ・クローズのトップノートを1オクターブ下へ重ねてダブルリードを作る。
- ダブルリードからさらにドロップ2やドロップ3、ドロップ2&3を作ることもできる。
- 6管で四声体を演奏したい場合には「4ウェイ・クローズ」の上2声を1オクターブ下へ重ねる方法と、「4声のドロップ2」の上2声を1オクターブ下へ重ねる方法がある。
こうして見ると、コードの構成音を積み重ねるにも、楽器の本数や音の間隔など様々な工夫を加えることができることがわかります💡
どんな風に重ねるのが最も効果があるのかは、その時のメロディや強調したい部分によっても異なるため、まずは多くのパターンを試してみてこんな効果が得られる!という体験を積み重ねていきましょう💡
また、以前紹介した和声的なアプローチと組み合わせたり使い分けることでより最適な響きを表現できるようになります。
管楽器(特に金管やサックスなど)の編曲をする際には是非今回紹介したヴォイシングを取り入れてみてください^-^ノ
次回はこちら「DTMの打ち込みで伸び悩んだら鍵盤やウィンドシンセを使ってリアルタイムに演奏して録音してみよう!!」

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