最近は機材やソフトが充実してきたのもあって、自宅でも気軽にボーカルレコーディングができるようになってきました💡
宅録仮歌シンガーさんや、気軽に歌って録音をして公開するのが趣味という方もかなり増えてきたので、今回はそんな宅録でのボーカルレコーディングにはどんな機材が必要なのか、方法や手順を含めて紹介していきたいと思います。
ボーカルレコーディングに必要な機材・ソフトとは
初めての方は、どんな機材を揃えればよいのか迷ってしまうと思いますので、まずはきれいに録音するために揃えた方が良い機材を書き出してみました。
後で各機材の細かい説明や、必要かどうかの見極め方について紹介します。
Point! ボーカルレコーディングに必要な機材
|
マイク
使うマイクの種類によって他に必要な機材が変わってくるのでマイクは最初に選びましょう!
マイクはたくさんの種類がありますが、大きく分けて次の3種類があります。
|
ダイナミックマイク
ダイナミックマイクは頑丈で壊れにくいため初心者でも扱いやすいメリットがあります。よくライブなどで使用されるShure SM58などはこのダイナミックマイクです。
ダイナミックマイクの接続にはXLRケーブルという太いケーブルを使用するため、ダイナミックマイクを使用する場合には別途XLRケーブルと、それを接続するためのオーディオインターフェイスを購入する必要があります。
ダイナミックマイクならSHUREのBETA58Aがバランスも良くておすすめ!
|
コンデンサーマイク
コンデンサーマイクは少し扱うのが難しいマイクです。振動や湿気、温度変化に弱いことに加え、使用する際には専用の48V電源が必要なので対応しているオーディオインターフェイスやミキサーを揃えなければなりません。
しかし指向性が広くコンデンサーマイクでしか拾えない空気感があるので、しっかりと防音された設備を持っている方にはおすすめです。
初めてのコンデンサーマイクには入門用のNT1Aがおすすめ!
お得にNeumann U87の音を再現したい場合はMXL 2003Aがおすすめ!
|
エレクトレットコンデンサーマイク
こちらは少し特殊なマイクで接続にはXLRではなくミニジャックを使用するものが多く、よくPCに付属の小さなマイク端子に差し込んで使用するマイクです。
モバイル機器に接続して使用する目的で作られているのでオーディオインターフェイスに繋いで使用することはできないので注意しましょう。
エレクトレットコンデンサーマイクはSONYの ECMシリーズがおすすめ
他のマイクをもっと選びたい
もっといろいろなマイクを選んでみたい!という方はこちらをご覧ください。
マイクケーブル
ダイナミックマイクやコンデンサーマイクを使う場合は、接続するためのXLRケーブルを用意しておきましょう。
ケーブルの長さはあまり短いと届かなかったり、長すぎると音が本当に僅かながら劣化するので必要な長さで一番短いものを選ぶのがポイントです💡
XLRケーブルには片方がジャックになっているものもありますが、オーディオインターフェイスが対応していれば両方共XLR端子になっているものを選びましょう。
両方ともXLRになっているおすすめのタイプ
片方がジャックになっているタイプ
ポップガード
ポップガードを使うことで息が直接マイクに当たってボワっとなる、いわゆる「吹かれ」を軽減することができます。
ポップガードには金網のものと布でできているタイプがありますが、金網タイプのものをおすすめします。金網のポップガードには裏表があって逆になっていると全く効果がないので使用する際は注意しましょう。
ポップガードはコンデンサーマイクを使用する際は吹かれによる不具合を防ぐために必ず使用しましょう。
ポップガードはSTEDMANの金網モデルがおすすめ!
マイクスタンド
マイクやポップガードををしっかりと固定できるマイクスタンドを揃えておきましょう。
ひ弱なスタンドを買ってしまうとマイクの重みに耐えられず勝手に下がってきてしまうので、録音に集中するためにも太めのものを購入するのがおすすめです。
TAMAのスタンドは丈夫で重いマイクもしっかりと固定できて安心!
リフレクションフィルター
マイクの後ろに硬い素材の壁がある場合、余計な反射を防ぐためのリフレクションフィルターと呼ばれる製品があります。
このあたりは好みで、無くても良ければ特に必ず必要なものではないので、布団などで代用しても良いと思います。
パソコン
マイクやオーディオインターフェイスを繋げるパソコンが必要ですね💡 ボーカルのレコーディング用途であればそれほど性能にこだわる必要はありません。
ただ、コンプレッサーやエフェクトを使用しなが録音をする場合、ある程度性能があったほうが負荷をかけつつ遅延なくレコーディングできます。
参考までに、DTM用パソコンの選び方について以前書いた記事をご覧ください。
オーディオインターフェイス
オーディオインターフェイスは、パソコンへUSBケーブルなどで接続をしてマイクとの橋渡しをする機材です。XLR端子が付いていて、48V電源に対応している機種を購入すればダイナミックマイクもコンデンサーマイクを繋げることができます。
オーディオインターフェイスの選び方についてはこちら↓
DAWソフト(音楽編集ソフト)
レコーディングをする時は、カラオケ音源を聴きながら歌を録音しなければなりませんが、そんな作業をするためのソフトがDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)です。
名前は難しいですが要はただの音楽編集ソフトなのであまり難しく考える必要はありません💡
ソフトはフリーのものもありますし、市販のものもありますのでどちらでも好きなものを選んでください。
このサイトでは安定性や信頼性も含めて市販のソフトをおすすめしています。
初めての方は迷わずCubase Elementsを購入しましょう。
密閉型ヘッドホン
レコーディング時には音楽を聴きながら歌を歌います。その時に必要なのが音漏れのない密閉型ヘッドホンです。
ヘッドホンには密閉型や開放型などがありますが、音漏れするタイプを使用してレコーディングをしようとすると、歌と一緒に音楽までマイクに拾われてしまうので注意しましょう。
ヘッドホンはオーディオインターフェイスのヘッドホン端子に差し込んで使用します。
密閉型ヘッドホンといえば日本のスタジオで定番のMDR 900STがおすすめ!
機材のつなぎ方
ボーカルレコーディングに必要な機材
|
登場した機材を繋げるとこのようになります。なんとなくイメージがつかめればOKです。
◯ パソコン |
レイテンシ(音の遅延)を抑えるバッファーサイズの設定
録音を始める前に、まずはレイテンシ(音の遅延)を抑えるためにオーディオインターフェイスのバッファーサイズ設定をやっておきましょう。
レコーディングの際はカラオケなどのBGMを聴きながらタイミングを合わせて発声し、パソコンに入った自分の声をヘッドホンで返してモニターを行うのですが、このときにモニター(ヘッドホン)への返りの音が遅いとタイミングを合わせづらくなります。
録音の際はリミッターなどの重たいプラグインを使用することになりますが、これらのプラグインが増えれば増えるほど音の遅延は増えるので重要な作業になります。
Cubaseでのバッファサイズの変え方は「Cubaseでレイテンシを減らすバッファサイズを変えるための方法について」をご覧ください
リミッターの設定
機材や耳にあまり大きな音を流すのは良いことではありません。リミッターを使用すると、ある一定の音量を超えると自動的に圧縮して音量を抑えることができます。
過剰な音を機材へ流さないためにもリミッターは必ず使用しておきましょう。
リミッターは通常マスターチャンネル(出力)に挿しておきます。
マイクを繋げる際は48V電源をOFFにしてGainも0にしておく
マイクを繋げる時は、必ず48V電源が切れているか確認をして、入力Gainも0に設定しておきましょう。この設定はDAWではなくオーディオインターフェイスのミキサー画面で行います。
特にコンデンサーマイクの場合、これらを守らずに急に負荷を掛けると故障してしまうこともありますので必ずチェックしましょう💡
マイクを繋いだら、コンデンサーマイクの場合は48V電源をONにしましょう。ダイナミックマイクの場合は48V電源は必要ありません。
続いて、少しだけ入力Gainを上げて、オーディオインターフェイスのメーターやミキサー画面で音が入力される状態になっているかを確認しましょう。
BGMを取り込む
BGMに合わせて歌を録音する場合は、まずDAWソフトへ音楽を取り込んで再生できる状態にしておきましょう。
録音用のオーディオトラックを作成する
続いて、先程のBGMのトラックとは別に、録音する音声を記録するためのオーディオトラックを作成しておきます。
Cubaseの場合は、VSTコネクションという設定画面でオーディオインターフェイスの入力チャンネルとソフトで使用する入力チャンネルをあわせておく必要があります。
詳しくは「はじめてのCubase教室 – 初期設定から音が出ない方のための設定方法まで」で紹介しているのでご覧ください。
録音時のレベル設定
設置が終わったら実際にマイクヘ音を入力していきます。このとき重要なのがマイクの感度設定です。マイクの感度はGainを調節して行います。
録音時のレベルはなんでも良いというわけではなく、ピークメーターのピークレベルが平均で-12db付近、最大でも-6dBに収まるような設定がベストです。
この設定はナレーションや映画のダイアログなどでも大体業界標準の録音レベルになっていて、後から不要なノイズなどが乗りにくく最適な設定値になっています。
準備ができたら実際に録音してみよう!
ここまで準備ができたらあとは自由に録音をしてみましょう!
ボーカルレコーディングのまとめ
それぞれの機材をしっかり揃えるとかなりお金がかかってしまいます。どの機材を優先するかを考えて、後で買ったけれどもやっぱり使わなかったなんてことにならないように(実は結構ある)事前にしっかりと選んで購入しましょう^-^ノ